3/05/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第2節 浦和 3vs1 C大阪 #cerezo #photo #diary


6年作り込んだチームと、まだ2試合目のチーム


セレッソの選手は、みなユン・ジョンファン監督から渡されたマニュアルを読みながら試合をしていた。一方、6年間同じシステムで戦い続けている浦和の選手たちは、分厚いミシャサッカーのマニュアルを諳んじられるくらい読み込んでいた。

だから、どんな時にどんなプレーをすればいいのか、両者の判断には僅かの時間差が生まれていた。例えその時間差が僅かだとしても、サッカーというスポーツでは致命傷になる。3-1というスコアは両チームの現在のパフォーマンスからすると致し方ないものなのかもしれない。

スターティングラインナップ


前説で水沼宏太が負傷、全治4週間のアナウンスがあった。同じくゴールを守るキム・ジンヒョンも腰痛で離脱(こちらはそれほど重くないらしい)そのため、キーパーは丹野研太、二列目右には丸岡満が起用されている。清武弘嗣はまだベンチ入りもできていない。

スターターはGK丹野。DF右から松田陸、ヨニッチ、山下達也、丸橋祐介。MF右から丸岡、ソウザ、山口蛍、関口訓充。FW杉本健勇に柿谷曜一朗。

リザーブには圍謙太朗、茂庭照幸、田中裕介、清原翔平、山村和也、秋山大地、リカルド・サントス。


3-4-2-1対策がとれないセレッソ


浦和はおなじみの3-4-2-1。攻撃時には両サイドのストッパーが上がり、ボランチの阿部勇樹が最終ラインに入ることで4-1-5になる。

キモは前線に選手を5枚並べることで、4バックを採用するチームでは必ず数的不利になる。そのため浦和と対戦する各チームは、それぞれに浦和対策を施してくるのが定番だ。だがセレッソはそれができなかった。するわけにいかなかった。


ユン・ジョンファン監督のやり方で試合を積み重ねて2試合目、まだ基礎の基礎を教えている状態で応用問題を解くことはできない。なので、守備のシステムは前節と変わらず4-4-2。この3ラインが等間隔で密に並び、選手たちはこのブロックに相手を侵入させないように注視していた。


浦和はこのブロックの外側にストッパー、両ウイングが出張り、セレッソのブロックに隙が生まれないかジックリとボール回しをしながらうかがっていた。仕掛けられる要素があれば、ブロックの中に位置取る選手たちに素早くボールを入れ、フィニッシュまで持っていく。

前半に生まれた浦和のファーストゴールはまさにその形で、セレッソの左サイドが破綻したと見るや、一気にゴール前へとボールを繋いでいった。あのスピードて仕掛けられるとボランチもストッパーも厳しいだろう。

まだ形が見えないセレッソの攻め


対するセレッソは、どのようにボールを繋げばいいか、どのように仕掛ければいいかがまだ出来上がっていなかった。前線と守備陣をリンクさせる二列目には関口と丸岡が起用されていたが、ともに今の状態では力不足だった。去年に比べてサイドバックやトップの援護が減ったので厳しいことは分かるが、せめて相手の脅威となる「何か」を残してほしかった。二人はともに後半半ばに交代となっている。


守備に関しては組織的にやろうという意思が見てとれ、後半足が止まってグダグダになるということがなかっただけに、攻撃寺の迫力のなさが余計に際立ってしまう。終盤にはリスクを覚悟でソウザが上がり形を作っていたが、序盤でも効果のある仕掛けを二つ三つ作りたいところだ。


セレッソの1点はコーナーキックから。ヨニッチがヘッドで合わせたもので、組織的な崩しがあったわけではない。

ユン・ジョンファンのサッカーはいつ形になるのか?


現在のところ、セレッソが最も注力すべきは、ユン・ジョンファン監督が目指すサッカーをどう理解し、具現化していくかということになるだろう。まだ2試合目、今日明日にも完成させろというのは無理がある。としても、何試合も試行錯誤のために犠牲にすることは避けたい。

リアリストに徹するなら、ルヴァンカップを捨て試合と割り切り、そこを実験の場とするのが手っ取り早い。カップ戦でどれほど敗戦しても降格の確率が上がるわけではないからだ。


ただし、あまりに実験を続けているとチームの空気は悪くなり、負け癖がついてしまう。「負けてもいい、収穫があればいい」と割り切っていても、実際負けてしまうと少なからぬダメージを受ける。

この辺りのさじ加減はどうなのか、今後も追い続けていきたい。札幌戦は現地観戦ができないので、次の観戦はルヴァンカップホーム初戦となる。その時にチームがどれだけまとまりを見せているか、よく観察していきたい。

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