2/07/2012

キャプテンシーだけあればよい。 #cerezo #daihyo

昨日のU-23代表の敗戦について、いろんな人がいろんな分析、意見を出している。全部見たわけではないけれど、こういう様々な意見が混ざりあって、熱を帯びてくるうちは日本のサッカーは廃れないだろう。

ただひとつ、誰かが「こうなったら香川や大津、宇佐美らを無理にでも呼び出して試合で使え!」と書いていたのには違和感があった。


確かに彼らは異論なく素晴らしい選手だ、個人で局面を打開する能力を持っている。だが今のU-23に必要な要素を持ってはいない。


今のU-23が必要としているのは、強烈なキャプテンシーだ。

ベンチにいてもいい、ピッチに立っていて、細かく他の選手に指示を出せるのであればなおよい。今の局面をすぐさま把握して、修正していけるクレバーさ。それを伝えた時に、他の選手がすぐさま反応、実現しようと考えられる信頼感。この二つを持った存在がチームにいないから、試合の流れを読みきれず、流されている。


フル代表では長谷部と遠藤という、タイプの全く違うリーダーが二人いることで、様々な難局を乗り越えてきた。彼らはプレーヤーとしても優れているが、人心掌握術に長けたマネージャーでもある。

遠藤はセレッソからすれば憎たらしい選手だが、それはつまり、それだけ素晴らしい選手だということだ。

昨年のACL、ラウンド16の大阪ダービー。セレッソの勝利に終わったものの、一番印象に残っているのは、その遠藤の試合後の立ち振る舞いだ。

他の選手が倒れこんだり泣きじゃくっているのを見ると、一人ひとりに手を伸ばし、試合後の挨拶に回るよう促していた。ブーイングの響く万博で、そのブーイングを一身に浴びながら、それでもしっかりとピッチサイドを回っていた。彼がいる間は、ガンバはずっと憎たらしい存在であり続けるだろうと感じさせるシーンだった。

そんな強いリーダーシップこそが、ドリブルよりも、パスよりも、ゴールよりも必要なのだ。


補強候補として名前が上がっていたり、現在チームにいる選手で、そんなタイプの選手は「まだ」いない。少なくとも俺の知っている選手、香川と清武については、二人とも「まだ」キャプテンシーを身につけてはいない。

香川は自らを高めるためなら、どんなにタフな練習でも率先して行えるストイックな一面を持つが、それを他人に強要したりしない。

リーダーシップを身につける必要があると判断したならすぐさまにでもその準備を始めるだろうが、ドルトムントでは個としての技能を磨くことが第一で、まだそのステップまでたどり着いていない。

清武に関してはナーバスになりやすい性格の持ち主で、むしろ誰かが清武のいい部分を引き出す必要がある。


しかし、今のU-23メンバーの中でも、その可能性を秘めている選手が二人いる。扇原と権田だ。


扇原はセレッソで去年最も成長した選手だ。技術的な面はもちろん、精神的にも強いものを持っている。それゆえに「事件」を起こしてしまったが、それすらもプラスに昇華させ、謹慎明けの磐田戦で結果を残してくれた。そのハートの強さを出していけば、チームをまとめられるかもしれない。



そして権田。彼は昨日二つの判断ミス(個人的には仕方ない部分もあったと思うのだけれど)でバッシングを受けている。

しかし、試合前に誰よりも危機感を持っていたのは彼だ。またキーパーというポジションは、他のどのポジションよりも試合を把握しやすい。何より、他の誰よりも勝ちたい、結果を残したいと強く感じている。

その意識をプラスに変えられれば、素晴らしいキーパーになれる。FC東京に厄介な選手が増えるのは個人的にいただけないが、川島以後の正代表候補を考えれば、彼に頑張ってもらわないと困る。


そう、彼らはまだ若い。技術的にも、精神的にも伸びしろがタップリと残っている。そこを伸ばしさえすれば、日頃の力をコンスタントに発揮できるはずだ。

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