5/27/2017

2017JリーグYBCルヴァンカップ 第6節 C大阪 1vs0 神戸 #cerezo #photo #diary


水曜の試合は……とても興味深かった。セレッソの守備が堅い理由が、選手個々人の能力なのか、それともユン・ジョンファン監督のが指導している守備戦術なのか。

神戸はほぼ主力級のメンバーで臨んだのに対し、セレッソはU-23や、さらに若いクラスの選手を出場させた。キンチョウスタジアムはさながら「ユン・システム」の強度を確かめる実験場のようだった。

スターティングメンバー


システムは4-2-3-1。

GK、丹野研太。DF右から酒本憲幸、藤本康太、茂庭照幸、田中裕介は珍しい左サイドバック。MFボランチにU-23では主力となる木本恭生と西本雅崇。2列目右から関口訓充、福満隆貴、水沼宏太。FW、1トップに澤上竜二。

リサーブは圍謙太朗、椋原健太、二種登録の瀬古歩夢、丸岡満、清原翔平、瀬古と同じく二種登録の喜田陽、U-23ではエース格の岸本武流が入る。


この試合では、前半早々(11分)にセットプレーの流れから藤本のボレーが決まった。セットプレーから先制して、相手を受け止めるという流れはリーグ戦でもよくあること。それを、若いダブルボランチや、守備が得手とは言えない酒本、ベテランセンターバックを揃えた状態でも再現可能なのかどうか……。

結論から言えば、かなりのレベルで再現できた。ただし、先ずよくやってくれたのは中盤や最終ラインではなく、福満、澤上といった前線のプレーヤーだったと記憶する。

杉本健勇や山村和也、柿谷曜一朗や清武弘嗣と比べれば、彼らは確かに見劣りする。けれど、この二人にはこの二人の「色」がある。


澤上は常にポストプレーヤーとして相手DFを背に奮闘していた。杉本が不得手とするプレーを、交代する後半28分まで黙々とこなし続けた。敵陣に一番近い位置で、ガツガツと削られながらも耐える。セレッソの中でも彼にしか出来ないプレーをしっかりと見せてくれた。


一方、福満が得意とするのは相手のマークをかいくぐる動きだ。相手が上がってきた裏、ほんの僅か空いたスペース、そういう他の人間が見つけられない場所に入り込む動きは、福満にしかできないプレーだ。森島寛晃さんの現役時代を少し思わせる、いい意味で狡猾なプレーは相手を苦しめた。

彼らが神戸の最終ラインに対して「うかつに前に出れば、俺達がただではおかないぞ」という姿勢を見せたことで、セレッソはいつもの、ベストメンバーと同じような姿勢で戦うことが出来た。


まあ、後ろのメンツも二人に負けず劣らず奮闘していたけれども……。久しぶりの茂庭、藤本という最終ラインは老獪でしたたかで。


木本も西本も、よく頑張ってた。木本は地味なんだけど「持ってる」プレーヤーなので、勘所には必ずいてくれて助かったな。



水沼も、故障明けとは思えない運動量だった。


全員が労を惜します最後まで走りきること、それがユン監督のサッカーだ。ただし「ずっと走れ、ひたすら走れ」という精神論は盛り込まない。「こうなったらここまでは走れ、局面が変わればステイしていい」という細かな約束事があるから、若手もベテランも等しく頑張れる「ここまででいいんだな」とわかっていれば、人は走れるものだ。

定着した5バック


後は……やっぱり瀬古選手の話がしたい。


彼は関口に代わって入り、5バック時にはボランチとなって相手の攻撃を受け止めた。高校生ながら長身で体躯もあり、もう少し体が出来てくればトップでも「らしい」プレーが出て来るんじゃないかと感心した。2000年生まれ、自分の娘より幼い子がここまでやれるのかと素直に驚いた。そりゃあ、俺がオジさんになるわけだ。彼のプレーはもう少し長く見てみたい。


あと一つ、澤上に代わって入った岸本が、1トップになったのは驚きだった。ユン監督は前線に高さや強さを求めるものとばかり思っていたから。

後から考えれば、投入された時間帯、すでに神戸は(同点、逆転を狙って)攻め達磨となってセレッソゴール前に殺到していたから、裏に抜けるスピードを持った岸本の投入はオーソドックスなものだと理解できる。実際、不用意なミスをした三原雅俊を退場に追いやっている。

三原退場後も前に出ることなく、5-4-1という守備的布陣を崩さなかったあたりは、ユン監督の哲学を感じた。石橋を叩いて割って、自分の手で鉄橋を作って渡るというか……。うまい表現が見つからないけれど。

明日も、勝とう。



わざわざ選手とともに挨拶に来たユン監督。よく見るとドヤ顔。

去年の今ごろは、こんな幸せの中にいられるとは思っていなかった。初のOB監督となったユンさんは、ここまでほぼベストの成績を残してくれていると断言できる。後は、このサッカーが分析され、対抗策を出された時にどう切り返すか、だろうか。

いきなり明日のリーグ戦で丸裸にされるってことは無いだろうが、「その時」は必ずやってくる。サポーターとして、ユンさん、クラブスタッフ、チームとともに、その山場を乗り越えていきたい。それくらい、今のチームを愛している。

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