11/03/2016

2016明治安田生命J2リーグ 第39節 千葉 3 vs 0 C大阪 ものすごくうるさくて、 ありえないほど近い。 #cerezo #jefunited


「いやあ、まさか勝てるとは思いませんでしたよ。」

東京駅に向かう総武線の車中、乗り合わせたジェフサポはホクホク顔で、笑って、俺にそう言った。実際、彼はここまで何試合も、何ヶ月も、グダグダな試合ばかりを味わって来たという。チームの状態は決して良くないと。

では、そのジェフ千葉に敗れたセレッソは一体なんだというんだろう?サッカーチーム?とてもそうは思えない。

スターター


山下達也が、恐らくケガのために外れた。GKキム・ジンヒョン。DF右から田中裕介、藤本康太、茂庭照幸。MF右に松田陸、左に丸橋祐介、ダブルボランチ山口蛍とソウザ、二列目右に酒本憲幸、左に杉本健勇。FW1トップに澤上竜二。

リザーブは丹野研太、庄司朋乃也、関口訓充、清原翔平、山村和也、リカルド・サントス、玉田圭司。

前半、停滞する攻撃、受け身の守備。


試合はほとんどの時間帯で千葉ペースだった。セレッソは二列目にボールを運ぶことすら困難で、正直な話、チームとしての体をなしていなかった。

理由は簡単で、千葉のボランチ佐藤勇人と、こちらのボランチ、山口とソウザに対するプレッシングがまるで違っていたのだ。


セレッソの守備は相手の攻撃をリトリートさせて、手数をかけさせ、最終ラインまでのどこかで取れれば「御の字」というもの。そこにコンセプトとかご大層なものはなかった。

対する千葉はボールの出どころがこちらのボランチであることを知り、盛んにプレッシングを仕掛けていた。山口は最終ラインとのパス交換ばかりで前にボールを運べず、ソウザに至っては無理矢理に突進しては危険な位置でボールを奪われ、カウンターを食らっていた。


ソウザの出来というか、判断に感しては、今年一番不味いものだった。自分しか攻撃を作れないという気負いなのか、成功するとは思えないアタックやフェイントをして、試合終盤には千葉守備陣の格好のターゲットになっていた。

ソウザがボールを持てば二人三人と囲んで奪い、そこから見事なカウンターが始まる。一度や二度じゃない、五分に一度はそんな有様を見せつけられたのだ。

千葉が前半43分にゴールを決めた時も、よくここまで無失点で来られたものだと逆に感心した。調子のいいチームであればもっと早くに、もっと見事にゴールを決めていただろう。


守備も守備なら攻撃も攻撃、こちらも褒められたものではなかった。ボランチがうまく攻撃を形作れないので、サイドサイドと狭いエリアでボールをつなぐしかない。結果、相手のゴール前になると精度の低いパス、クロス、シュートしか選択肢がなくなってしまう。それではゴールネットは揺れない。


後半、選手交代ごとにパワーダウンするセレッソ。


前半だけでもすでに噴飯ものの試合なのだが、後半はそれに輪をかけて、頭を抱えたくなるような惨状を見させられた。


後半の頭に選手交代、茂庭に代えて山村。4バックにしてボランチは山口と山村、二列目に酒本、ソウザ、杉本を並べて中盤を厚くする。ボランチでゲームメイクできないなら、数を増やしてマークをズラしたい、圧力を弱めたいという意図があった。だが結果は裏目に出た。五人並んでようやっと弾き返せていた守備が、四人になって破綻したのだ。

まず二列目中央、攻撃の核になるべきソウザか持ちすぎているところを狙われ、そこからカウンターを食らう。ボランチのどちらか一枚はソウザを追い越していることが多く、そこではフィルターがかからない。自陣に向かって背走する4バックにはまともな守備などできるはずもなかった。


オナイウ阿道の見事な二点目も、5バックならひょっとして決まっていなかったかもしれない(あまりに楽観的だけれども)しかし、大熊清監督には4-2-3-1へのシフト以外に効果が出そうなカードを持っていなかったのだ。だから、不可避だったと諦めるしかない。

点を取るしかないセレッソだけれども、カードの切り方はとてもお粗末だった。この時点でアタッカーに求められるスキルは運動量や推進力。ならば、切られるカードは関口や清原、玉田でなくてはならなかったはずだ。

後半29分、この直後に失点している。

けれど、実際にはリカルド・サントスが呼ばれた。高さはあってもスピードがないリカルドにとって、動き回るというタスクは非常に厳しいものだったろう。ボールの受け手がソウザとリカルドで、彼らはそう動き回ることがない。となると千葉の守備はますますやりやすくなった。


こんな状態であるから、玉田がピッチに、それも二列目として入った頃には一人の選手でどうこうできる状態ではなかった。アレはチームではない、同じユニフォームを着ているだけの、11人のバラバラな個の集まりだ。

後半ATには三点目を叩き込まれ、この時点で、俺が座っているメインスタンドアウェイ寄りではセレッソサポーター達が無言で帰り支度をする様がそこここで散見された。

今後のこと。


自動昇格は、そこを狙っていくのは、もう現実的な話ではなくなってしまった。となると、昨年同様プレーオフをどう戦うかという話になってくる。もちろん二位までには入って欲しいが、可能性があるのであれば、その対策も必要ということ。

細かく言えば、柿谷曜一朗や田代有三といった故障あけの選手が戦力としてカウントできるのか。それから山下がケガであるなら、紅白戦をこなしていた中澤聡太もどうなのか確認したい。そうして、使えるカードをどれだけ持って決戦に臨むのかを見極めるべきだ。

正直悠長な話だとは思う。けれど、今この時点でできる現実的で生産性のある話題はこれくらいしかないのだ。申し訳ない。


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