5/30/2011

残留争いに寄せて。

新しい歴史が生まれ、神話は終わった。そろそろ現実に戻ろうか。
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今年のセレッソ、守備と攻撃と両方に問題があって、それが相互の不信に繋がって、勝てていない。去年あった「耐えていれば前がキープしてくれる、点をとってくれる」「後ろが抑えてくれているから1点先にとれば勝てる」って意識がズレてて、勝ち点3が遠い。この2週間の中断と中断明けの福岡戦への入りをうまくしないと、またジェットコースタークラブに逆戻りだ。


シーズンを通した話をすれば、やはり補強は必要になると思う。独力でゴールを決められる選手か、とにかくボールを高い位置でキープできる選手。

今の攻撃の中心、乾、清武、ボギョン、マルチネスは低い位置からボールを運んだりキープしたりには長けているけれど、シュートを打つ、フィニッシュを決めるという部分では不満がある。ピンパォンはACLでは4得点と活躍しているが、リーグ戦ではまだ1ゴールのみ。小松、永井はいい選手ではあるがまだ心もとない部分があって、播戸にはゴール以外の仕事(チームのメンタルを管理したり…)もたくさんある。

得点が期待できなくても、とりあえず高い位置でボールが収められる選手がいれば、マズイカウンターを食らう危険性は減る。今日は大宮ラファエルに苦戦したけれど、セレッソも同じようにサイドでもボールを確実に保持できる選手(去年で言う家長の役割)がいれば攻撃にも守備にも負担はかなり減る。


個々の試合で言うと、今のメンバーなら前半は今やっているような4-2-3-1か4-1-2-3で守備を意識してグッと我慢、後半になって敵のウィークポイントにアクセントになる選手を入れて勝負、この一手しかないんじゃないだろうか。去年の勝ちパターンも相手が疲弊するまでとにかく我慢、疲れが見えたところを走り勝ってパスサッカーで崩す、これだけだった。やることに大差はない。

今年の場合は幸いなことにスピード、高さ、キープ力、いろんな魅力がある選手が揃っているので、相手を見ながら人を入れ替えるというオプションは豊富だ。だから去年より試合中の監督の采配にかかるウエイトは大きいだろう。レヴィーはどちらかというと試合に入るまでやハーフタイムの指示なんかに強みがある監督なので心配無いことはないけれど、それをやるしか方法が無いのだから、これも我慢しよう。


逆に一番やってはいけないのは、結果が出ないからと土台から崩すこと。今は一つ歯車がかみあっていないだけで、何もかもが悪いわけではない。失点がべらぼうに多いわけではないし、驚くほど得失点差が開いているわけでもない、もし大ナタをふるってしまうと、6月7月試合が立て込んでいる中でチームを一度バラすことになる、これは自殺行為だ。


去年の優勝争い、ACL出場権争いと比べれば、今年の残留争いの予感は寂しい限りではある。ただ現実として今そういうポジションなのだから、その目標をしっかりとクリアしていくことに専念しよう。もう2001年や2006年のように、チームがバラバラになっていく様を見たくない。だから、頑張ろう。

5/29/2011

好きであることを誇れるように。

Jリーグ、日本のサッカーの発展は、おらがチーム、おらが町、おらが国を「愛する」ことから始まったと感じている。少なくともAntiとかDisとか、そういう単語はスタジアムには必要ない。


何かを貶める、誰かを傷つける、差別するという行為は、サッカーだけではなく、人の営みの中では邪魔なものだ。それを好き好んで行う存在は、貶めただけ、傷つけただけ、差別しただけ、自らも報いを受ける。その場で即刻受ける輩はまだ幸運だろう、一度の過ちでずっと後ろゆびさされることだって珍しくない。

セレッソのサポーター(の一部)は、それは気まぐれだし、潔癖症すぎるところもあるけれど、少なくとも相手を貶したり、傷つける行為をかっこいいと誤解している人達よりもいい人達だと思っている。だから、去年作ったTシャツにはおらが町を愛するという意思を込めた「100%OSAKA」のロゴを刻んた。
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ダービーの時でも「俺達が大阪」と言わず、ただ「大阪」と歌う。「潰せ」コールはラフプレーの時限定(都合がいい解釈だけれど)

憎しみに使うお金や体力があるなら、愛するもののために使ってほしい。憎しみや蔑みや暴力に満ちたスタジアムには人は来ない、自らのチームのためを思うなら愚行は謹んで、自らを高めることに努めよう。それがチームを強くする唯一無二の方法なんだから。

5/26/2011

ACL ROUND OF 16 Gamba Osaka 0vs1 Cerezo Osaka

Takahashi Daisuke (Cerezo Osaka) 88'


昨日の夜録画を見て、魂が震えたきりで、胃が動かなくて今でも吐きそうなので、言葉だけでも吐いておきたい。少しだけ。

ガンバはずっと中盤で圧倒して、自分たちのリズムを作って、相手を疲弊させてナンボのチームを作ってきたので、ボランチから後ろの位置に対してプレッシャーをかければどこかで破綻するのはわかっていた、けれど今までずっとパスサッカーにこだわってこれができないでいた。ロングボールを当てるようになると藤ヶ谷が案の定ミスをしてくれた。

小松と中後、中盤の底とトップにパスを出すところと受けるところができて屋台骨が構築できたのと、ガンバご自慢の中盤が、パスを出すべき前線の運動量低下で手詰まりになってボール離れが悪くなったのが、細かいところでは勝因になるんだろう。


ただ、それ以前にチームから勝ちたい、歴史を変えたいという強い意志が伝わってきたことが、俺の心を掴んで離さない。ベンチにいる選手も、スタンドにいた選手も、スタッフもサポーターも必死に戦っていたからこその勝利。

ACLで大阪ダービー、ひょっとしたらこれからの歴史の中で二度と来ないかもしれないプレミアなダービーで、それも万博で、流れをこっちに引き寄せられたことに満足せずにはいられない。


最後にガンバサポーターに言いたい。これは勝ってからしか言えなかったから、本当に長い間温めていたんだけれど、ダービーと言って熱くなって、勝った負けたでずっとずっと喜んだり悔しがったりできる、それが許されているのはごく一部のチームのサポーターしかいない。その中で真のダービーは大阪ダービーだと確信している。ガンバ大阪という資金も人材も潤沢な部類に入る、数々のタイトルをとってきた素晴らしいチームにぶち当たれる喜びは、ガンバとそれを支えるサポーターがいてこそなのだ、だから今は素直にありがとうと言える。

8月、また馬鹿騒ぎしよう、勝った負けたで騒ごう、これぞダービー、本物のダービーという試合ができるよう、セレッソも努力していくよ。


この勝利で、多分セレッソの歴史は変わった。次からはその歴史を強固なものにしていく努力をしよう。それがガンバに対する礼儀だ。

5/20/2011

少しの間さようなら。

今日の試合、行けなくなりました。


今日だけではなくて、多分次もその次ぎも、6月いっぱいまで、スタジアムには行けないかも知れません。うまく行けば6月下旬には復帰できると思うんですが、うまくいかないのが世の常なので、絶対って言葉は使えないですね。

ブログの方も、本当に少しずつしか更新できなくなります。日頃見ていただいている皆さんには本当に申し訳ないですが、時間がなくて、すみません。


まあ以前のように病院にぶち込まれるわけではなくて、仕事が忙しすぎて、というのが理由なので、その点はご心配なく。試合もテレビでは追いかけています。

本当は「仕事とサッカーどっちが大事よ?」って聞かれたら「サッカー」って即答できる俺なんですが、すごくやりがいのある仕事で、多分これを乗り越えられたら、このブログだってもう少しいい感じにできるかもと考えています。


俺にとってみんなに会えない、セレッソの試合を、スタジアムの空気を感じられないというのは、思っていた以上に苦しくて、辛いことのようです。何もかもかなぐり捨ててサッカーに没頭したいです。でも、責任は果たしたいし、期待には応えないとね。


少しの間だけれど、さようなら、次にあう時はかなりパワーアップして帰ってきます。それまで勝ち続けてください、喜び続けてください、それがお願いです。
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大阪の町の誇り、みんなの人気者、勝利を目指して走れ、ラララセレッソ大阪

アモレ、アモレ、アモレミーヨ、セレッソ大阪

5/16/2011

プロとアマチュアの違い。

オネアミスの翼の昔からガイナックスが好きだ。それは彼らがいい意味でも悪い意味でもアマチュアだからだ。

何を言うかと思われるかも知れない。アマチュアがすごい作品など作れないだろうと。

実はそんなことはない。アマチュアだから下手(プロだから上手い)ということを言う人は、多分プロとアマチュアの定義を間違えているのだろう。


喩え話をしよう。プロのパティシィエとお菓子づくりが好きなアマチュアが、ティラミスを作りたいと考えた。
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プロは、それで儲けを出さないといけない、生活しないといけない。なので適正な価格にまとめるために素材選びが限定されるし、かける手間暇も変わってくる。その中でいかにおいしいティラミスが作れるか試行錯誤をして、万人に喜ばれるものをと考える。プロである以上責任があるので、そう冒険はできないが、そこはプロの技と経験でカバーするのだ。


アマチュアは、まずそれを売って生活しようとは考えない。大抵は趣味の範疇なので、責任も重圧もない。なのでその時点で気持ちがプロに負けていて、おいしいティラミスは作れない。多くの人が考えるアマチュアというのは、そういう人達の事だろう。

しかし中には程度を知らないアマチュアもいる。採算度外視でとんでもない手間をかけ、割りに合わない食材を使って、プロ顔負けのテクニックを使ったティラミスを作る輩がいるのだ。彼らは多くのアマチュアが考えている「ティラミスを売って生活をするわけではない」という定義を真逆に考える。そうしてプロよりもおいしいティラミスを作ってしまうのだ。


こうしたちょっとおかしなアマチュアが、時々世の中を変えたりする。前述したガイナックスにしたって、割りに合わない仕事をひたすら行ったことで、ナディアやエヴァのようなとんでもない作品を作ってきた。エヴァの最終話なんて、普通の会社なら通らない話だろう。


日本サッカーの世界でも、いい意味でバカなアマチュアが、いろんなところでいろんな人たちを支えている。そうした人たちはただサッカーが好きで、サッカーが好きな人が好きで、それで割りに合わない仕事を、笑いながら、泣きながら続けている。彼らに日が当たるようにと思っているけれど、日本人はそんな人達の思いやりを、時々当たり前のことと誤解したりするから、それが悔しくもある。もう少し報われる世の中であればいいのだけれど。

2011 J1 第11節 浦和1vs1C大阪 先生わかりません。

前半8分 原口 元気(浦和)
前半35分 清武 弘嗣(C大阪)


「勝っているチームはいじらない」

万国共通の常識だと思っていた。接戦だったのなら、明らかな弱点があったのなら理解できるが、中国を代表するチームを相手に4-0で勝っていた、そのメンバーをいじる必要がどこにあったのか。これで結果が出ていればこんな話は無かったろうけれど、前半が終わった時点でのチーム状態は明らかに前回の試合より悪かったのだから、愚痴の一つも出てくる。


スタメン。システムは4-2-3-1に戻し、3シャドーは乾、清武、倉田。ボランチは中後が外れてキム・ボギョン、マルチネスとレフティー二人が並ぶ。

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立ち上がりのセレッソは明らかに硬かったし、機能不全を起こしていた。ボランチ2枚のところでボールを保持する意図があったにもかかわらず、そこにプレッシャーがかかって思ったようにボールが回せない。前が1枚なのでどうしても中に中にプレーヤーが密集して、マズイボールロストが増える。なんとかしのいでも起点が少なく最初のパスがカットされると、まるでいいところ無しだった。失点のシーンも6、7人のプレーヤーがゴール前を固めていたが、逆に受け渡しがうまくいかずに簡単に決められている。3連敗、その間得点僅かに1という浦和相手にこれなのだ。

たしかに1トップ3シャドーは開幕の頃から比べると整理されている。ピンパォンは以前よりよく動いてボールを受けるようになったし、そのスペースから乾、清武が抜け出すという連携もよく出るようになった。それでも、ACL山東戦を観た後だとキレや迫力に物足りなさを感じてしまう。攻めのスピードが全く違うし、相手の守備が崩せていないのだ。小松が何故ベンチを温めているか、その意味がわからない。自ら生み出した決定機は倉田と乾のパス交換からの1度きりで、シュートは枠外。前半35分の同点のシーンにしても、清武の頑張りと鈴木啓太の不注意が呼んだもので、前半45分を通して枠内シュートはこの一度きりだった。


後半になると、両軍少しずつ中盤のスペースが空いて、特に浦和のアンカー両サイドにシャドーが生きる空間と時間ができてきた。そこを3シャドーがイヤというほど突いて、度々好機が生まれる。乾、マルチネス、丸橋、ピンパォン、誰かが決めていれば相手は瓦解していたのに!

攻撃の流れはつかめたので交代カードは守備陣に対してが2枚。14分に2度程突破を許していた高橋大輔を下げて酒本を入れる、酒本は春も終わりのこの時期にしてはいい動き、活躍はもっぱら攻撃のシーンではあったけれど。

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後半14分


カウンターを何度か食らうようになると、ボギョン、マルチネスのダブルボランチを放棄、中後を入れてボギョンを一列上げる。下がったのは清武。

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後半19分


それぞれの交代の効果は劇的ではなかったけれど、意図はわかったし、事実として相手の攻撃の手数は少なくなっていた。ただ引き換えとして最後のツメ、勝ち越し点を奪う匂いも霧散してしまった。小松を入れたのは後半42分で、攻撃の要のはずの乾も清武もいなくなっていた。どうやってボールを送り込めばいい?どうやって相手をかき乱す?そうして、両軍サポーターの欲求不満がたまった、長い長い90分間は終わった。

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後半42分


浦和にしてみれば、幸先良く先取点を奪ったにも関わらずミスで自滅と気分のいいものではなかったろうし、セレッソにしても後半の攻めている時間帯で、どれか1本決めていればというもやもやが残っている。試合の入り方を間違えてどの試合でも先制を許し、同点までは持っていくもののその先の点が取れず、勝てない。

そもそも駒不足で決定機が作れないとか、チームの形が見えないで攻撃力が無いなら、悔しいけれども諦めがつく、守備を固めるチームを作って、コツコツ頑張っていけばいい。しかし直近でうまくいった試合があり、そこからどのメンバーも欠けていないのだ、その方が余程悔しいではないか!次節は金曜日、同じACL組の鹿島を屠った川崎で、今日の浦和よりも確実に調子のいいチームだ。そこから勝ちを奪うために何が必要なのか、レヴィーの決断を待っている。

5/15/2011

その先のストーリー。

2010年5月10日、俺はシンジが全てのセレッソサポーターにとって永遠のアイドルになるであろうことを、伝説の一篇になるであろうことを確信していた。
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でもそれは、俺の過小評価だった。


Shinji Kagawaのストーリーは、もう俺達だけのストーリーではなくなってしまった。


だから今一度、この詩を書きなおさせてほしい。




きっと僕たちは語り続けるんだろう。



ともに闘ってくれたことを。



ともに傷ついてくれたことを。



ともに駆け抜けていったことを。




友に、家族に、子に、孫に。生きている限り。




ブラジル人がペレを語るように。


アルゼンチン人がマラドーナを語るように。


ドイツ人がベッケンバウアーを語るように。


オランダ人とカタロニア人がクライフを語るように。


RuhrgebietとOsakaに住む僕たちの、香川真司のストーリーを。



おめでとうなどとは言わない、努力を続けてきた青年に対する、妥当な評価が下されただけなのだから。



2010-2011シーズンブンデスリーガ最終成績


居場所。

久しぶりのブログ更新ですが、Twitterとかはボチボチとやっとりますのでよろしくです。最近はずーっと休みなくタッチタイプを続けておりまして、それなりに忙しいです。忙しい、誰かに必要とされているというのは、大変ですが、生きがいもあります。


キム・ボギョンも居場所が見つかり始めていて一安心。当初は3シャドーの一角、家長の後釜として期待されていたけど、他の選手とのリズムがとれずに難儀していて、チーム自体もいい感じに行かなかった。

それが、マルチネスの代役としてボランチに抜擢されてから、少しずつ変わってきた。フィジカルが強く、当たり負けしない、またパスの精度が高く、長短使い分けることができる。ボランチではこのいいところが存分に出て、さすが「パク・チソンの後継者」と思える。
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明日の浦和戦ではダブルボランチがマルチネス、キム・ボギョンになる可能性があるとか…。

これは個人的にはアリ、むしろ歓迎。
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セレッソの攻守のバランスをとる上で、この位置でのポゼッションは外せない、迂闊にボールロストしてはダメ。去年はアマラウが難しいパスワークを放棄して「マルチネスさんお願いします」としていたので問題なかったのだけど、今年は中後が慣れない下がり目をやってなかなかうまくいかなかった。

マルチネス、ボギョンなら守備時にどうなるか不安ではあるけれど、一度ボールを持てばそう簡単に奪われない。その間にシャドーは動き回れるし、サイドバックが上がる時間も貰える。酷いボールロストさえ無ければ、なんとかなる、はず。


セットプレーで右のキッカーが乾か清武になるのは不安ではあるけれど、左ならマルチネス、ボギョン、丸橋と、バラエティが増える。ドッカン系も、巻いて落とす系も、ヨリドリミドリデスナ…。


アジアでは勝っているけれど、Jリーグでは未だに勝てていないセレッソ、そろそろ吉報が欲しいし、そうなると信じている。心配はしていないよ。

5/11/2011

ACL#6 Cerezo Osaka 4vs0 Shandong Luneng

Rodrigo Pimpao(Cerezo Osaka) 39'
Hiroshi Kiyotake(Cerezo Osaka) 46'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 72'
Shu Kurata(Cerezo Osaka) 81'



高い目線で見れば歴史的な勝利であるし、近視眼的に見れば今季のベストゲームであるし、小松、倉田、ボギョンなど、ここまでくすぶっていた選手達の力と、チームを引っ張っていた乾、清武、茂庭らの力がしっかりとかみ合ったという側面もあり…。つまり何が言いたいかといえば、山東のプレイヤー達が見せた下劣極まりないカンフーキック以外は、全てがセレッソの期待通りにすすんだ試合だった、ということだ。


この歴史的な試合、スターティングラインナップは前節、Jリーグ第10節と大きく変わっていた。マルチネスが出場停止のためキム・ボギョンがボランチに、さらに好調をキープしている小松の勢いを買ってピンパォンとの2トップ。4-2-3-1を捨て、4-2-2-2を選択した。ベンチには藤本が入り、スタメン落ちした倉田、若手の山口、永井らも見える。

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結論から言うと、このフォーメーションのテコ入れが全てだったように思う。今季初めて、ピッチ上の11人が個々にしっかりと役割を果たしてくれた。特に2トップと2列目の4人の連携、これにボギョン、丸橋を加えた攻撃の精度、迫力が素晴らしい。

小松がよく動き、相手DFを引きつけるので、ボールを持ってからのプレーに魅力があるピンパォンが生きる。下がっても守備が詰めてこないので乾、清武と自由にボール交換ができた。山東はアウェーであることを差し引いても鈍重で、このスピード感ある攻撃陣に対して常に後手を踏んでいた。まだ後手を踏むだけならばいいが、セレッソの選手達の足まで踏んでほしくはなかった…。目の覚めるような攻撃と、目を覆うラフプレーが何度も何度も交錯した。

アウェー山東戦では9番Peng Hanにロングボールを当てて起点を作る攻撃を防ぎきれなかった守備陣だが、前が奮闘して球際を厳しくつめるので正確なボールが来ず、茂庭、上本、高橋らが体を当ててしっかりと潰せていた。立ち上がりは何度か厳しい流れになったが、それも15分までだった。

さあ、セレッソの攻撃だ。乾、清武、ピンパォン、そして小松が相手守備を引っ掻き回すので、後ろから上がってくる選手に対するマークは緩い。高橋が、丸橋が、果敢にシュートを放つ、Cheng Yangは雨で濡れたボールを冷静に処理する能力に欠けていて、とにかく弾きだすのが手一杯だった。それもどこに弾くかはボール任せ。山東の出鼻をくじいたピンパォンのゴールにしても、ピンパォンのミドルを弾き、丸橋の第2波にやっとのことで反応した挙句に、ゴール前をがら空きにしたものだ。これで山東はアウェー、残り50分間で2得点をとらなければいけなくなった。


後半、前線の選手を増やした山東の選択は、自らをより苦しい立場に立たせた。守備、中盤が劣勢であるにもかかわらず、ボールがこないFWの人数を増やしたのだから、ボールポゼッションも、攻撃の質も、完全にセレッソ優位。後半1分、小松との素晴らしい連携と個人技が生きた清武のゴールで山東のモチベーションを完全に破壊した。白と青のアウェイユニフォームを着た選手に残っている仕事といえば、自尊心を保つために暴言を吐き、セレッソのプレイヤー達に悪質なタックルをしながら、この屈辱を受け入れる準備をするくらい。ボールではなく、中後、ボギョンらの足首に向かってスパイクの歯を向けたYongpo Wangは帰国後にルールブックを読み返せばいい、もう今年のACLは終わったのだから、そのための時間はたっぷりあるだろう。

ラフプレーへの報復は、クリーンなゴールで。乾がらしからぬ泥臭いゴールが決まり3-0になると、Peng Cuiが2枚目のイエローで退場。もう試合は試合としての体を崩し始めていた。

それでも手綱を緩めないレヴィーは、機能不全の山東中盤を制圧するため、お役御免となったピンパォン、小松を下げ永井、倉田を投入、4-2-3-1にシフト。

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後半29分


こういう日は何をしてもうまくいく。倉田が強引に突破からそのままゴールを決め、4-0。アウェーアレマ戦の4-0も意味深いものだが、それぞれが役割を果たしたこの4-0もこれから続くACLやリーグ戦に向けて収穫の多いものだ。小松や永井のように動きまわる選手を前線に入れて守備の間隔を押し広げれば、乾、清武、そしてピンパォンがイキイキとプレーし始める。ボランチも前がこれだけ動いてくれればパスコースが複数生まれ、球離れがよくなる。今年の形はこれで決まりだろう。

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後半31分、負傷した中後→山口。大事をとってのもの


クラブ歴史上初のACLで、これまた初のグループリーグ突破。これはチームにとっていい流れだ。ラウンド16にカード累積で茂庭が出られないのは痛いが、それをどうこう考えられる我々は、今までより遥かに幸せな悩みを抱えているのだと自覚しよう。これからは何もかもがクラブ初になる、歴史に名を刻みたい選手達は今のうちにツメを、キバを研いでおくことだ。

5/10/2011

The destiny of our empire depends upon this action. You are all expected to do your utmost.

Z旗は、日露戦争中、ロシアバルチック艦隊と大日本帝国海軍連合艦隊が激突した日本海海戦の際、連合艦隊旗艦三笠に掲げられたことで知られている。実はZ旗の他にもA旗からY旗まで、各アルファベットの名がつけられた信号機があって、本来の意味は「ここで作業をしているので注意されたい」などというものばかりだ(Z旗も本来は「私は引き船(タグボート)がほしい。私は投網中である」などという意味)

"Z"がアルファベットの最後であるからと「退路はない、奮励せよ」という意味で使ったのは、英国の伝説的英雄ネルソン提督が最初らしい。時に1805年、場所はトラファルガー沖。彼は自らの命と引換えにフランス艦隊を駆逐し、ブリテン島を守った。対馬沖に地球を半周してやって来たバルチックフリートを見据えた時、その圧倒的な戦力差を感じながら、なお不敗の決意を示すために、俺達の先祖は三笠艦上にZ旗を掲げた。イギリス流の海軍編成を行っていた日本海軍らしいといえば、らしい話だ。

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俺は軍隊も戦争も好きではないけれど、人には、国には、そしてチームには、負けられない、避けられもしない壁が時々やって来てその力を試される瞬間がある。明日はセレッソにとって、まさにZ旗を掲げるべき一日になるのだろう。


今度こそ今度こそと言いながら、俺達は何度敗れ去ってきただろう。

次がある次があると言って、何度栄冠を逃してきただろう。

明日こそが、その「今度」なのだ。

明日こそが、その「次」なのだ。


旗を振ろう、俺達の色に染めぬいた旗を。そして勝とう、掴み取ろう。
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The destiny of our empire depends upon this action. You are all expected to do your utmost.

皇国の興廃此一戦に在り、各員最上の努力をなさんことを期待せらる


5/09/2011

仙台戦日記。みんな仲間。

昨日は試合の前後もすごく濃密で、何かいろんなモノを得ることができたかなと、それがすごくありがたいと感じていますよ。

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キッズ向けに全席100円!って効果は確かにありましたな。子どもがたくさんいて、この子たちの何人かがサポーターになったり、選手を目指したり、サッカーを愛したりしてくれれば、大阪だって変われるはずと実感。球団のスタッフさんは大変そうでしたけれど、子供の相手をしていると自然と顔が柔和になってしまうのね。

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宮城復興支援のTシャツを着てインタビューに応える宮城出身の丹野。贔屓目かもしれないけれど、このひと月の間に目が変わったというか、以前に増していい男になったなって思う。宮崎の時は黒木が頑張ってくれたし、そういう気持ちを持ってくれる選手ばかりなのは、サポーターとして誇りに思えるところ。

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宮城県からは名産品の萩の月やまころん、カレーなどの販売ブースが来ていました。レトルト食品類は秒殺だったとか。

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早めの晩ご飯はHOLE'D BAGUETTEさんのミックスピザ。正直冷凍物なんだけれど、子供とか仲間同士でサーブできるからこれはそれなりに重宝するな。箱もしっかりしたものをもらえるのでこれも便利。

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今季キンチョウスタジアム初のナイトゲーム。やっぱり色温度が低いのか写真が赤っぽくなってしまう…。ゴメンちゃい。

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試合後は両チームエール交換。こういうの恥ずかしがらずにできるのもセレッソが好きな理由だよ。

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長居の街に繰り出して酒宴。仙台サポのもいっさんと何故かガンバサポの和尚さんまで合流して牛タンをつっつきまくった。

酒が入ってたからみんないい感じで話ができた。仙台はいつまでこのテンションで行くんだろうとか…。

きっと仙台サポが「いい加減俺ら平気だぜ」って感じだしたら、いつものケンカ仲間「仲良くケンカしな」状態にしたほうがいいよなって結論でした。いつまでも「大変だね」「頑張ってね」って言われるのも負担になるよと。


あとガンバサポの和尚さんが
「好きなチームが違うだけで、サッカー好きはみなイイヤツだと思ってるよ」
って何の迷いもなく言ったのが妙に頭にこびりついている。俺も同意。

チームを愛しているがゆえのやんちゃも確かにあって、お互い好きなチームの為にいいことも悪いこともやってしまうし、それがサポ同士の軋轢になったりというのもあるし、それは無くしていかなきゃいけないだろう。ただ目の前にいるサポーターに関しては、心を開いて話がしたいし、そういう事が自然にできたら、悪いことなんてできなくなると信じてる。仲が悪い程、お互いを近づける方がいいかもね。

こうしてサッカーを肴にいろんなことが話しできる、いろんな街の人と繋がり合えるだけで、もうサッカーが好きでよかったって思える。ありがとうセレッソ、次は勝つぞ仙台、俺を府知事にしてくれたら専スタ作ったるよガンバ!いやホントに…。

お休みすみすみ。

えー、ダイエットの結果スーツがブカブカブーになりまして、これはいかんと思っていたところでM2PLANT西宮店さんにオーダーに行ってきました。
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俺の家からなら緑橋店が自転車10分で一番近いんですが、キンチョウスタジアムのブースでお馴染み杉本さんは西宮店勤務なので、西宮店でしか作りたくないのです…。

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採寸の結果、ウエストが36センチちっこくなっていました。杉本さん驚きすぎ(笑 と思いましたが、それをきっかけにセレッソの選手の体格の話ができました。選手の採寸をしているのも杉本さんなんですよね。
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サッカー選手は上半身は割とスリムなんですが、商売道具の足に関してはマッチョで、いろいろと大変らしいです。モニなんかはやはり太ももがすごいそうで…。若手で成長しているのは永井くんとのこと。見た目でもわかるんですが、やはりしっかり数字に残していると実感わきますよね。

採寸してからは、家内とデートっていうか、食べ歩き。M2PLANTさん近くのケーキショップでは母の日限定のケーキがありました。
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夕食は梅田のLawry’s The Prime Rib,Osakaさんに。ええ、だいぶ頑張りましたとも。
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親父譲りでこういうフォーマルなお店は苦手かもしれない…。でもローストビーフは思っていたよりずっと美味しかったな。さすがバルバッコアの系列店だけあってお肉はいいものを使っていますね。霜降りのお肉もおいしいけれど、最近は旨みのある赤身肉も好きだな。西洋わさびをつけて食べるのですごくさっぱりしているし。
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店員さんも気さくでいいですね。社員教育がしっかりできてるのか、勉強勉強。

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店員さんに結婚記念日のこと話ししたら突然歌を歌ってもらいながらケーキ登場~。恥ずかしいやら嬉しいやら。家内今日2個目のケーキですが、特別な味がしました。

GWはずっと仕事でなかなかオフできなかったんですが、最終日をいい形で終えられてよかった。今日は確実に魂が解脱しているだろうけれど、これだけ楽しんだらいいでしょう。

5/08/2011

2011 J1 第10節 C大阪1vs1仙台 負けたくないチームは負けない。

前半30分 太田 吉彰(仙台)
後半45分+4 小松 塁(C大阪)


負けなかった、それだけがよかった。仙台の選手は試合が終わった瞬間精も根も尽きはてて、みなピッチにへたりこんでいたけれど、セレッソの選手は殆どが立ったまま、淡々と試合後の審判との握手やスタンドへの挨拶に来ていた。すべての試合でぶっ壊れてしまうまで頑張れとは言わないけれど、精一杯向かってくる相手を倒すためには、やはりこちらも精一杯でなければ無理なんじゃないだろうか?仙台戦にかけるセレッソの意気込みがその程度だったとするならば、それは仙台に対しても失礼ではないだろうか?そんな考えが、頭の中をグルグル回っている。
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宮城県を応援するTシャツを来て入場



スタメンとベンチ、上本が帰ってきたと思えば藤本が怪我。ボギョンが3シャドーの位置に入って、倉田はベンチスタート。ピッチ上だけ見ればベストに近いメンバーが組めたが、層の薄さが気になる。

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序盤、セレッソは中盤では優位に立っていた。パスもそれなりに回せていたし、危なっかしいところも比較的少なかった。ただシュートの意識が低く、ゴールを脅かせなかった。仙台もバイタルエリアはがっちり固めていたし、マルチネスがボールを持った時はどんなに後ろであっても必ずプレッシャーをかけていたので、このあたりは計算通りにやられていたのかも知れない。奪われると前の関口、梁、太田あたりがしっかりボールを保持するので守備陣は煩わしい仕事に奔走することになった。
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ヨンギは敵にすると、本当に厄介


ただセレッソサポーターとすれば、時折チームから見られる気の緩みのようなものには腹立たしい感覚を持った。ボール際の激しさは比べようが無く、インドネシアから強行軍であったとしても、もう少し何かできたのではと思う。

特に不調だったのは、一番しっかりしてほしい乾だった。いつもは何気なくできているはずのトラップさえ失敗してしまうので、ボールを収めてほしいところで奪われ、カウンターになるところが何度も。また中後は新潟戦と同様に、ふっと気が抜けてプレーが止まってしまう。ボランチというポジションが仕事を止めてしまえばどういうことになるか…。

失点を食らった場面でも「ここさえしっかりしていれば」というポイントを二つ三つ突破されている。セルフジャッジでプレーが止まり、中に簡単に折り返され、気持ちを立て直す前にゴールを決められていたのだから、辛い。前半は本当に褒められる要素が1つもない、欲求不満になる45分間だった。
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清武は波のないプレーで奮闘してくれたが…


レヴィーも同じく不満であったようで、後半アタマからカードを切った。中後に代えて倉田。ボギョンを1列下げて攻撃的な色合いを強く出す。

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後半開始時


それでも「笛吹けど踊らず」が今のセレッソで、乾がポスト直撃のミドルを放った以外はまるでいいところがない。ガチガチに守られたところにボールを持って突っ込んでいって、どれだけ成功するのか。カウンターは茂庭とキム・ジンヒョンが何とか防いでくれていたけれど、あれでは守る人間は浮かばれない。キム・ボギョンのボランチもイマイチ機能せず、倉田も空回りが目立った。チームの歯車が噛み合わないまま、時間だけが過ぎていった。


大鉈が振るわれたのは後半26分。チームの柱であるピンパォン、乾のラインをゴッソリ摘出する。フィジカルに長けた永井と小松を入れて、4-2-2-2にシフトチェンジ。長いボールを放りこんで、僅かの可能性にかける。
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ここまで来ると両軍疲労の色濃く、クリエイティブなプレーだとか、チームとしての連携なんかよりも、勝ちたいという欲求や、一つのボールを追う気迫のようなモノが大事になってくる。そして残念ながら、今の仙台にはそうした精神的なタフネスがあり、セレッソには無かった。
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いいシュートも林が弾く

正直に言えば、この試合は負け戦だった、勝ち点を拾えたのは幸運以外の何物でもない。もちろんチームはその幸運を呼び込むための努力をしたけれど、そんなものに賭ける前にするべき所作を省いていた。言うならテストの前日だけ一夜漬けの勉強をして、運良くテストにその箇所が出て、それで欠点をまぬがれたようなものだ。キンチョウスタジアムにいる神様が、ほんの少しいたずらをしてくれただけだと考えたほうがいい。小松、永井といったベンチスタートが続いている選手の、その鬱憤のようなものが見えたのだけは救いではあるけれど…。
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こんな場当たりが何度も続くはずはない。アウェー浦和戦、選手個々人の意識が変わらなければ、ただカードだけを貰って帰ることになるだろう。ACLなど中二日でやってくる、危機意識がチームに流れていることを願う。

試合の話は

もう少し後です。ゴメンなさい。

5/07/2011

戦の前の腹ごしらえ。

おコメも好きなんですが、パンもなかなかに好きなんですよ。おコメならいい銘柄を買って、いい釜で炊けばそう当たり外れはないんですが、パンは「アチャー」ってのと「おいしい!」ってのの差が激しくて、また同じおいしいでもサックリ系とかしっとりモチモチ系とか、いろいろと傾向があって面白い。長居でお馴染みパリーネさんなんかはモッチリ系で日本人好みの味ですよね。俺の好きな上本町のココロさんの食パンはトーストするとすごくサックリとした歯ざわりです。どっちもおいしい。

一度好きになるとハマるのも性癖でして。最近はおいしいパン屋さんめぐりをしています。今日は仕事ついでに本町のパンデュースさんに行ってみました。
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パン屋さんっていろんなパンがあって楽しい。そのお店オリジナルのパンなんてあると興奮します。写真は野菜のオープンサンド、こういう使い方してるのって初めてだったんで気になったな。

でもとりあえず、初めてのパン屋さんでは食パンを買うことにしています。食パンがまずくて他のがおいしいって、ありえないでしょ?蕎麦屋さんならもりそば、パン屋さんなら角食か山食を買ってみます。

ここはモッチリ系で、トーストしてもしっとりとしている感じでした。耳を食べると小麦の香りと旨みがじんわりきます、いい感じ。

早速この食パンを使ってBLTサンドを作ってもらいました。ベーコンも張りこんで日本ハムの桜燻し厚切りベーコン、日本ハムの商品で、桜の名前が入っていて、使っている塩が田舎である長崎五島列島のモノってんだから買うしかないでしょう!

で、写真撮影。
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こういう写真を夕食後に上げてみんなの食欲中枢を麻痺させるというね(笑 明日は試合なんだし、いいもの食べて、頑張って応援しましょうよ!!

5/05/2011

「生きたお金」を使おうね。

最近毎月某異業種交流会に出入りさせていただいています。

山本さーん!薮本さーん!

などと内輪ネタはさておき…。こういう交流会は当然ですが、参加費が必要です。だいたい5000円前後くらいが平均かな。準備やスペース代、料理代なんか考えるとカツカツだと思います、いや、赤字かもしれない。


ある日その会合で俺の前の席に座った人が、お皿に山ほど料理をのっけて、ビールをガブガブ飲みながら笑ってたんです。
「いやー、5000円もととろうと思うと大変だねぇ」
って。

それは、多分違うなと。

その5000円は、人との繋がりを深めるために、新しい技術や情報を交換するために、新しい商売や取引を発生させるために使う「種」なわけです。だから5000円分飲み食いしたって、ダメです。


世の中には「高い100円」も「安い100万円」もあります。100円だからと支払っても何にもならない時もあるし、100万円だからと尻込みしていたためにその先にあるその何倍もの売り上げや、大切な知識、繋がりを失ったりするのです。


俺は今までカメラを3台、レンズを5本、バッテリーを5つ、フラッシュライトを1つ、カメラバックを1つ買いました。

計算すると全部で54万円使っています。

すごい金額ですが、おかげでいろんな人に「写真を撮って欲しい」「カメラについて話を聞きたい」と言ってもらえるようになりました。仕事でお金になることもたくさんあるし、二度と来ない家族の一瞬一瞬を、切り取ることができました。義弟くん二人の履歴書用に写真を撮って、補正してみたり…。それ考えるとリターンは大きいな。


これは極端な例ですが、緊縮財政をしくあまりに、そういう必要な出費までケチると、本当にダメになってしまう時があります。それをよく、考えてほしいのです。
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あはは、誰に向かってこのエントリ書いてるんだろう…。ねぇ…。

OSAKA CITY 2011.

アレマ戦は、勝ったこともデカイけれど、他にもいろいろとデカイ収穫があったと思うので、今のうちにまとめておく。


その1. 1トップ3シャドーの動きが整理されてきた。

今までずっとピンパォンが孤立していたり、そもそも3シャドーは誰と誰を組み合わせたらいいのか迷っていたりで、今年の形ができていなかった。それがある程度見えてきたのは幸いだ。
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ピンパォンは新潟戦よりもアレマ戦の方がタッチ数も多く、目立っていた。新潟戦の乾のゴールの時から、関係が少しずついい方に変わってきていたんだと思う。

基本は乾とピンパォンが細かくポジションを入れ替わる動き。これを続けることで乾はラインから飛び出せるし、ピンパォンはボールに触って自分のリズムに持ち込むことができる。ボールの出し手(中後やマルチネス、両SB)とすれば二つの効果的な選択肢のどちらかを選べるわけだし、相手守備はこれを同時に塞ぐために4人から6人が動かないといけない。清武や倉田の運動量についてもケアしないといけないし、そうすれば今度はサイドバックのケアが薄くなるし、まあ、いいことづくめだ。

逆に言うとピンパォンと乾が常に動いていないと全てがご破算になるということ。去年のようにアドリアーノさんお願いしますって逃げがきかない。チームとして、コンビとして成立していないと攻撃は成り立たない。アレマ戦の時、ピンパォンがそれを意識していたのならしばらくは大丈夫だけれど、単に焦れて下がっていたのなら怖い。仙台戦はここが生命線になる。


その2. 山口螢の成長

まだ出場時間は短いけれど、控えのボランチとして螢のプレーが安定しだした。今のコンビは中後、マルチネスではあるけれど、倉田、キム・ボギョンなど本職でなかったり、本来はボランチとして計算されていなかったプレーヤーを起用するなどまだ流動的な状態で、去年の丸橋のように、このまま活躍を続ければ定位置奪取までたどり着くことも難しくはない。とりあえずはスタメンの可能性があるACL山東戦に注目したい。


その3. 丸橋の復調
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これも何気に大きい。アレマ戦では後半立ち上がりに試合を決定づける乾のゴール、このゴールを呼び込んだ冷静なクロスを上げている。ここまでポゼッションがうまくいかずに窮屈なプレーばかりだったが、前が安定したことで丸橋にかかる負担が減ったため、本来の攻撃的なプレーが目立つようになってきた。山東戦ではマルチネスが不在、キム・ボギョンも怪我が微妙のため、左足のプレスキックは丸橋がファーストチョイスになる。もちろん機嫌よく、自信を持ってプレーしていた方がいいキックも増えるだろうし、期待している。


チームがチームとして、今年の形を作り始めた。後は、サポート次第。怖いものなしの仙台、グループリーグ突破に死に物狂いの山東と、厳しい相手をキンチョウスタジアムに、長居にむかえることになる。その鼻っ柱をへし折るのは、選手のプレーと、サポーターの意地、声、手拍子しかない。チーム力が五分ならセレッソが勝つ、そういう状態にスタジアムを熱くしておきたい。
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5/04/2011

ACL#5 Arema Indonesia 0vs4 Cerezo Osaka

Hiroshi Kiyotake(Cerezo Osaka) 30'
Rodrigo Pimpao(Cerezo Osaka) 43'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 46'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 60'




ACL予選リーグ6試合の中で、この試合が一番読みにくかった。気候、ピッチコンディション、アウェーのハンデがどれだけあるのか、アレマの実力がどれほどか、全くわからなかった。考えられる中でほぼ最良の結果になったことに関してはホッとしている。今はまだ山東-全北の試合が始まっていないので何とも言えないが、どんな結果になっても、次の試合、ホーム山東戦で勝てば、文句なしでグループリーグ突破が決まる。


スターティングラインナップは新潟戦と変わらず。キム・ボギョンはケガのため、上本は累積警告のためにメンバーから外れている。

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今でこそ余裕を持って語れるが、前半先取点を奪うまでは完全なアレマペースだった。中央をガチガチに固めて、奪ったボールは少ない手数でサイドに流れた前線に。シンプルでさしたる工夫もない攻撃だが、蒸し暑くピッチコンディションの悪いインドネシアでは無駄な体力を使わないカウンター攻撃はそれなりに機能していた。セレッソが手数足数をかけ、人数も使って中央突破を仕掛けていたので、両サイドバックのウラのスペースはガラガラ。さぞやりやすかったろう。

幸いだったのは、アレマのプレーヤーがそれほどの力量を持っていなかったことと、この時点でACLからの敗退が決定していたことだろう。フイニッシュは雑としか言えない程で、きわどいシュートは殆ど無かった。


アレマ攻略の橋頭堡になったのは、乾、ピンパォンのコンビプレーだったと記憶している。ピンパォンがトップの位置からグッと下がってくると、釣瓶の動きで乾がラインの裏に飛び出す。この守備ラインに対するアタックが効果的で、アレマDFラインがJのチームに比べてオフサイドトラップの技術が格段に劣ることがわかった。3シャドーの誰かがウラを突けば、敵は捉えきれない、逆に怖がって下がればピンパォンがボールを持つ時間と空間が生まれる。乾、倉田、清武のラインで先制点を奪えば、流れは完全にセレッソになった。アレマは前4人を捕まえきれずに混乱し続けていた。

セレッソからすれば、得点を決めてほしい、いい気分でプレーしてほしいプレーヤーがしっかりと結果を残したことが大きい。1点目はくすぶっていた清武のうまい抜け出し、2点目は今まで自分の形を作れなかったピンパォンが独特のリズムで飛び出してのゴール、これでチーム全体に鬱積していた重たい空気が霧散した。


後半になって、相手GKがKurnia Meiga HermansyahからAchmad Risky Kurniawan(長居にいたGKだ!)に代わっても、圧倒的優位は変わらず。開始早々35秒で丸橋の突破から乾の力み無いボレーで出鼻を挫き、ラストは足が止まったところを中央突破で再び乾。日本の放送局は得失点差を気にしていたが、いい形、いいイメージをメンバーが共有できたのはそれなりに収穫だった。

レヴィーも同じ思いだったのだろうか。3枚の選手交代カードはすべて守備陣のために切った。
後半16分には時節山東戦出場停止が決まってしまったマルチネスを下げて上り調子の山口を入れ、続けて17分に疲労が心配される茂庭に代わって若手扇原を投入した。

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後半16分


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後半17分


戦意が失われたアレマ相手で扇原はタイトなプレーが殆ど無かったが、実戦経験をこの悪環境の中でつめたことは意味がある。山口螢は世代別代表で海外でのプレー経験があるからか、素直にゲームの流れに溶けこみ、散発的に発生したアレマの攻撃の芽を丁寧に摘み取っていた。攻撃陣も積極的に相手ボールホルダーにチョッカイをかけていたのでパス精度は低く、90分を通してピンチらしいピンチは一度きり、それもGKキム・ジンヒョンが難なく正面で防いだ。

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後半27分


この試合で惜しかったのはマルチネスが食らったカード1枚程度、今年一番、ほぼパーフェクトな試合だった。


さて、これでACLに関しては最終節まで分からなくなった、ホームゲームであることを考えれば山東よりわずかにアドバンテージがあるとも言える。こちらは少し置いておこう。

問題は直近のリーグ戦、ホーム仙台戦だ。間違いなく、今最も当たりたくないチーム。どこがいい、どこが怖いというものではなく、気持ちの勝負で負けてしまうのがそもそもの問題なのだ。それをどう克服すればいいのか?キンチョウスタジアムの不敗神話をここで途切れさせるわけにはいかないのだ。チームとして機能し始めた1トップ3シャドーがどれだけこの勢いを持続できるかがポイントだろう。