8/22/2016

2016明治安田生命J2リーグ 第30節 金沢 1 vs 3 C大阪 シャケ爛々。 #cerezo #zweigen



深夜3時の多賀サービスエリア、大阪に戻る夜行バスは時間調整のためにアイドリングを続けている。

昨日の試合を見返してはいないけれど、スタジアムで感じたところでは、スコア以上に僅差だったように感じる。特に中美とダビには手を焼いた。


スターター


GKキム・ジンヒョン、DFは3バックで右から田中裕介、茂庭照幸、山下達也、MFボランチに山口蛍、山村和也、右に松田陸、左に丸橋祐介、二列目に杉本健勇と今季初スタメンの酒本憲幸、FW1トップに玉田圭司。

サブは丹野健太、藤本康太、ソウザ、関口訓充、ベサルト・アブドゥラヒミ、リカルド・サントス、澤上竜二。


前半、変則3バック


3バックを採用して3試合目、試合によってそのまま3バック(守備時には両ウイングが下がって5バック)の時と変則4バックの時がある。この試合では場面により田中が右サイド、丸橋が左サイドの4バックになることも多かった。


仮説でしかないけれども、ウイングは相手との力関係でポジションを動かしているのかも知れない。ウイングはマークにつく選手の位置取りで自分の守備位置も移動させ、3バックはそのバランスでスライドするか決める、とか。それなら4バック化したり5バックになったりする合点がいく。

それでこの3バックなのだけれど、お世辞にもうまく機能しているとは言えない出来だった。

自陣での選手の密度が上がったので失点は減っているけれど、根本的な対応であるとか、傾向が変わったわけではない。なので、例えばウイングがサイドを深くまで突破されると3バックの位置どりがバラバラになって、クロスを上げられた時に混乱するシーンが散見された。


もっとも、サイドを深くまでえぐられて冷静に対応できるチームなんてほとんどないのだけど。

金沢も自身の左サイド(セレッソから見て右サイド)を侵食されると、守備ブロックが崩れて全体があやふやになる。

丸橋のミドルが決まったのも右サイドを松田がうまく抜け出し、クロスのこぼれ球をうまくミートさせたもの。抑えも聞いていたし、コースも悪くなかった。


先制すると3-4-2-1のよさが出てくる。前線を一枚減らし、後ろに一枚増やしているから、相手を引き込んでおいてカウンターという形が作りやすい。そうなると、山口の繋ぎであるとか、杉本の個の力であるとか、玉田の細かいタッチであるとか、それぞれの持ち味を生かせる時間と空間が作れる。

対する金沢は、ダビの個の力が強力だったのと、こちらの左サイドの裏への侵入がうまく決まっていた印象が大きい。


ダビはドリブルしている状態ですら田中や茂庭よりも足が速いという凄まじさで、もう少しうまくボールをコントロールされていたらどうしようもなかったというシーンが一度ある。もうひとつ、左サイドを突破されているシーンでは中の選手がドフリーになっていて、シュートミスに助けられたというのが一度あった。

特に左サイドの裏は深刻だ。ボランチの山口、サイドの丸橋、センターバックに山下というメンバーは4-2-3-1でやっていた頃と同じなわけで、そこが練磨されていないという事に危機感を持たなくてはいけない。

後半、システム上の弊害


後半、セレッソにはふたつの課題が出てくる。ひとつは、選手の疲労をコントロールすること、もうひとつは、相手の選手交代と、それによるシステム変更、役割の変更への対応だ。

両方とも大熊清監督とベンチの仕事なわけだけれども、実際そこを突き詰められないで奪われたゴール、奪えなかったゴールが多々ある。あの時こうしていればな、という後悔が生まれてしまうのは本当に惜しい。ここまで、記憶だと前半の失点9、後半の失点は24、どれだけ後半に混乱し、ペースダウンしているかがよくわかる数字だ。

前者、選手の疲弊に関しては、3-4-2-1になってからまた傾向が変わりつつある。相手を引き込んでカウンターをすると、その分攻撃の際、選手がスプリントする距離が増える。特に前線の三人にかかる負担は大きく、どうしても運動量が落ちる。すると、守備時に前線のチェイシングが緩くなり、ボールの出し手がフリーになって守備陣にかかる負担が大きくなる。


今日の前線には30代の玉田と酒本がいて、とりわけコントロールが難しかった。特に酒本は「ぶっ倒れるまでやる」と公言していた通り、オーバーペース気味に走り回っていたので、見極めが難しかった。さらに、後半の早い時間で山下がカードをもらっていたので、そこのケアもしないといけなくなった。

一枚目のカードはボランチの山村に代わり藤本、同ポジションに入り、守備のテコ入れとなったが、残りの二枚は予想通り前線の入れ替えになった。玉田は関口、酒本は澤上とスイッチしている。

キチンとスイッチできたという証ではないけれど、関口は交代早々追加点を奪い、結果を残した。あの辺りはゴチャゴチャとしていて何がどうなったのか釈然としない形になったが、現地では杉本が副審にアピールを行い、その後に審判がゴールの判定を下しているように見えた。

このゴールが無ければ、後半ロスタイムに決められたゴールが同点ゴールになっていた。取れるものは取れる時に取っておく、貪欲にプレーする、そういう面がキチンと現れていたのはよかった。負けていてもゴールを奪えば得失点差は少なくなるわけだし、バカ試合になって大きく点差が開こうが、1点は1点だ。


3点目のゴールは、相手キーパー原田欽庸の判断ミスも多分にあるけれど、杉本の成長みたいなものも感じ取れた。最後の最後まで責任感を持ち、愚直に相手に詰めていた結果で、今までの杉本とは違うというところを見せてくれた。1-3でタイムアップ。


札幌と山雅が取りこぼしたおかげでこの2チームと再接近し、順位もひとつあげることができた。3-4-2-1を採用してから2勝1敗、得点5、失点2となり、変化がいい方に転がっているのも確かだ(その1敗がホームの山雅戦というのが悲しいが)

一番大事なのは、選手が「この形でいいのだな」と自信を持つこと。何をどうすればいいかわからないというような混乱から脱して、どこに向かえばいいのかを自覚できるようになること。ホームでうまく勝っていければ、この辺りの事もしっかりできるようになるはずだけれども…

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