8/02/2014

2014 J1 第18節 新潟 1vs0 C大阪 16位だ、分かるか? #cerezo #photo #diary

2014年8月2日(土) 19:00キックオフ[ 観客 30,078人 ]

得点者

後半10分 成岡 翔(新潟)


16位になった。

点が奪えず、守れず、ペッツァイオリ体制になってからリーグ戦5試合で2分3敗。1-2、2-2、0-0、0-1、0-1で、総得点3、総失点6、惨憺たる数字が並んでいる。ワールドカップを制したドイツと同じシステム、4-1-2-3を志向し、戦っているが、結果が全く出ていない。

4-4-2というシステムを採用しているチームの中でも好調なチームと不調なチームがあるわけで、システムが同じなら同じ効果が出るものではないから、それほど不思議というわけではないのだけれど。いったい、世界王者ドイツと国内リーグ降格圏のセレッソにどれほどの違いがあるんだろうか。


今日のスターター。ケガの平野甲斐に代わって杉本健勇が右サイドのワイドに入った、酒本憲幸がベンチに復帰、南野拓実はスタート時は左サイドのワイドだった。


このチームは、このシステムは、この用兵は、とにかくフィニッシュまでが遠い。ゴールが奪えないのではなくて、ゴールを奪うチャンスまでが遠い。だから、270分間ネットが揺れていないのだ。この試合でも前半のシュートは二本で、可能性を感じさせたものは杉本のポストに嫌われた一つだけだ。


理由は二つあるように思う。ハッキリとしたボールホルダーの不在と、選手の流動性の不足だ。

一つ目、去年は複数いたボールをホールドする選手が力を発揮していないか、起用されていないか、そもそも、いない。

去年のセレッソにはトップ下にシンプリシオ、両サイドバックに酒本、丸橋祐介というボールを長い時間持てる選手がいて、相手の攻め方によってボールを落ち着ける場所を変えて、急いで攻める時間帯以外は全体をスローダウンさせていた。悪い言葉を使うなら、要領よくサボっていたのだ。だからラッシュをかける時間帯に体が動いた。

今のシステムと選手起用ではこの役割を担えるのは扇原貴宏一人だけになっていて、ボールを落ち着かせられない。相手もそれを分かって扇原にプレスをかけるので、扇原はセンターバックの間まで降りてきて、ボールを底の方から散らすことしかできない。タテに早く攻めることが生命線のこのシステムでは致命傷だ。


そうなるとセンターバックがサイドに流れ、押し上げられたサイドバックが試合を作ることになるのだけど、試合を組み立てられる酒本は守備の不安から重用されず、守備に長けた安藤淳が右サイドに入っている。また、丸橋祐介もワンボランチの弊害からうまくコンビネーションが作れない。山口蛍、扇原貴宏がダブルボランチを組んでいる時は、丸橋の後ろに扇原貴宏が入って、攻撃のスイッチを入れるとともに丸橋の守備力をカバーしていたが、ワンボランチではそれもできない。この試合でも丸橋の後ろは徹底的に突かれ、前半38分という早い段階で新井場徹を投入するという荒療治をしなくてはいけなくなった。


また二列目の山口蛍とキム・ソンジュンにはゲームメイク能力が無く、ここから局面を打開することもできないでいた。これは用兵の間違いと考えていい。


ビルドアップの時点でかなり窮屈になっているから、攻撃陣にボールが入った時には相手はブロックを作っていて速攻がかけられない。そして遅攻の際にカギを握っていたシンプリシオは、今は神戸の選手になっている。ディエゴ・フォルランはシンプリシオよりビッグネームだが、ワンタッチの輝きとスキル、相手を剥がす動きが得手であり、キープ力はシンプリシオより劣り、またセンターフォワードとしての能力は無い。


だから次のカード、後半7分の交代では相手を背負える永井龍をセンターフォワードとして入れた。右サイドではボールを持てていた杉本健勇をセンターフォワードとして起用する危険を避けた。


それでもセレッソの攻撃は機能しなかった。選手それぞれのシステム理解度が低く、その迷いが出足を鈍らせ、好守に精彩を欠いていた。失点も不運に思える形だったが、それ以上に攻撃が深刻だった。


いよいよ危機感を募らせたセレッソは前への圧力をかける。けれど、堅守の新潟を脅かすシーンは南野と永井が一度ずつ作っただけだった。


レヴィー・クルピの時代を思い返すと、攻撃陣は良きにつけ悪しきにつけ自由だった、ただゴールという結果だけを求められていた。しかし、今のチームではトップ、両サイド、二列目、それぞれに役割があり、それを果たさなければ形が作れない。ランコ・ポポヴィッチのポゼッション志向では引き出しが少なく、マルコ・ペッツァイオリでは束縛が多い。

後半18分


前半、立ち上がりのいくらかのシーンでは束縛がうまく回って南野、杉本、フオルランが絡む形があった。前半唯一の好機、杉本のシュートシーンではキム・ソンジュンが流れてスペースを作り、マークを剥がした南野が入れ替わった。そうするとワイドに開いていた南野、杉本、フォルランの距離が近くなってハーモニーが生まれたのだ。こうした連動性を意図的に使えるようになれば、もっといい形が作れるはずだ。


そう、打開策がないわけではない、いろいろと考えることはある。ボールを持てる選手、攻撃陣なら楠神順平や南野、守備陣なら酒本をこの4-1-2-3に組み込んでみるだとか、ワンボランチに山口蛍を下ろして広い守備範囲をカバーさせるとか。扇原も、スイッチを入れる役割を二列目でやっている時は勢いがあった。フォルランもプレッシャーの少ない位置、サイドや二列目でプレーさせてもいい。その場合、トップも杉本がマークを引きつける役を演じるか、南野を去年の柿谷曜一朗が演じたようなタイプのワントップに据えるか、選択肢はある。屈強なフォワードを補強をするのも手だろう。

16位という現実は、まずキチンと受け止める必要がある。その上で、クラブも、監督も、選手も、勝つために何を変えなければいけないかを模索していくべきだ。もちろん、サポーターも。今を変えれば、未来も変わっていく、そう信じて動き続ける他ない。

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