4/20/2014

ここ何試合かハマっている「セレッソ対策」について。 #cerezo #photo

FC東京戦も同じこと同じようにやられて負けていたな。ここ何試合かはずっとそうだ。


よく、「サッカーを解説します」と標榜するサイトで「丸橋祐介と酒本憲幸は守備ができない」と言われているが、この二人は堅守だった去年もレギュラーだった。ちゃんと守備組織を作っていれば二人がサイドバックでも何の問題もないのだ。

前線からの守備ができない。



今年の守備で一番問題なのは前線からのプレッシングが少ないこと。そちらが破綻しているから後ろが守備できない。

去年はシンプリシオという攻守にうまさのあるプレイヤーと、走れる柿谷曜一朗が、相手のボランチ、あるいはセンターバックという攻撃の起点にプレスをかけていた。だからボランチから2列目、あるいは一足飛びのフォワードへのロングボールが精度の低いものになり、コースも限定されていた。

今年は柿谷とフォルランという組み合わせで、去年からは守備力、運動量が下がっている。なので、そこからのボールがキチンと精度の高いものになってしまっている。ダービーの遠藤保仁のようにこの位置でボールを出せるプレイヤーがいると途端に苦しくなるのだ。ポゼッションサッカーをしようとして全体が高くコンパクトになっている分、ここがフリーになるとキツい。


狙うのはコンパクトにした裏のスペース。サイドバックの帰陣が遅いから簡単に抜けられてしまう。浦項戦で何度も見た形だ。


で、これを取り返すために全員が長い距離を下がっていく。アップダウンが激しいのでスタミナが減り、運動量が落ちるのが早くなる。前線の動き出しが遅くなって質が下がるの悪循環になる。

マズい守備から連鎖したマズい攻撃。



がんばってボールを奪うと、大抵この形になっている。去年なら耐えて耐えて山口蛍かシンプリシオ、扇原貴宏が柿谷に裏一発のボールを出すところ。だが今年はここからポゼッションサッカーをする。自分のゴール前から相手のゴール前までボールをつないで律儀に攻めていく。横パス、バックパスもあるから時間がかかり相手に帰陣され、アタッキングサードで手詰まりになる。


もっと簡単にセレッソの攻撃をシャットアウトする方法もある、それも二つもだ。一つはボールの出し手であるセンターバックとボランチに圧力をかける、今ひとつはサイドに出されたボールに人数をかけて押し出す、だ。つまり去年セレッソがしていたことと同じことを相手がするということ。


ここ何試合かのセレッソの攻撃経路はこんな感じだ。ボランチ、センターバックからサイドに、サイドが攻め上がって相手陣内まで入る。そこからフォワードに入れるのが理想で、無理なら上がったボランチにボールをあずけてサイドチェンジをする。このボランチからサイドに、サイドが持ち上がるというどちらかのポイントに圧力をかければボールは前に進まなくなる。

ボランチが前を向くとアウェー柏戦のように柿谷へのパスや山口蛍の仕掛けのような面白いシーンを見られる。だがそれはチームの運動量があるうちで、リードされて守備をかためられたりチームの運動量が下がってパスの質とアイデアが枯渇するとダメになる。



少し余談になるが、今年は南野拓実と杉本健勇の姿が撮りやすい。スタンド側まで寄ってくれる、つまりサイドに張り出しているからだ。そこからまっすぐサイドを駆け上がるので長くジックリ写真が撮れる。相手はそこに人数をかけて奪えばいい。放っておいてもこの2人は接触プレーや長いスプリントを何度もやっているので自然とキレを無くしていく、だからその時にジックリ奪える。相手にすれば楽な仕事だ。


勝っているうちは問題にならなかった、リードを奪えばチームはブロックを下げた守備できるので顕在化しなかったのだ。攻撃が手詰まりになると守備がマズくなり、守備がマズくなると攻撃の質が下がる。絵に描いたような悪循環だ。セットプレーで得点できているので気にしていなかったけれど、流れからの崩し方がマズいので去年のような迫力が無くなっている。

どうすればいいか?


すごく簡単な事だ、守備では前線に相手にプレスをかけられる選手を置く。攻撃では攻撃のリズムを変える選手がフォワードの下にはいる。それだけ。


フォルランは素晴らしい選手だ。「彼の基準にチームをあわせればいい」という人もいる。しかし今のプレーを見ている限り、チームの守備、攻撃に対してプラスの影響が少ない。ダービーの1点目が理想のはずだが、このシーンを作るためにかけた労力を考えると、シーズン中何度もできる形ではない。

まず走れるチーム、守備組織ができているチームにしなければ、失点は減らないし得点も奪えない。11人が攻守で連動して、初めてそれができる。連動できない選手は出せない。自明だ。それができないなら、そうしようと考えている人間が采配すればいい。なにか特殊な契約でもない限りできることだと思うが、どうだろうか。


純粋にセレッソが好きなので、誰が点をとろうとどういうスコアになろうと、結果として勝てばいい。そこに「○○のゴールが見たい」なんて縛りは全くない。そのためには悪い流れは変えなければいけない。気づいているはず、動き出そう。

2 件のコメント :

  1. まさに仰る通りです。にわかセレッソ好きですが、去年の方がセレッソの"強み"や"やりたい事"がはっきりしていて見ていて楽しかったです。[動いて]欲しいですね!

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  2. ポポ監督が次の試合で思い切った布陣をとれるかどうかです。 このままだと、おととしのような降格の危機だってありえるような。 勝つサッカーを是非是非みたいものです。

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