8/20/2015

キンチョウスタジアムが4万人規模にならないことが分かる、たった1枚の画像。 #cerezo #セレッソ #stadium

キンチョウスタジアムを2020年の東京オリンピックに合わせて4万人規模の球技専用スタジアムにしようという動きがあるそうだ。

主旨をかいつまんで書くと、大阪市がメインとバック両スタンドを税金40億円を投入して立て替え、収容人数を2万人から4万人に拡大するという計画がある、ということ。


結論から書こう、これは無理だ。よほどのウルトラCを繰り出さない限り、キンチョウスタジアムは4万人規模にはならない。

下の写真を見てほしい。


これは、今のキンチョウスタジアムの航空写真の上に、同縮尺の豊田スタジアムを重ね合わせたものだ。ちなみに、豊田スタジアムの収容人数は43000人、稼働席を使うと45000人まで収容可能だ。


これを見ると、写真右側にあるメインスタンドはヤンマースタジアムにぶつかり、左側のバックスタンドは阪和線を超える。写真上側のホームゴール裏はマンションに迫り、下側のアウェイスタンドは墓地にまで達する。

仮に「ギリギリ4万人」という規模にしたとしても、たいした差異は無いだろう。となれば、この計画は絵空事だと言える。


前述したウルトラC、これは新聞記事にあるような3層構造のスタンドにした際に、上のスタンドをギリギリまでせり出させて、収容人数を稼ぐやり方のことを言っている。だがそれにも限界がある。それに、これをすると座席によっては試合を観戦し辛いケースが生まれる(今でもバック、メインの両端はかなり見辛いが)。

いい例が京セラドームだ。京セラドームは小さな立地に33000人収容のスタンドを建てた。無理やり座席を確保するため、2階席がかなり前にせり出している。外野スタンドでは1階席と2階席は完全に重なっている。

そうすると、外野スタンド2階席では選手が「消える」という現象が起きる。選手がスタンドに近づくと、死角に入ってしまって選手が見えなくなるのだ。キンチョウスタジアムが同じような構造になれば、間違いなく「クソスタ」と言われるだろう。


また、キンチョウスタジアムを拡大させると、運営、維持の問題が浮かんでくる。巨大なスタジアムのランニングコストをどうしていくのかは大事なポイントだし、ビッグゲームはヤンマースタジアム、それ以外はキンチョウスタジアムと振り分けているのをどうするのかも疑問だ。

構造が県営鹿島サッカースタジアムや豊田スタジアムのように完全な二層構造になっていれば、上のスタンドを閉鎖すればいいのだけれど。それにしても、閉鎖するための人員が必要になり、人件費がかさむ。

こうして考えると、たった一度のオリンピックのために、キンチョウスタジアムを拡張するのがどれほどバカげているか、非現実的かが分かるだろう。


恐らくではあるけれど、この計画はガンバ大阪が建設している新スタジアムの影響が大きいのではないだろうか。

4万人収容、全席屋根付スタジアムが吹田市に生まれれば、代表戦のような大きな試合はそちらで行われる可能性が高い。今でも関東の代表戦は専用スタジアムではない日産スタジアム(70000人収容)開催を避け、専用スタジアムである埼玉スタジアム2002(60000人収容)を使用している。関西でも同じことが起きない理由がない。大阪市としては面白くないのだろう。

そんな子供じみた、という人もいるだろうが、大阪市には過去に赤字を垂れ流した世界陸上を無理やりに誘致した「前科」がある。沽券にかかわる、という理由だけでスタジアムに手をいれることくらい、何のためらいも無いだろう。

よほどうまく立ち回らなければ、セレッソは子々孫々にまで影響を及ぼす負の遺産を背負いかねない。個人的にも、スタジアム拡張はあまり勧められない。

0 件のコメント :

コメントを投稿