10/14/2010

チチチ!レレレ!を聞きながら。

ずっとテレビを観ている。こんなのはセレッソの試合の日くらいだ。2ヶ月以上地下に閉じ込められていた32人のチリ人と1人のボリビア人が、一人ひとり救出されている。他人事のはずなのに、なんでこんなに嬉しいんだろう。下戸だけど週末はチリワインの一つくらい買おうかと思っているほど。


印象的だったのは、地下深くから生還した人々が、皆口々に自国に対する愛情を爆発させていたところ。サッカー好きならおなじみの「チチチ!レレレ!」を叫ぶ姿は、日本という少し変わった国に住んでいる自分にとっては新鮮だった。

日本で同じような事故が起きて、同じように生還したとして、日本人であるその人達は「日本万歳!」とか「ニッポン!」とか、多分、言わない。自分が同じ境遇でも、言わないだろう。そもそもそんな発想が起きない。そういう生き方の人がほとんどのはずだ。

そう言えばアメリカ人は事あるごとに「USA!USA!」とうるさい。中国とフランスは「おらが国が一番」と言って譲らない。お隣さんも「ウリナラマンセ」という言葉が国歌に織り込まれている。それが普通なんだろうか?日本に住み、日本で教育をうけていると、どうもそういうのに違和感を感じたりする。


サッカーなら、素直に「おらがチームがいとおしい」と言える。セレッソが大好きだし、どんなヨーロッパのビッククラブのチケットよりセレッソのチケットの方が欲しいと言い切れるし、セレッソやサッカーを悪く言われると腹が立つ。

ひょっとして、どっちかというとこういう素直な表現のほうが当たり前なのかも知れない。日本に対する感情は22年間受けてきた「教育」という、強烈なバイアスがかかっているが、サッカーや自分のクラブに対する愛着は誰にも教育されていない、自分で選んだ行動の結果だから。


それを思うと自分や他の多くの日本人が、何かの時に「日本!」と言えないのは、少し寂しい。自分の住んでいる国が愛せないって、ちょっと切ない。
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