7/31/2014

写真に優しくないセレッソのサッカー。 #cerezo #photo #diary


ペッツァイオリセレッソになってから、「当たり」の写真が減った。多分、これからドンドン減っていくだろう。それは、試合が不甲斐ないからというわけでもないし、自分の腕が衰えたからというわけでもない。(そういうことにしておいてくれ)今のセレッソが「そういうサッカーだから」というのが理由なんだ、きっと。

ちなみに、俺の中で「当たり」の写真というのはこういうのだ。


歌舞伎や浄瑠璃のような「見栄」や「型」が決まっていて、躍動感があり、子供っぽい言葉を使うと、格好がいいのが「当たり」これがペッツァイオリセレッソではなかなかにない、撮れない。

それは、守備陣から中盤を経て前線へという時間が異様に短いからだ。以前のセレッソはそこでショートパス、ドリブル、フリーラン、手数をかけて崩すシーンが見られた、それが見られているのがいい状態だった。でも、今は逆なのだ。


ボールを奪った瞬間、セレッソは最終ライン、散らし役、前線の三つに別れる。システムで言うと4-1-5、ちょうど浦和や広島が3-6-1からボランチ一枚を下げ、両ウイングバックを上がらせる4-1-5と同じ形だ。セレッソは守備システムが4-1-2-3なので、2と3が一列に並ぶだけで、システム変更に使われる時間も短い。


その5の位置、前目でボールを奪えばショートカウンターが始まる。手数をかけず一気に攻め入る。守備ラインまで侵攻されていたなら、4のラインから散らし役(今なら扇原貴宏)か両サイドバックがボールを5のラインまでボールを運ぶ。相手が帰陣するまでに攻めを完了しなければ意味が無い。

丸橋祐介のフィード能力はここでも重用されている

理想は、やはりブラジルワールドカップのブラジル対ドイツ戦でドイツが行った冷酷無比な前プレスと、それに連動したショートカウンターだろう。奪う、運ぶ、決めるがまるでオートメーション化されたように滑らかだったアレを、セレッソもやろうというのだ。


ちなみに話を脇道にそらすと、アレは厳密にはゲーゲンプレスではないと考えている。ゲーゲンプレスとは、前線でとにかく枚数を入れ、最終ラインから意図的にボールをその前線密集地帯にフィードする。ここで自分たちがボールを受ければよし、奪われてもロングボールのトラップは大きくなりがちだから、そこをプレスして狙うという「攻め」のシステムだから。今のドイツやセレッソが理想としているのはあくまで前からのプレッシングと、そこからのショートカウンターにすぎず、あえて相手にロングボールを送るようなことはしていない。(ある程度のスキルがあるチームならこれは回避されてしまうので、代表クラスでは使わないのが定石らしい)

さて、話を本道に戻す。とにかく今のセレッソは早く攻め、遅く攻めさせるのが理想なのだ。だから誰かがグイグイと持って上がるのはよしとされない。飛び出しや味方を援護するフリーランなどは増えるだろうが、今までのセレッソに比べればグッと短時間になるだろう。


だから、「当たり」を撮るにはまごついていてはいけない。豊田スタジアムでの名古屋戦は、ナイトゲームでゴール裏という悪条件でも70枚程度の当たりが出た。しかし、ペッツァイオリセレッソでは40枚から50枚くらいが現実だ。


もっともっといい一枚を撮るには、まあ腕を上げる他はないようだ。しかし、「当たり」の枚数でサッカーの違いが分かるとは思わなかった。カメラを持っていると意外なことに気付くようだ。


7/30/2014

「利用するだけ」はご勘弁。 #photo #diary

今日のは私事なんで、読みたい人だけ読んで下さい。



7/28/2014

2014 J1 第17節 C大阪 0vs1 鳥栖 交響曲第7番ロ短調D759「未完成」 #cerezo #photo #diary

2014年7月27日(日) 19:04キックオフ[ 観客 13,431人 ] 曇りのち晴れ

得点者

後半23分 豊田 陽平(鳥栖)

今のセレッソをマルコ・ペッツァイオリが志向するチームだというのは早計だと思う。もう少し時間と練磨が必要だろう。ただし、セレッソというクラブが、チームが、サポーターが、結果を、勝ち点を早急に求めているのもまた事実で、だからこそ、この曲を、システムを、早々に完成の域に高めてほしいと切に願っている。采配や選手の動きからなにを求めているのかが分かるし、選手にもそれだけのポテンシャルがあると信じているから。


スターターは下記の通り。1トップにはディエゴ・フォルランが入り、南野拓実とキム・ソンジュンはポジションを入れ替えた。おそらく今の時点でのベストメンバーだろう。


何度も書くけれど、マルコ・ペッツァイオリの志向するサッカーとは、すなわち縦に早いサッカーだ。高い位置でボールを奪い、相手が揃う前に攻撃を完遂させることを最上とし、それができない場合でも極めて短時間でボールを前に運びたいと考えている。

前線は素早く揃い、扇原、安藤、丸橋のパスを待つ。

だから、サイドバックは前線を追い越す動きをあまり求められない。それよりも、確実に同サイドの前線か、ボールの供給役である扇原貴宏に、素早くボールを預けることを是とする。そのためにクロッサーである酒本憲幸は重用されないのだ。


ただ、今のセレッソの前線は、最上である前線からの連係したプレッシングができていない。以前のようにボランチの位置でボールを奪う動きになってしまっていて、ワンボランチである扇原への負担が増えてしまうばかりになっている。レヴィー・クルピの時代ではボランチ1枚と両センターバックのみでカウンターを阻止する場面があったから、サイドバックが残っている分負担は減っているけれど、それでもきついことに変わりはない。この試合でも一時的にポジションを4-2-3-1にするなどして対応していた。


いい守備ができないでいるから、いい攻撃にもつながらない。本来ベストのボール奪取位置、攻撃開始位置は前線、ないしは2列目であるけれど、今はおよそ最終ラインから組み立てる羽目になっている。それも不慣れなロングパスを入れるだけになって、形にならない。ここでもパスの供給役の扇原の負担は大きく、他の選手が死んでしまっている。サポートするべき選手は前線と最終ラインに乖離していて、どうにもならない。これは意図的に乖離させているもので、それが機能すれば広島や浦和がしているような4-1-5と同じ攻めができる「はず」なのだけれど、あそこまで高めるには時間がかかる。


無論、いい変化もなかったわけではない。フォルランのゲームメイクやフィニッシュはさすがだし、南野はインナーとしてフォルランの近くにいた方がやはり力を発揮できた、右サイドの平野甲斐の動きはより洗練されたものになっていた。ただ、攻撃は局地的なもので、組織だって、連動して崩すというシーンが殆ど見られなかった。それが無得点、シュート9本の理由だ。


守備に関しては、実はそう落胆していない。4枚の守備ラインとボランチが1枚必ずいるので、速攻で一気に抜かれた時以外はそう危機的ではない(そういうシーンが有る時もあるけれど)


それよりも、うまく奪い、うまく攻めるという繋がりが無いことが厳しい。扇原のパスはカットされ、山口蛍の運動量もかき消され、左サイドのキム・ソンジュンもまだ激しさ以外の長所を見せていない。フォルランがペッツァイオリの考えを最も理解し、誰よりも早く動き出すが、他の選手は一拍遅れ、その遅れが致命傷となっている。


交代策にしても、理屈は通っている。突破力に秀でた楠神順平をあの時間に入れるのも、その後に高さというファクターとして杉本健勇を入れ、フォルランにゲームメイクの自由を与えたのも、最後にリスクをおかして得点を奪うために、3-1-2-4のようなシステムにしたのも「分かる」采配だ(3枚目は永井龍や新井場徹でもよかったけれど、高さを考えると長谷川アーリアジャスールだったのだろう)


後半26分


後半31分


後半42分

失点もシステムの破綻ではなくキム・ジンヒョンと守備陣の連係がミスをしただけのこと、セレッソが絶望的に悪かったわけではない。けれど、内容が悪くても結果を出すのがいいチームだ、今日の鳥栖がまさにそれだろう。セレッソは個々にいいシーンがあってもそれが結果に結びつかなかった。


考えられる最悪は、この戦い方に疑問を持ち、迷走することだ。考えていることは分かっているのだから、それを具現化するための方法を考えることだ。まずは前線のボールチェイスのタイミングからだろう。ワンボランチの負担を考えるなら、扇原と山口蛍を入れ替えるのも手だ。まだまだ改善の余地は残されていて、落胆するのはもう少し先だ。だから顔を上げて声を出せ、走れ、ボールを蹴りこんでいけ。


7/27/2014

セレッソを勝たせるための「熱気」を。 #photo #diary #cerezo

金曜日は、都島まで天神祭の花火を撮りに行っていた。花火はサッカーや風景ともまた違う撮影法で、難しさがある。それに人混みが半端ではなかったから緊張した。いきなり三脚にもたれかかってくる子供とか……。


OBPよりも花火から遠かったからあまりいいのが見られなかったけれど、それなりのものが撮れた、満足。



お祭りって、どうしてああも人間が変えてしまうんだろう。混んでるからと殺気立ってる酔っぱらいとか、いけないな。


いや、俺が人混みなれしてしまってるのかもしれない。サポーターやってると毎年何試合も、何万人も入る「試合」ってお祭り騒ぎに加わるんだからな。


まあ、何万人も入る試合なんて、ここ数年でやっと味わえるようになったんだけどな。やっぱり、その何万、何千の桜色の人達と、勝利というただ一つのものを願って、声を出し、手を叩く90分間、そしてその準備のための時間は素晴らしい。その気になれば年間34試合以上体験できるなんて贅沢だよな。


今度こそ、みんなで「勝たせよう」勝つんじゃない、「勝たせよう」それで勝ったら、祝杯なりうまい飯なりを味わおうや。


みんな任せたぞ!!

7/24/2014

2014 J1 第16節 甲府 0vs0 C大阪 ゲーゲンプレス「もどき」はなぜ機能しなかったか? #cerezo #photo #diary

2014年7月23日(水) 19:03キックオフ[ 観客 12,052人 ]

得点者なし

九人の選手でブロックを作って徹底的にスペースをつぶし、カウンターに一縷の望みを懸けるのもサッカー。それをパスワーク、ドリブル、ミドル、クロスを駆使して攻略するのもサッカー。

甲府は前者のサッカーで闘いぬいた経験値があり、セレッソは後者のサッカーを始めたばかりだった。その差が出たということ。


スターターは図の通り。


前節から藤本康太が復帰し、南野拓実も戻ってきた。右サイドは安藤淳で、ディエゴ・フォルランはベンチスタート。

セレッソは攻撃的に、前に人数をかけるサッカーで甲府の守備を攻略しようと動いた。対する甲府はそんなことも織り込み済みと、前線にクリスティアーノ一人を残して守備的なシステムを組む。


セレッソは前に人数をかけるものの、それぞれの動きが乏しく、パスの供給役である扇原貴宏、安藤淳、丸橋祐介からいいボールを引き出せなかった。


マルコ・ペッツァイオリ監督の志向する4-1-2-3では、両サイドのアウトサイドとインサイドで求められる役割が違うように感じる。簡単に言うとアウトサイドは「横の動き」、インサイドは「縦の動き」が重要だ。


相手の4バックを数的優位を利用して一気に崩しきるのが攻撃陣の役目になる。サイドの外側の選手は4バックの両サイドを広げるために、ピッチサイドギリギリまで張り出したり、逆にボールを持って内側に切れ込んだりする。ここで上下動するとオフサイドトラップに引っかかりやすいので、相対的に横の動きが中心になる。


内側の選手は4バックの前で起点を作るために下がったり、前線の選手が作ったスペースに上がったりして組み立てやフィニッシュに関与する。ボールの供給役のサポートをしたりうまく飛び出したりと、こちらは縦の動きが必要になる。


ペッツァイオリ監督が前線右サイドに本職がサイドバックの安藤を起用したのも(そしてそれが機能したのも)前線両サイドの動きがサイドバックのそれと近しいからだろう。南野、平野甲斐、楠神順平、安藤が前線サイドのポジションで起用されているが、サイドでの動きに得手な安藤と、ボールを持って切り込む動きに特徴がある楠神が高い適正を持っていた。


しかし、この試合の両サイドは不出来だった。南野はサイドにいるあまりプレーの幅が狭められ、効果的な「らしい」プレーができなかった。平野もオフザボールの質が低く、ボールを持っても勝負を避けているきらいがあった。4バックをこじ開けるにも四苦八苦のチームが5バック、九人守備の甲府に難儀したのも当然。今のセレッソは基本でさえしっかりと解けないでいる段階なんだと実感させられた。もう少し経験値があれば違うのだろうけれど。



インサイドの山口蛍、キム・ソンジュンもボールを受けに下がったり、ラインの裏をとるために前に出たりするのだが、ボールを受ける呼吸が合わなかったり、下り目の甲府ディフェンスに吸収されたりで要領を得ない。

ということで、後半21分からはフォルランが登場、4-4-2にシステムを変更する。


フォルランは一応トップなのだが、自由に下がってボールを受け、他の選手との連係から甲府ディフェンスを崩しにかかった。散発ながらそれなりに効果があり、唯一の決定機であるキム・ソンジュンのシュートを演出している。4-1-2-3の「2」がしなくてはいけないプレーの見本を見せてくれた。


後半36分
後半45分

攻めたセレッソ、守った甲府、しかしプラン通りだったのは甲府だった。フォルランのようなプレーを4-1-2-3の2がし続けていれば、楠神がもっとボールタッチできる時間帯に投入されていればという「たられば」よりも甲府のミドルやカウンターの「たられば」の方がはるかに実現する可能性は高かった。

天皇杯1試合、リーグ戦3試合で様々なパターンが試されたが、まだまだ試行錯誤の段階。ただし両サイドで起用された安藤淳、楠神順平、インナーでプレーしている山口蛍、南野拓実はそれぞれいい動きをしているし、扇原貴宏をアンカーに置いてボールを組み立てるという根本はブレていない。ここを素地にしていくことは決まりつつある。フォルランの起用法もなかなかに要領がいい。これを基本線に立て直していけば、今日以上の絶望を味わうことは無いはずだ。


7/21/2014

【拡散希望】ゴイコ・カチャルの母国を救え。 #cerezo #photo


横浜FM戦のコンコース、バックスタンド側でこのようなブースがあった。


後ろにある旗はセルビアの国旗だ。セルビアは今年セレッソのために戦ってくれたゴイコ・カチャルの母国だ。


そして、これが彼の母国の現状だ。



5月中旬に起こった大水害で、彼の愛するセルビアの国土は大打撃を受けた、未曾有の被害だったそうだ。

俺は、ゴイコ・カチャルがセレッソのために戦ってくれた恩義に報いたいと、財布からいくらかのお金を募金箱に入れた。募金というか、恩返しのつもりで。


5月中旬といえば、中断期間直前の仙台戦、浦和戦のころになる。彼だってこのニュースに心を痛めていたはずだ。それでも、彼はギリギリまでセレッソの一員として戦うことを選んでくれた。その気持ちに応えるのなら今しかない。

7/27の鳥栖戦、8/9のFC東京戦でも募金は行われる。7/27はホームゴール裏の裏手にある売店横で、8/9はバックスタンドホームよりのコンコースで、募金箱とセルビアの旗があつらえてある。

彼の気持ちに報いる方法は数少ないけれど、募金は必ず形になって、彼の母国を援助するために使われる。なら、やらない手は無いはずだ。


俺達は、セレッソは何度彼に救われただろう?一度くらい、彼を救ってやろうぜ。

Facebookページもある。詳細はこちらを見てほしい。

セルビア洪水復興支援募金-セレッソ大阪/Serbia reconstruction assistance fund-raising-Cerezo