8/09/2016

2016 明治安田生命J2リーグ第27節 C大阪 2 vs 3 横浜FC 自滅。 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #yokohamafc


2016年08月07日 19時04分 セレッソ大阪対横浜FC戦、試合開始。


スターターはGKキム・ジンヒョン。DF右から松田陸、田中祐介、山下達也、丸橋祐介。ダブルボランチに山村和也、山口蛍、二列目右から清原翔平、ソウザ、関口訓充。1トップに杉本健勇。



リザーブは丹野研太、茂庭照幸、酒本憲幸、ベサルト・アブドゥラヒミ、リカルド・サントス、玉田圭司、澤上竜二。守備的な選手が二人しかいない攻撃的なベンチ。

2016年08月07日 19時21分 杉本健勇ゴール。



前半の入り方は100点だった。守備陣はコンパクトでトップと最終ラインの間がコンパクトだった。横浜FCは長いボールにせよ短いパス回しにせよ、なかなかコチラを動かせなかった。


そこからボールを奪うと推進力のある清原、関口が両サイドを縦に切り、ソウザや杉本が中で受けるという流れが整理されていた。両サイドもキッチリ上がっていたし、本当に文句のつけようがなかった。


杉本のゴールは素晴らしいティキ・タカからのスキルフルなシュート。二試合で3ゴールとエースの風格を見せてくれるようになった。あと一点はとれるチャンスがあったけれども、イージーだとは言えないくらいのもので、評価は揺るがない。


杉本はサイド(特に左サイド)に流れるクセがあるのだけど、そこは入れ替わりでソウザが入り、高さを担保していたから特段怖いところはなかった。

ただし、この場合関口がローテーションで中に絞る必要があり、そうしなければ相手のボランチ周りのスペースが空くというイヤな伏線ががあった。



2016年08月07日 20時6分 後半開始。


横浜FCの中田仁司監督はセレッソの右サイドで起点を作ろうとしていたようだ。

まいど!セレッソ

あと、我々の左サイドをしっかり攻撃の糸口として攻め込みましょうということを選手が続けてくれて、結果的にイバ選手のゴールにつながったと思います。

そこ(左サイド、こちら側の右サイド)までボールを送り込めたのは、この日の守備ブロックの作り方に問題があったからのように見えた。あくまで会場で見た主観ではあるけれど。


セレッソは守備時4-4-2のシステムをとり、前線にはソウザと杉本が残る。ソウザはもともとボランチで堅いプレーヤーではあるけれど、守備できるゾーンはそんなに広くない、どちらかと言うと勘所で待ち構えたり、ボールを誘い込んで奪うプレーが持ち味。なので前線からのチェイシングとなると少しスピードに欠ける。

加えて杉本も攻撃時にサイドに流れた後で帰陣することになり、2トップの間にスペースができることがよくあった。そこに相手の6番、中里崇宏が入ってボールをはたくという流れができていた。

2016年08月07日 20時27分 山村和也ゴール。




そんな中、得意のセットプレーでの勝ち越し点は大きな意味があった。2-0とした精神的な余裕が選手の足を軽くするのでは、そういう淡い期待を持たせてくれた。けれどそんな流れは9分後に激変する。

2016年08月07日 20時26分 三浦知良ゴール。


横浜FCは高さのある大久保哲哉を下げ、ベテランの三浦知良を入れた。高さはもう一人のFWイバに任せて、広がりつつあるスペースを活かす地上戦へも配慮を見せる。

その三浦が奪ったゴールはセレッソを動揺させるに十分なインパクトを与えた。そうして、その流れをセレッソのベンチがアシストしてしまう。

2016年08月07日 20時27分 杉本健勇交代。


相手が精神的支柱を入れたのと入れ替わりに、こちらは精神的な支柱となるべきエースを引っ込めた。足の違和感によるものだから仕方がないとも言える、だがそれならば場をコントロールできるしっかりしたベテラン、玉田であったり、しっかり動き回れる澤上という選択肢があったはず。

高さのあるリカルドにボールを保持してもらおう、そういう意図があったのかもしれないが、前線が運動量のない二人になったことで、いよいよ2トップの間にあるイヤなゾーンを使われ、好き放題ボールを左右に散らされるようになる。振り回されるということはそれだけ心身のスタミナを摩耗させるということ。

それを象徴するように、左サイドから入れられたボールに守備陣が対応できず、イバの同点ゴールを呼び込んでしまう。交代からわずか三分後のことだ。

2016年08月07日 20時31分 玉田圭司投入。


ここで玉田を入れるのだが、もうセレッソは虫の息で、前線と最終ラインの距離感は絶望的に開いていた。下がったのは高さのある山村というのが混乱ぶりを象徴している。

セレッソは後半になるとペースダウンする。これは春先から変わらない傾向だ。個々人の判断に任せた動きしか指示していないから、心身のスタミナが枯渇する。

それでも勝てていたのは、高さと強さのある選手を中央に揃えて、愚直にロングボールやクロスに対応してきたからだ。


シーズン序盤はダブルボランチにソウザと山村、センターバックは山下と茂庭、それにリードしていれば中澤聡太を入れる念の入れようだった。キンチョウスタジアム横の安ホテルではないけれど、さながらマンハッタンの摩天楼のように、高さのある選手のみで守備固めをし、逃げ切ってきた。

今のボランチは山村(またはソウザ)と山口、高さという面では見劣りがする。そして山口は広い範囲をカバーするタイプのボランチなので居座って弾き返すというシステムの中では機能しきれていない。

2016年08月07日 20時53分 失点、2-3。同20時56分 試合終了


試合終了を告げる笛。崩れ落ちる丸橋、両膝に手をあて下を向いたままのジンヒョン、全てが悪夢のようだった。



観客への挨拶に回る中、ジンヒョンや田中は目をうるませていた。途中交代した杉本は皆を気遣い、必死にチームを立てなおそうとしていた。この前は杉本自身が切れていたけど、この数試合で彼は見違えるほど特別な存在になってくれた。それが、それだけが救いだった。


スタンドではヤジが少なかった。なんて言えばいいのか、もうヤジのレパートリーも底をついた感じだった。大熊出てこいと酔客が怒鳴っていたけれど、それも「まあ出てこないだろうな」というあきらめが感じられて、ただ悲しかった。


2016年08月07日 21時10分頃 有志居残り開始。

ゴール裏はもう少し違っていて、前で指揮しているコアは「落ち着こう」「ブーイングがなにになるのか」というスタンスで、対して後ろの方は暴発寸前だった。大熊清監督がそそくさとベンチから退席してしまったことも火に油を注ぐ結果になった。この時点でサポーター同士も分解寸前だった。

「これからどうしていくつもりか、話を聞いてハッキリさせよう」

居残りというアクションは、ゴール裏や、バックスタンド、メインスタンドに居残って、無言の抗議を続けるサポーターたちの圧が、コールリーダーを押し通す形でスタートした。その時点でゴール裏200人程度、バックで30人くらい、メインでもそれくらいの人がいた。


実際、この時間にはすでに大熊監督は選手とともにバスに乗り帰路についていたし、その情報はTwitterやLINEで流れてきていた。だから待っていても無駄だ、何人かは思っていたはずだ。けれど、監督がキチンと説明するために戻ってくると信じる人、そして、無駄だとわかっていてもアクションすることでガス抜きが出来るのではと、確信犯的に行動していた人はそこに居残っていた。

2016年08月07日 21時15分頃 有志居残り、ゴール裏に集合。

しばらくしてメイン、バックで居残っている人もゴール裏中央に集まるようゴール裏中央から呼びかけがあった。それは大熊監督が出てきた時、話を聴きやすくしたいという理屈がついていた。

けれど、ついぞ大熊監督は出てこず、代わりにクラブ取締役兼チーム統括部長である宮本氏が出てきた。


宮本氏はクラブで最も弁のたつ人で、クラブや自身の考えを語弊なく伝えることのできる数少ない存在だ。だから、2007年も貧乏くじをひいた。


その時はJ2降格直後、加えて成績不振から都並敏史監督、西村昭宏GMが更迭された。その動きに激昂したサポーターの有志が結集し抗議。ホーム札幌戦で時の球団社長である出原氏を当時の長居第二スタジアム、現在のヤンマーフィールド長居に「封殺」した。

その前に長居球技場、現在のキンチョウスタジアムの会議室で話し合いが行われた。だが、この時出原社長は顔を出さず、その時は社員に過ぎなかった宮本氏を寄越してきた。これでは話にならないとサポーターが激昂、封殺に及んだのだ。

この封殺の際、スタジアムには出資母体であるヤンマーの山岡氏の一族がみえていた。彼らは自らが出資した企業の不甲斐なさを身を持って知り、体勢を覆した。


セレッソ大阪はその時から何も変わらなかった、変えられなかった。二度とこんな世界を見せてはいけないと皆が思っていたのに、10年前に戻ってしまった。

この時、セレッソがJ1に復帰するまでに3年を要した。柿谷曜一朗、乾貴士、そして香川真司というタレントを要し、羽田憲司ら経験豊富な選手を集め、レヴィー・クルピという名伯楽を招聘し、それでも3年かかったのだ。その10年前の苦しみを、俺達はもう一度味わうことになった。


宮本氏からは

  • 現時点で監督を交代させることは考えていない、チーム力を下げることになる。
  • 試合ごとの反省はして、次に活かしている。だが他のチームも同様のことをしているので相対的な力量差を詰めるのは簡単なことではない。
  • 試合の交代であるとか、細かな部分を決めるのは現場。選手のコンディションも含めて離れて見ていてもわからない部分がある。不可解だと言われている交代策もそうした現場にしかわからない部分が加味されている。

という説明があった。一部のサポーターからは罵声が飛んだが、その度にコールリーダーが静止し、空気が濁っていくのを感じた。ただそれだけのやり取りが終わったのは、午後10時30分ごろだった。

2016年08月09日 00時00分


杉本は足の違和感を訴え、ソウザは出場停止、セレッソは満身創痍の状態で、満員札止めの山口まで進軍することになった。ジンヒョンは責任を感じ、舞洲に頭を丸めて現れたそうだ。

全てが悪い方向に流れている。今はそうとしか思えない。

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