6/14/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第14節 C大阪 4vs0 新潟 #cerezo #photo #diary


去年の今頃は、J2で、自動昇格圏か、それともプレーオフかともがき苦しんでたよな。それが今年、J1で首位争いをしている。後半勝負なんて苦手だったのに、今じゃ時間が経つほど強くなる。夢を見ているような、不思議な感覚だった。

後半40分過ぎに、守備のために長距離スプリントをしている山村和也を撮ったときには仰天した。もうバテバテなはずなのに、笑ってたんだ。

スターティングラインナップ


GK、キム・ジンヒョン。DF、右から田中裕介、マテイ・ヨニッチ、山下達也、丸橋祐介。MF、ボランチにソウザと山口蛍、二列目右にはケガで離脱中の清武弘嗣に代わって水沼宏太、左に柿谷曜一朗、トップ下に山村。FW、ワントップに杉本健勇。

リザーブ、丹野研太、松田陸、藤本康太、関口訓充、木本恭生、福満隆貴、澤上竜二。


「いつものメンバー」から松田、清武が抜けているが、松田は控え組のボール回しでも笑顔で動き回っていたので、疲労がたまった選手はローテーションで休みをとらせる、という配慮があったのかもしれない。

柿谷曜一朗の本気


この試合、一番注目していたのは柿谷のプレーだった。前節のアウェー神戸戦では途中交代、プレー自体もキレがなく、本人もそのことを自覚しているようだった。彼がこの一週間でどれだけ復調しているかを見極めたいという気持ちは、セレッソサポーターなら誰もが持っていたと思う。



この試合では密集し、やや自陣よりにブロックを作る新潟を相手に、ボールを持って勝負を仕掛ける姿を何度も観ることができた。ボールが足に吸い付いているような独特のタッチで、2対1の状況でも突破してしまう「らしさ」があった。俺が陣取るバックスタンドではちょっとうるさいサポーターも多いのだが、誰も感嘆していることが多かった。得点が決まれば文句なしだったが、神戸戦とはまるで違う、キレキレの柿谷が観られたのは救いだった。


引いて守る新潟を崩せない


前述の通り、新潟は自陣に引きこもっての守備をチョイスしていて、そこからロニや鈴木武蔵といったスピードある選手を走らせる作戦。セレッソはそれを受けて柿谷、水沼の両サイドハーフがワイドに開くようになり、ブロック自体を右に左に振り回していた。


その分ボランチや両サイドバックへの守備負担が増えるが、山口、ソウザ、田中といった面々は安定感があるし、丸橋も与えられた役割りをキッチリこなしていた。危険だと感じたシーンは2度ほどあったが、この日のジンヒョンは神がかったセーブを連発、新潟が喉から手が出るほど欲している先制点を許さない。


ある程度リスクを負って前に出たセレッソだったが、前半は決定機がなかなか作れず、逆に失うものがない新潟の攻撃にさらされることが多かった。データ化すれば、セレッソの方がポゼッションで上回っていたろうが、意図したような攻撃ができたのは新潟の方ではなかったろうか。

らしさ、で平静を取り戻したセレッソと、必死さ、が空回りした新潟


試合が動いたのは後半21分のセットプレーから。ただしノーマルなものではなく、コーナーキックの際新潟DFソン・ジュフンがヨニッチを引き倒し、得たPKを柿谷が冷静に決めたもの。

PKを得たヨニッチは、柿谷に魔法をかけていた。

それよりわずか前、後半20分に、ユン・ジョンファン監督は杉本に代えて澤上という選択をしている。その澤上が最前線で泥臭い競り合いをしてくれるので、水沼や柿谷といったメンツが前を向いた状態でボールを持つことができ、新潟が交代に対応する前にスコアを動かすことができた。


セレッソの攻撃が際立った時期はいくつかあるけれども、セットプレーでの得点がこれほど多かった年はない。レヴィ・クルピ監督時代の攻撃は、自由闊達さに由来するものが多かった。ユン監督になって規律が生まれ、ルールが根付き、約束事が徹底されるようになった。それが、チームを一体化させ、セットプレーでのゴール量産につながっている。

対する新潟は、これで何か切れてしまったような状態になった。ジャッジは正当なものだったと感じるけれども、審判の判定によってPKが宣告されるのは、実際にプレーしてゴールを奪われるよりも精神的にダメージが大きい。「これがPKか?」「なぜPKを受けなきゃいけない?」そういう怒りだとか悲しみがどうしても生まれ、後々のプレーに響く。


攻撃は、もともと足の速い選手の頑張り次第だった。その上に攻撃の厚みを犠牲にしてまで傾倒していた守備がほころびを見せたものだから、ガタガタになってしまった。わずか5分後の、これまたセットプレーの流れから山下にゴールを奪われ(これは混戦の中で正確にフリーになった水沼を見つけたソウザのファインプレーもあった)3点目に至っては柿谷のクイックリスタートに誰も反応していなかった。

ここで豆知識。フリーキックでは蹴る側がいつでもプレーを再開する権利を持っている。よく敵がボールの近くにいて、すぐに再開させないようにしているけれども、あの状態からでもプレーを再開できる。相手が9.15メートル以上離れていない時は、キックを蹴る側から審判に選手を離れさせるようアピールする権利が与えられているけれども、それを使う使わないは蹴る側の自由だ。

つまり、敵側には再開のタイミングをコントロールする権利を与えられてはいないわけだけれども、たまにスコンと知識が抜け落ちてしまう。あの時の新潟は精神的に疲れ切っていて、全く機能していなかった。

快勝。だが清水戦に不安も…


終いにはソウザのスキルフルなFKまで決まり、4-0と解消したセレッソ。だが清水戦に向けて不安材料が出始めた。ボランチの問題だ。



新潟戦ではソウザが警告を受け、清水戦には出られない。もう一人の軸である山口も代表で負傷(ハリルホジッチめ!!)日曜日、奈良クラブとのテストマッチでは藤本、木本、福満あたりがボランチとしてプレーしたようだが、スケールダウンは否めない。守備の堅牢さで勝ちを拾ってきたチームだから、なおさら気がかりだ。

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