11/13/2016

2016明治安田生命J2リーグ 第41節 東京V 1 vs 2 C大阪 未だ未完のまま。 #cerezo #verdy


勝つには勝ったが、憂鬱だ。試合を綺麗に閉められないことも、柿谷曜一朗のケガも心配だからね。「収穫もあったが課題も残る試合」というのは、中盤戦あたりなら許せるものだけど、最終節一歩手前でも相変わらずこの調子というのは不安でしかない。

スターター


GKは韓国代表に招集されたキム・ジンヒョンに代わり丹野研太。DF右から田中裕介、山下達也、山村和也。MF右に松田陸、左に丸橋祐介、ダブルボランチは日本代表に招集されている山口蛍に代わり、秋山大地がソウザと組む。二列目右に清原翔平、左に杉本健勇。FW1トップに帰って来た柿谷曜一朗。

リザーブは武田博行、酒本憲幸、椋原健太、庄司朋乃也、関口訓充、田代有三、澤上竜二。

前半、最終ラインの攻撃参加。


このスタメンを見て、誰がどの位置に入るのか分からなかった人も多いと思う。本職ボランチの選手が三人いるからだ。ソウザが二列目の4-2-3-1もありえる。


実際試合を観ていると、ボランチはソウザと秋山、山村は最終ラインに下がっていたようだ。これは前節でも見せた布陣で、攻守両面に効果があった。

まず守備では、山村の高さと強さを存分に活かすことができる。そして攻撃では、右サイドの田中、松田、清原が見せるような前後の連携が左サイドでも作れるようになった。


特に攻撃参加での貢献が大きい。杉本は中に入りたがり、ドンドン出て行きたがる丸橋を、後ろからバックアップできる。丸橋の裏が弱点だったのをいくらかカバーすることができた。

3バックの弱点は、4バックのチームと当たる際、中盤の枚数が一枚少なくなること(4バックではサイドバックが攻撃参加できるので、前がかりになる際2バック状態にできる)


この欠点を補うために、3バックのセンターバックは前に出て攻撃を組み立てることも求められる。けれど、セレッソでは田中以外のセンターバックにはこのスキルを持っている者がおらず、左のストッパーの人選に難儀していた。山村なら長短の球出しが自在にできるので、攻撃的な要素も十分に保管できる。最後のピースがはまったように感じた。

センターバックのうち二人が攻撃参加できるということで、ボランチに求められていた攻撃の組み立てという要素がいくらか軽減され、その役割を担っていたソウザの負担はかなり軽くなっていた。開始1分も経たないうちに先制点となるミドルを決めたのをはじめ、大きなミスもなく試合を終えられた。

前のポジションでは、柿谷が小兵ながらもワントップとして攻撃の牽引役になった。


ワントップを任される選手というと、大柄でポストプレーができ、味方が上がってくるまでの時間、ボールを奪われない強さが必須と考えがちだ。けれど、セレッソでは玉田圭司や柿谷のような小柄な選手でもつとまっている。

二列目の杉本がハイボールの競合いをしてくれるし、清原、酒本、ソウザあたりは攻撃への絡み方がうまい。だから長い時間相手を背負うという役割は求められないのだ。自由自在に動き回り、フリーになり、攻撃に絡むという玉田、柿谷が日頃しているプレーをそのままにすればいい。

前半は運動量もあるので間延びも少なく、ピンチは丹野が再三の好プレーで凌ぐなど、全体的に締まった、収穫の多いものになった。


後半、課題を残すフィニッシュ


問題なのは後半の試合運びだ。後半になると選手間が間延びし、コンパクトになっていた前半では出てこなかった問題が次々と出てくる。

最終ラインはボランチとの間を空けすぎたり、逆にボランチと近すぎたりで、相手の攻撃にいつ仕掛けるのかの判断を迷うようになる。ワントップでいうと、間延びした分ポストプレーをしなくてはいけなくなる。そういう攻守両面の劣化が、この時間の失点が多い理由だと言える。


こういう劣化を防ぎ、選手交代で補完したり、システムを変えて違う形を作るのがベンチの仕事の一つだ。大熊清監督はこの試合、二つのチャレンジをした。

ひとつは、田代の1トップ起用、もうひとつは関口のボランチ起用だ。


田代の起用は前々から考えていた可能性がある。ただ、彼自身のコンディションがよくなくて、長く実現しなかった。

スピードや運動量があるわけではないが、質の高い動きと絶対的な高さ、強さを持つ絶対的なも存在。彼が柿谷に代わり1トップとなったことで、クリアしたい一心で蹴った、というような質の低いのボールでも、ある程度収めることができた。

アシストした杉本に駆け寄る

また、この試合では貴重な追加点となるゴールも奪っている。「曜一朗が出れば負けない」「田代がいれば安心」という気持ちが出てくることを望みたい。

関口のボランチ起用も、本来なら庄司を入れて山村を一列上げるところで、「あえて」関口だった。ボールを持てばドリブルでどんどん仕掛けられる関口が守備に回るのはもったいない気もするが、一番ボールに触れやすいポジションに一番ボールに絡みたがる選手がいるのは意味がある。守備は本職と比べるべくもないが、守備一辺倒になるものかという意図は汲み取れた。

柿谷曜一朗のケガ


この勝利にケチをつけたのが東京ヴェルディ澤井直人の「蛮行」だ。


ロスタイムに入り一点差、まだ試合は決していないという空気感の中、どうしてもボールを奪いたいというメンタルが生まれるのは仕方がない。けれど、だからといって「後ろから」「足を狙って」スライディングをするのは余りにも酷い。

知り合いから聞いた話ではそう重いダメージは残っていないようだけれど、それはあくまで結果であり、澤井の蛮行は許されるものではない。彼のワンプレーで試合の雰囲気は台無しになってしまった。この試合は永井秀樹のラストマッチでもあったが、セレッソサポーター席は、とても歓迎できる空気感ではなかった。


積極策を打ち出しても終了間際の失点を防げず、まだまだ全てが整っている状態ではない。選手がプレーは止まるたび、それぞれに改善策を相談しあっているけれど、本来は監督やコーチが事前に、試合ごとに指示を出すものだ。そこが整理されないままでは、この後半のドタバタは直らないだろう。

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