5/16/2016

レノファ山口のチェイシングにハマったセレッソ。 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #renofa #レノファ山口


2-4でボロ負けした試合の写真を1500枚も現像し、スカパーでもう一度観るという荒行から生還した。精神的にガタガタになりかけたけど。

セレッソは攻撃の形を作れなかった。山口の守備に押されて形を作らせてくれなかった、というのが正しいか。なぜそうなったか一度確認してみた。

シンプルに言うと、山口の前からの守備は基本に忠実で、ブレがなく、終始一貫していた。特に数的不利、例えば3対2のシチュエーションでもこちらがやりたいプレーに歯止めをかけていた。


山口は守備の際はオーソドックスな4-4-2になる、そして、ボールホルダーに接近できた時はどんな位置からでも果敢にプレスにいっていた。(昨日の記事では4-2-3-1にしていたけど、4-4-2だった。訂正)

対するセレッソはソウザか橋本英郎が一列落ちて、田中裕介と山下達也が左右に開き、サイドバックの松田陸と椋原健太は押し出される形で前に上る。これで3-3-4のようなスタイルになる。

この時、山口の前線は二枚で、こちらの最終ラインは三枚だ。なので普通にしていれば誰かがフリーの状態でボールを持てるはずだった。

けれど、この二枚は自分が追う相手に対して、常に迂回しながらプレスをかけにいくので、こちらの選択肢が減ってしまうことになった。なぜ迂回するかというと、そうした方が相手の「ドリブルして自分が持ち上がる」「味方にパスを通す」という二つの選択肢に対し、同時に制限をかけられるからだ。

前に出ることも横に逃げることもできないので……

後退してプレーエリアを下げる

プレスをかけられ後退する(https://www.youtube.com/watch?v=_oZJnMZueAM より)

図で見ると説明しやすい。正面から行かず横から入れば、ディフェンスラインの選手同士をつなぐラインと、ボールホルダーが前に持ち上がろうとするライン、この二つに圧をかけられるようになる。なのでボールホルダーとそのサポート役の選手は選択肢がなくなって後退することになり、最悪の場合自陣ゴール前でボールロストをする。


これは2014年にマルコ・ペッツァイオリ監督(当時)がやろうとしていた4-1-2-3の守備方法と同じ、教科書に載るような初歩的なチェイシングだ。


4-1-2-3(赤)の2-3のラインに入った選手達は、オーソドックスな4-4-2(白)の最終ライン四枚とダブルボランチに圧をかけることになる。

その際、三枚のフォワードは相手最終ライン(破線部)の間に立ち、四枚の選手のプレーを三枚の選手のプレーで制限する。これによって、こちらはアンカーの位置にいる一人(白丸の選手)をフリーにできる。あの時期のセレッソは混乱していたし、時間もなかったので定着しなかったけれど、機能すればとても有効なシステムだった。

ソウザがフリーになると有効なパス出しができる

山口の場合も選手の個の力の問題から、プレスにいってもはがされるという局面も生まれていた。その時は守備組織が整っていないのでセレッソが優勢になる。もうひとつ、プレスなんてもの関係ないセットプレーでも優位に立てた。でも、その流れは散発的かつ偶発的なもので、意図的に崩したわけではなかった。だから、継続できなかった。

スカパーでも紹介していたけど、今季の山口の16失点中、実に10失点がセットプレーなのだそうだ。逆にとらえると、それだけ流れの中からは失点していない、プレスの精度がいいということにもなる。場当たりなサッカーをしていたら、それは崩せないよな。


今のセレッソは「最終ラインに圧をかけると攻撃がダメになる」ということがバレバレ、その上守備を徹底されたら、それは真っ当な試合なんてできないな。これからシーズン残り三分の二という状態で、どう修正していくんだろう。

山口戦でも全く収穫が無かったかわけじゃない。どんなに厳しい状態でも柿谷曜一朗を前に残すことで、相手が前がかりになるのをある程度は制限できていた、ゴールも生まれた。守備に対する決め事や復元力のようなものが整備されれば、もう少し観ていて楽しいサッカーになるのだけど。

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