4/06/2011

ACL#3 Cerezo Osaka 1vs0 Jeonbuk Motors

Takashi Inui (Cerezo Osaka) 53'


震災後初の国内公式戦を勝利で飾ることができた、日本の代表として、仙台や、鹿島や、水戸のいるJの代表として戦って、不恰好ながらも結果を残せた、それが何より。ホーム長居でだらしない試合はできない。


スターティングラインナップはこちら。マルチネスはケガの影響かメンバーから外れている。ダブルボランチはボギョンと中後。清武が3シャドーの位置に戻り、ベンチでは村田の名前が。

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Start Half


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試合前の黙祷。両チーム喪章をつけてのプレー


一番の注目は中盤だった。ボランチの安定感はどうか、3シャドーのコンビネーションは合うのか。
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ボギョンのフィジカルはボランチでも生きる


結果から言うと、中盤の構成力は今までで一番よかった。セレッソの3シャドーは特殊な役割をになっている。攻撃でのセンスはもちろん、ボランチでカットしたボールを一気に相手陣内まで動かす起点としての働きがなければいけないのだ。倉田、ボギョン、乾だと攻撃的ではあるもののボランチとのマッチチングが悪く、パスの交換が雑だった(もちろんシャドーだけの問題ではなかったけれど)清武、乾、倉田という組み合わせになって、守備から攻撃に切り替わる際、清武、倉田がもらう動き、一段下がって前線に戻る動きを多用したことで、この問題がかなり改善された。ボギョンが体幹の強さを生かした守備でボランチとしての可能性を見せたことも含めて、セレッソにとって価値のある試合になった。
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さりとて相手も韓国Kリーグの強豪であり、前半は細かなパスワークとスピードの前に翻弄されることが複数回あった。相変わらずボールロストの位置が不味く、守備の組織を作る前にフィニッシュまで持って行かれていた。ここを何とかすればJリーグ再開に向けて戦える素地が出来上がるのだけれど、難しいのか?
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セレッソにとって幸運だったのは、全北現代が国内リーグを行ってから大阪に乗り込んできていたこと。やはり地の利はあったし、後半に入ると全北現代のプレーヤー達の足があからさまに止まりはじめた。3シャドーのスピードとパスワークが生きるシチュエーション。


この試合唯一の得点は、前半眠っていたエースの一撃。相手守備を鋭いパスワークで崩して、最後は乾。チャリティーマッチ、代表戦を含めて5試合目で初のゴールは値千金。
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セレッソサポーターならこの後の乾がどのようなプレーをしたかおよそ想像がつくだろう。上手さ、いい意味での軽さ、意外性、驚きのある動きで、攻撃を牽引。今までになかった、心躍る攻撃を演出する。


しかし全北現代もしぶとい。足が止まった後は9番ジョン・ソンフンと元セレッソのロブレクをターゲットにロングボールで守備陣の心身からスタミナを奪っていく。セレッソも集中力を切らせる場面があり、これは反省材料。また韓国、中国のチームはご多分にもれずフィジカル勝負になると露骨に汚いプレーをする。何度も体を削られ、選手が倒れこむ。
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審判も試合をコントロールするのに四苦八苦


この捨て身の攻撃で、少なくとも三度、決定機を作られている。その内の一度はフィールドプレイヤー(高橋?)が決死のブロック、一度はジンヒョンが気迫あふれるビックセーブでゴールラインを割らせず、至近からのヘディングシュートは相手のミスに助けられる。
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試合終盤には時間稼ぎと運動量維持のためにカードを切っていく。小松と村田がピッチ上に。

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89 min


京都とのチャリティーマッチの時にも感じたが、右の攻撃的な位置に入った村田のスピードは特筆すべきものがある。とにかく思い切りが良く、スピードがあるので相手DFが一枚いてもかならず相手陣内深くまでボールを持っていける。このまま成長を続ければ、数年後には背番号8が待っているかとすら思える。ストイックさ、規格外のフィジカル、このまま経験を積んでいけば…。
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90+3min


反省材料もまだたくさんあるが、まず結果がついてきたこと、そして今までの試合から確実に進歩してきたことは評価できる。あと少しで、今年のベストの布陣、タクティクスが完成する。そうすれば、長らくセレッソを覆っていた閉塞感ともさよならだ。

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