泣いていたのは万博の空。 #cerezo #gamba

土曜日のことを思い出そう。

水曜日のナビスコ鹿島戦、ソアレスはこれを捨ててダービーに照準を合わせてた。それは、本当はお金を払って観に来てくれているお客さんや、サポーターのためにはやってはいけないこと。それでもリーグ戦、ダービーに賭けた。その意気込みは強いものだった。

ただ、ガンバとしても立場は同じで、順位勝ち点を考えると勝たなければ意味のない試合だった。

それは、炎天下で長々と待たされた挙句に入った万博競技場を見れば明々白々。いくつもあるゲートの一つ一つに、こんなダンマクがはってあった。

今までガンバ、万博というと、スカした感じがして好きになれなかった。強いのはどうせ俺たちだし、なんて精神的余裕を見せびらかされているようで。

しかし、あの日の万博は、ガンバサポは、 必死だった。今までこれほど追い詰められたことがなかったんだろう、不器用で手際の悪いものだったけれど、それがまた気迫を感じさせた。

そこには、いままで自信満々に掲げていたACL、Jリーグ、天皇杯、ナビスコカップのデカいゲーフラはなく、代わりに「勝」「喝」の二文字が浮かび上がっていた。

これを観て、ようやっとガンバが置かれている状況がいかに困窮したものなのかがわかった。

試合内容も下位チームどうしの穴だらけの試合で、とても褒められたものではなかった。テクニックや戦術よりも気持ちの前に出た試合は凡戦になりがちだけれども、それにしても。ベストメンバーではない、怪我人が出た、いいわけはたくさんできるが、強いチームはそういう時でも強いものだ。


試合後は、恵美須町の裏通りにある「サクラキンギョ」さんにお邪魔して、最近知り合ったサポーターと、お酒を飲みながらいろいろと話しをした。ずっと同じ仲間といると考えが固着してしまうし、こういう場所がほしかったので、嬉しかったな。

セレッソは今雨後竹林のごとく若い才能が伸びてきている。それにつられて今まであまりいなかった(失礼)若い女性のサポーターが増え始めた。皮膚感覚だけれど、ダービーの時も女性の割合がとても増えたように感じてた。

こういう新規層に定着してもらうためにも、セレッソは二度と落ちてはいけない。落ちたら最後、若い才能は二束三文で買い叩かれて、散り散りバラバラになる。


それから、ガンバも落ちてもらうのは困る。

かつてのガンバは応援団が二分されて異様な状態だったらしい、2000年代前半のころ。それを一つにまとめるために利用されたのがセレッソだった。

セレッソを憎み貶めて勝つことでカタルシスをもたらし、喜びを共有することでサポーターを一つにまとめていた。

しかしセレッソもそのままだったわけではなくて、そうした煽りを利用して大阪ダービーをドル箱マッチに押し上げた。キンチョウスタジアムであまり人が入らなくても、ダービー、鹿島戦、名古屋戦あたりで平均値を押し上げている。それが無くなるのは、運営としても嫌な話だろう。


それに、純粋に憎しみ合える、ギリギリのケンカができる相手というのは、そういないものだ。いないチームの方が断然多いだろう。その幸せは失いたくない。


来年のダービーもJ1の舞台でやりあいたい、それも「これぞダービー」といういい試合で。滝のような雨の中、あんな試合を見るのは、もうやめにしたい。

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