7/14/2013

2013 J1 第16節 広島 1vs0 C大阪 勝てたと思えるから、悔しいのさ。いいじゃないか。 #cerezo

得点者

後半45分+5 高萩 洋次郎(広島)



素晴らしい試合だったよ、結果以外は全て素晴らしかった。ほんの少しの執着とスタミナがなかっただけで、勝てる要素はいくらもあった。だから悔しくていいんだよ。だから前に進めるのさ。


スタメンは最近固定の4-2-3-1で、前節負傷したキム・ジンヒョンも元気に復帰している。扇原貴宏も累積警告による出場停止が明け、負傷の茂庭以外はベストメンバー。サブには小暮大輝、横山知伸が入っている。


この試合で目についたのは、広島ボールになった時のセレッソの高い位置からのプレスだった。これでボールを奪ってショートカウンターという形も作っていて、前半にも後半にも柿谷曜一朗やエジノのいいチャレンジがあった。

これにはキチンと理由がある。そもそもこのシステム自体が、広島と同じ3-6-1のシステムを採用している浦和戦のために作られたものだからだ。

4-4-2など、他のオーソドックスなシステムを使用するチームに対しては4-4-1-1のようなブロックを作って中盤に人数をかけなくてはいけない。

しかし広島は攻撃時4-1-5のような形になるのでセレッソの南野拓実やエジノが前残りしても十分プレスがかかるのだ。ダブルボランチの一人が守備ラインに入れば5-1-4になり、広島の11人と全てマッチアップする。


なので、両サイドハーフは守備時の帰陣位置が横浜FM戦より楽なところにあり、時には相手の守備ラインに突っかけることができた。夏場の蒸し蒸しとしたゲームで、比較的スローテンポな流れだったのもセレッソにはいい材料だったと思う。


南野は確実に成長している。攻撃時の思い切りのよさもいいし、守備でもしたたかに動く、これでもう少し攻撃に専念させてあげられるなら、さらに長く、効果的に使えるのだけど。「幻の先制点」は返す返す悔やまれる。


ここまでセレッソに有利な要素があったのにスコアが動かなかったのは、やはり広島の3-6-1の成熟度、連携の巧さがあったから。佐藤寿人にはほとんど見せ場は作らせなかったけれど、そのわずかの隙でも決定的な仕事を2度している。青山や高萩といったタレントはやはり怖い。


あえてセレッソの弱点になっていた箇所を上げるとすると、両サイドバックだろうか。両サイドハーフが前残りするので通常より守備での持ち場が広く、さらに広島の両サイドが度々アタックを仕掛けてくるので厄介だった。前半はうまく抑えられていたけれど、スタミナが少なくなってくると徐々に押し込まれるようになった。


後半、どういう仕掛けをしてくるのかと思っていたら、このシステムのキモであるシンプリシオを下げるという博打に出た。前半で不用意なカードをもらっていたし、この布陣では彼に求められる活動範囲が広すぎるので、考えれば順当なのだけれど。代わってトップ下には山口螢が繰り上がり、ボランチに横山が入る。

後半19分

山口螢はチームの中でも随一の運動量と、並以上のスピード、それに攻撃のセンスを持っているので、この位置でも違和感なくプレーしている。パスワークとスキルで生えるシンプリシオとタイプこそ違うが、飛び出しであわやゴールという決定機を作るなどしている。

悔やまれるのは次の一手、楠神順平と杉本健勇が入ったのだが、下がったのは南野と柿谷だった。

後半35分

この時間帯、明らかにボールを前に運ぶ力が不足していた。 だから楠神は理解できたのだけど、待ってボールを受けるタイプの杉本を入れたことで、流れが鈍化してしまった。


広島にも決定的な打開策はなく、このままドローかと思われたラストプレーで、高萩にしてやられてしまった。

運がなかった、たまたまだということも当然言える。けれど、そこまでにゴールに至るあわやのプレーがどれだけできたのか、守備の時にどれだけしっかり守れたのか、ガッチリと噛み合い、流れの中で動けなかった時、リスタートやセットプレーでどれだけ工夫したのかを考えると、運だけといえない、という考えも生まれてきて、うまく表現できない。


次節鳥栖戦はキーマンの一人であるシンプリシオを累積警告で欠く。この試合の後半19分の布陣が活かされるだろう。それだけでもこの試合をした意味があるのかもしれない。せめて、勝ち点1でもとっておきたかったが。

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