6/29/2015

明治安田生命J2リーグ 第20節 栃木 0vs3 C大阪 きみが来るのを待っていた。 #cerezo #photo #diary

憂鬱じゃない月曜日なんていつくらいぶりだろう。今朝食べたパリーネのパンと、昨日のセレッソのおかげだ。


久しぶりにテレビ観戦。写真を撮る時はとにかく前から、選手の目線に近い高さでと意識しているからダイナミックな動きは分かりづらい。けれど、テレビならよく見える。

セレッソのシステムは変わらず4-3-3、前は楠神順平が骨折で離脱したため、玉田圭司、関口訓充、パブロが入る。中盤は扇原貴宏と長谷川アーリアジャスール、それにアンカーの山口蛍。守備ラインは丸橋祐介、染谷裕太、山下達也、酒本憲幸。キーパーはキム・ジンヒョン。


栃木はまず守備から、とにかく点をやらない事を第一義にして美しくコンパクトな4-4-2のスリーラインを作っていた。山口蛍にボールが入ったところでプレスをかける約束事もキチンとしていた。中央突破に固執するチームなら必ずどこかで引っかかるだろう。

しかし、セレッソの4-3-3は中央に固執しない、むしろそこを迂回するようにボールを運ぶ。


具体的に言うと、一つはプレスをかけてこないセンターバックの位置から空いている方のサイドバックへの流れ。そこから先、サイドの攻防になると局地的に3対2になっているので、相手がコマを揃える前に突破できる。


もう一つは、やはり後ろからトップの玉田に一気に預けて、そこからサイドを上がるプレーヤーに展開するやり方。このふたつの方法を終始徹底していた。

栃木のコンパクトな守備は、相手がそこを通過するからこそ効果を発揮する。それを何度もサイドチェンジで揺さぶられたのが後半の得点に繋がったように思う。


守備に関してはミスマッチを起こしているのだけど、ボールを奪われた時、トップの選手がよくコースを限定してくれた。中盤の底、ボールの出どころにちょっかいをかけるので、ちゃんと奪いたいところでボールが奪える、狙い通りの守備ができている。

栃木の時間もあるにはあった、スコアが動くまでの決定機の数と質では栃木に分があった。そこをジンヒョンのナイスセーブで食い止められたのもいい流れを作れたきっかけ。


流れで決めきれない時のセットプレー、時間帯も後半立ち上がりで、相手の意識を散漫にさせるいいゴールだった。サイドから一気に中に切り込んでの2点目、焦った相手の隙を突く3点目、ふたつの得点に関しても悪くない。

終盤の息切れ対策として、4-3-3の高目からのプレスに加え、引いて守る4-4-2へとシフトする引き出しもできていた。個に勝るセレッソであれば、数を揃えれば大崩れはしない。田代有三という、とにかく預ければボールを保持してくれる前線が加わったのも好転した。

前半の中盤バタバタしたこと以外はほぼやりたい事ができていたんじゃないだろうか。内容もスコアも揃ったいい勝利だった。パブロのパスミスが気にはなったが、2ゴールを決められたらほめるしかない。



後は、どのチームでも、どんな相手でもこのスタイルを貫けるか、暑い夏場に入ってもスタミナがもつか、このふたつが大事になる。特に夏場はベテランの多いセレッソにとってとても難しい季節になるだろう。

ケガ人さえいなければ切るカードには事欠かないのだけど、さてね。秋山大地が戻ってきて、楠神のケガが癒えれば変わってくるはず、それに期待するしかないな。まあ、今日くらいうまい酒を飲ませてくれ、いい日だったよ。


6/24/2015

セレッソとフォルランと、Jリーグの2014年。 #cerezo #photo #j_toku #jleague

フォルランが離日し、セレッソは元のクラブへと戻った。手元には単年度赤字、チームの成績不振という目に見える遺産と、ビッグネーム獲得のノウハウという目に見えない財産、そして、選手選定の難しさという課題が残った。


結果論で言えば、フォルランのような「周りに活かされる」タイプの選手は受け入れるチームの編成によって成績が大きく変わってしまう。もし獲得するのであれば、クラブの現状をよく精査しなくてはいけなかった。

フォルランに合わせられるパサー、ゲームメーカーがいなかった(フォルラン獲得資金のためにその選手との契約を切ってしまった)セレッソは、明らかに状態が悪かった。それでもフォルランが19のゴールを奪えたのは、彼がワールドクラスであるという証明なのかもしれない。


過去の流れで見ると、Jリーグで活躍できるタイプの外国籍選手は


  • フィジカルやスピード、高さに秀でているモンスタータイプ
  • 周りを活かすゲームメーカー、バランサータイプ


が圧倒的に多く、フォルランのような駆け引きとスキルで勝負するタイプは失敗する傾向がある。リネカー、マッサーロ、ベベット、キレが鈍ったビッグネームの共通点だ。中にはウェズレイのように日本に順応した例外もあるが、それを探す方が難しい。


にも関わらず、岡野前社長が秘密裏に事を運び、Jリーグもリーグを盛り上げるためと彼の行動を後押しした。前例を跳ね除けフォルランが活躍し、セレッソもJリーグも活況を呈していれば大成功だったろう。けれどこれは可能性の低いバクチだった。出目も、恐らく順当なものだった。


セレッソの歴史に残るような大失敗から目をそらしてはいけない。体力の無いクラブなら破産さえ起こしかけないこの失敗が、なぜ、どのように起こったのか、二度と同じ事例を起こさないためにはどうするべきなのかをキチンと検証しなくてはいけない。


第一に、経営者や一部の人間による独断専行が起こらないクラブ体質を作る必要がある。

確かに、すぐにスポーツメディアに秘密を口外してしまう「クラブ関係者」達は、トップからすれば信用が置けない存在なのかもしれない。それでも、少なくとも強化部との連携は保持しておくべきだった。であれば、早い段階で穫れる選手を獲る、ではなく戦力たりえる選手を獲る、が正解なのだと理解できたはずだ。


さらに言えば、保持すべき人材は保持すべきであるし、よい成績を残したいのであればいの一番に補強すべきは指導者なのだ。レヴィー・クルピという成功例にすがって、延命してきたセレッソに訪れた2014年という転換期は、まずよい指導者をむかえるところからスタートすべきだった。年俸や経費が安くつくから、などという悪い冗談のような理由でランコ・ポポヴィッチを招聘したのは明らかに間違いだ。


第二に、Jリーグという組織の考え方、姿勢をよく記憶しておくべきだ。

彼らは決して「一クラブの繁栄」を望んでいるわけではない、「リーグ全体の繁栄」を望んでいるのだ。だから、彼らにとってのフォルラン獲得は決して失敗ではなかった。セレッソがフォルランを連れてアウェイにおもむくたびに数多くのサポーターが集まってくる。集客や露出という面ではいい影響があったはずだ。


彼らにとって2014年の失敗とは、恐らくJ1の前期後期制への移行に反対する各クラブサポーターがメディアに取り上げられてしまったことと、さいたまスタジアムのゲートに掲げられたJapanese onlyの段幕の、このふたつに違いない。

彼らはリーグの管轄者であって、それ以上でも以下でもない。ある一点で共通の目標ができたとしても、その目的まで同じとは限らないのだ。それを忘れてはいけない。


しばらくはこの失敗から大物獲りは忌避されるだろう。それを面白くないと揶揄する人間も出てくるはずだ。

それでも、それでいいと俺は思う。好きなクラブがめちゃくちゃになって、いるべき場所から追い出される思いに比べれば、そんな揶揄をぶつけられてもなんの痛みもありはしない。

6/22/2015

明治安田生命J2リーグ 第19節 C大阪 1vs0 徳島 Adeus Diego. Grande atacante. #cerezo #photo #diary @DiegoForlan7

ロースコア、胃がキリキリするような最小得点差での決着、しばらくは、しばらくはこんな状態が続くだろう。俺たちのセレッソに、もう世界最高のストライカーはいないんだから。


フォルラン、カカウを後半に引っ込めたアウェイ熊本戦からあと、スコアは0-0、1-1、1-0、1-1、そして昨日は1-0。守備は崩されないけれども、相手を崩すこともできない、シュートの数も少ない。守備的で出入りの少ないチーム。セレッソではエミリオ監督以来のスタイルかもしれない。


それでも、結果が出れば問題ない。点取り屋がいないなら守備を堅める、傑出した存在がいないからチームで動く、至極当然のことだ。

その姿をディエゴ・フォルランの前で見せられた。どうだ、あなたがいなくても我々は勝てるのだ、そう強がりを言って送り出せたのが、昨日の収穫、かな。


4-3-3は、本来はポジションの入れ替わりがそう激しくないシステムだけれど、それではマークをはがせない。だから長谷川アーリアジャスールや扇原貴宏、山口蛍まで前線によく顔を出した。


得点は長谷川のミドルがリフレクションしたもの。ただ一本、シュートらしいシュートが打てたそれが、よく決まってくれたよ。



それから、今まで重用されなかった「ボールを保持できる選手」が少しずつ使われだしたな。酒本憲幸、楠神順平、関口訓充、玉田圭司、それにようやく実戦デビューした田代有三。それぞれドリブルやキープ力、高さと、保持の仕方は違うけれど、味方が上がってこれる時間を作られる。相手はそれを止めるのに複数枚を使うことが多いので、こちらとしては得点機が作りやすい。



これが今の、本来のセレッソだ。動いて汗かいて必死になってボールを追い、ゴールを奪う。それをここから最後の試合の最後の笛が鳴るまで続けよう。辛いけれど、J1に戻ると「彼」に約束したのだから。





6/21/2015

「普通のクラブ」へと還る日。 #cerezo #photo #diary @DiegoForlan7

「セレッソ大阪のディエゴ・フォルラン」が見られる最後の日になった。今日の徳島戦が終われば、セレッソはまた「普通のクラブ」に還るのだ。


六年ほど前、二度目のJ2暮らしが三年にもなった時、ガラガラのスタンドで友人と話をしていたことがあった。

「毎試合二万人、三万人と人が入って『今日は二万人か、少ねえなあ』なんて言えるようになったら、セレッソだってタイトルとれるスゴいクラブになるんじゃないか。」

その時は冗談半分だったけれど、わずか四年後に夢が現実になった。柿谷曜一朗の帰還と大ブレイクで「セレ女」なんて呼ばれる女性ファンが爆発的に増えた。


スタンドはギッシリ、チケットはよく売れ、毎試合長居スタジアムを半周するほど待機列が伸びた、グッズもアホほど売れた。それで結構勝つものだから、なおさらファンが増えていった。




けれど、それでクラブやサポーターが幸せになることはなかった。

急に観客が増えたおかげで、クラブのキャパを超える仕事量になったんだと思う。どこもかしこも人手が足りずで、例えば待機列の整理とか、練習場のマナー徹底とか、本来いるべきところにマンパワーが割けなくなった。

だから、あまりサッカーについて造詣の深くない、ライトなサポーターのちょっとしたマナー違反は看過されていった。

一人だけの違反なら影響なんて少ないんだろうけど、それが十人百人と増えていくとどうだろうか。


曜一朗のラストマッチなどは最たるものだ。席数の少ないキンチョウスタジアムでの川崎戦、ホーム側の席が売り切れたからと、一部のサポーターは川崎側のゴール裏まで押しかけた。温厚な川崎サポーターの寛大な判断で最悪の展開は免れたけれども、普通のサポーターなら罵声を浴びせて騒動になるところだ。

古参のサポーターの一部は、そんな「ニューカマー」を快く思わなくなった。注意を受けた側も面白くない。二万人のサポーターが一体になる場面は、あまりなかったように思う。


そしてその四ヶ月後、夢は終わった。それでも、わずかに夢の余韻は残っていた。世界的なストライカー、ディエゴ・フォルランとカカウ、現役日本代表山口蛍、それから玉田圭司、関口訓充、茂庭照幸、橋本英郎、扇原貴宏や長谷川アーリアジャスールといった代表経験者の存在が、J2トップの観客動員の、夢の余韻の根本だ。


その余韻も、今日で全て消える。観客動員も、実力も、中庸なJクラブに戻ったここからが、セレッソの本当のスタートになる。

救いなのは、クラブスタッフに「財産」が残されていることだろうか。何万人という観客をさばいたノウハウ、沢山の人に情報を発信するアイデア(これは片倉さんの熱意に寄るところが大きいけれど)、売れるグッズ、またはグッズの売り込み方の引き出しの多さ(こっちは浅田さんだな)。こういうものは全て形こそないがすばらしい「財産」なんだ。


今度夢を見るのは何年後になるだろう、そのくらいの覚悟はしている。ただし今度は目覚めの悪い夢にはしない、絶対にハッピーエンドに導いてやる。また新しい夢を見るために、今日、まずは夢から醒めよう。

6/16/2015

俺はディエゴ・フォルランが嫌いだ。 #cerezo #photo #diary @DiegoForlan7

俺は余程のことがないと人を嫌いになんかならない、ふられた女のことを今でもぼーっと思い出すようなあほうだ。


けれど、ディエゴ・フォルランは、あなたは嫌いなんだ。

俺の愛するチームに9億円で雇われ、にも関わらずそれに見合う活躍をしなかった。ただそれだけかもしれない、でも、とても大きなことなんだ。



関西国際空港にあなたが降り立った時、俺はセレッソの繁栄を信じていた。ダービー、神戸と2ゴールずつあげた時、このゴール量産がシーズンの終わりまで続くと願っていた。

しかし、そんな瞬間はついぞおとずれなかった。あなたとセレッソは願った方とは逆の向きに、真っ逆さまに落ちていった。


17つのゴール、単年度赤字9500万円、J2降格、昇格プレーオフ圏外、これがあなたがチームにもたらした全てだ。


でもね、どうしてだろうね、あなたがチームを去ることを寂しく感じる。もう二度と口悪く「走れ、ディエゴ!」と叫べないと思うと、なんだか辛いんだよ。




日本のことわざに「同じ釜の飯を食う」というものがある。ともに戦った戦友としての絆が、あなたを責める気持ちを曇らせるんだよ。


どうか、あなたのプレーヤーとしてのキャリアが、より豊かですばらしいものになるように。遠い地球の裏側の、サッカー後進国の片隅で願っているよ。次に所属するチームでは「走れ、ディエゴ!」なんて怒鳴られないように気をつけてくれよな。

徳島戦が最後の舞台か。もしもう一度背番号10をつけてあらわれてくれたなら、その時だけはがんばれって言ってやるよ。だから、出てこいよ、世界一のストライカー。


6/14/2015

明治安田生命J2リーグ第18節 水戸 1vs1 C大阪 希望は霞んで。 #cerezo #photo #diary

この試合は、どんなに格好が悪くても、姑息でも、幸運でも、とにかく勝てばいい試合だった。スコアが相手よりひとつでも多ければそれでよかった。2試合続けて勝てた、今のやり方は間違えてない、選手がそういうメンタルを持ってさえくれれば、それでよかった。後から山口蛍、キム・ジンヒョンが戻ってくる、新外国人も来るかもしれない、これからは調子が上がる要素ばかりだと、明るい気持ちで帰阪してほしかった。



でも、現実は厳しい。またお決まりの後半ガス欠があった、足が止まって、21位の水戸相手に主導権をにぎられ続けた。

フォルランやカカウが居た頃とチームの根本は変わらない、ただひたすら選手間のバランスが悪かった。前線は攻守に必要以上に走らねばならず、守備陣も多大な犠牲を払っていた。ガス欠して守勢に回ると、フリーになっている敵のボランチから繰り出される厳しいパスと、スピードにのるアタッカーを防ぐので手一杯だった。何度も何度も、本当にウンザリするくらい見た光景が茨城でも繰り返された。


丸橋祐介を3センターの左で使ったのも、結果論だけれど失敗だった。タテにタテに行くマルのよさが消されて、左足で出すコースを切られて、全くうまくいかなかった。染谷裕太が下がって左サイドバックに戻るとキレが戻ってきたから、明らかにポジションと役割の問題。


扇原貴宏もアンカーの宿命であるマルチタスクをこなせなかった。パス出し、広範囲の守備、全体のバランス調整。いつもは山口蛍がしているとんでもない量の仕事と責務に押しつぶされていた。


だからこそ、楠神順平に合わせた絶妙のたて一本が産んだPKには大事な意味があった。リードすれば逃げ切るために5バックにすることができる。意地汚く引きこもることも、セレッソが「元いた場所」に戻るためには許される行為だ。




けれど、パウロ・アウトゥオリの持ち札の中には、守備を固めるというカードがなかった。カウンターに必要な楠神を下げ、スピードが持ち味の沖野将基を出すこともしなかった。


その挙句が苦々しいドローだ。田代有三というボールキープができる存在が加わったこと、田代と玉田圭司が親和性を持っていたこと、吉野が前回より動けたことは収穫。だが、肝心の結果がともなわなくては元も子もない。



チームが始動して4ヶ月が経過した。それでもなお「これが今季のセレッソか」という白眉には出会えていない。昨年はボポヴィッチ、ペッツァイオリと監督をすげ替え、その度にチームの完成度が下がっていった苦い経験がある。けれど、今のまま突き進んでも本当にいいのだろうか?俺たちは「元いた場所」に戻れるのだろうか?不安はいつまでたっても心から消えてくれない。