7/16/2010

J1 第11節 広島0VS5C大阪 ユリカゴユラセ。

後半9分 家長 昭博(C大阪)
後半29分 オウンゴ-ル
後半34分 アマラウ(C大阪)
後半38分 高橋 大輔(C大阪)
後半40分 播戸 竜二(C大阪)



冷静に観れば拮抗した試合。スコアはあくまで結果であって、経過は非常にデリケートなものだった。サポーター目線で言えば、少なくとも後半30分ごろまでは安心など全くできなかった。一日経った今でも夢のようだ。


スタメンとベンチ。4-2-3-1。1トップにはアドリアーノが戻ってきた。2列目にも清武が復帰。ナビスコ杯予選リーグでチャンスを掴んだ丸橋が左サイドバックとしてスタメン出場している。

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試合開始時


前半は久しぶりの公式戦ということもあってかお互い様子見をしていたように覚えている。ただし両チームともにスタイルは以前と変わっていない。広島は佐藤寿人が動き回り、それに合わせて両サイドが展開、ピッチをワイドに使って相手を動かす。不慣れな丸橋を狙ってか左サイドで仕掛けられる機会が多かった。対するセレッソは前4枚が短いパス交換とドリブルで突っかかっていく。アドリアーノ、清武が怪我明けでありながら元気にピッチを駆けていることにまず安心。ただし個々人のクオリティ、選手間の連携に関してはまだまだ練磨の余地がある。前半28分にあった2列目のパス交換から乾のシュートのようなシーンがもっと増えてもいい。

守備に関してはアマラウ、羽田、上本、茂庭のブロックが相当に機能していて、流れの中でのピンチは数えるほど(佐藤寿人の飛び出しには肝を冷やしたが)前半12分の槙野のFKがポストに当たったところ、これが最も失点に近い場面だった。

それ以外に印象的だったのは、セレッソの攻撃陣が多少距離があっても盛んにシュートをしていたということ。グラウンダーのシュートばかりだったのはスリッピーなピッチを考慮しての策だったのだろう。これが後々ボディブローのように効いてきた。試合後のスタッツではシュート数は広島10に対してセレッソが22。


そしてセレッソにとって(結果的に)幸運だったのは、審判がカードで試合をコントロールしていたということ。前半だけで両軍に4枚のイエローカードが出され、広島の2列目、高萩はハーフタイム直前に退場を宣告された。乾の異議申し立てや高萩の2枚のカードのどちらかはナーバスなジャッジではなかったか。こういうジャッジは試合の面白みと監督の寿命を縮めてしまうだけで、何も面白くはないのだけれど。


広島は11人のプレーヤーが各々の役割をしっかり果たした時に初めて機能する。その広島にとって1つピースが欠けたということは、他のチーム以上のダメージなのだろう。しかし負けは許されないホームゲーム、ペトロヴィッチ監督にとっては難しい舵取りになった。後半から守備的なシステムを組みなおしたものの、先制されてからは2トップに切り替えるなど迷いも見られた。

そう、その先制ゴールは、この試合でも攻撃の核としてボールをキープし、時間と空間を作り出していた家長の左足から生まれた。スピードにのったドリブルからコントロールされたグラウンダーのシュート。得意なプレー、意図していたプレーから生まれた1点は重みがあるものだった。このゴールは生まれたばかりの乾の子に捧げられた。ゆりかごパフォーマンスに笑顔がこぼれる。


その後、レヴィー・クルピは思い切った用兵を行う。アドリアーノ、清武を下げて播戸、小松を投入、4-2-2-2にシステムを変える。怪我明けの二人に対する配慮か、それとも広島のシステムの裏を突く意図があったのか。

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後半28分


この直後に、試合の趨勢を決する一点が生まれる。乾の微妙なボール(シュートだったか、アーリークロスだったのか)を相手MF中島がクリアミスし、オウンゴール。一人退場、2点のビハインド、ここで広島の緊張の糸が切れてしまった。

その後は、やることなすこと全てセレッソに有利に働いた。相手のクリアボールがルーズになったところをアマラウが見逃さずボレーで3点目。

疲れの見えた乾を下げて藤本を入れれば、守備の堅牢さはワンランク上がる。

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後半35分


足が止まればスタミナ自慢の高橋がゴール前に入って、これまた得意のヘッドが決まる。立て続けにカウンターを入れると播戸が見事なループ(テレビではシュート後の播戸の自信無い表情がはっきりわかったので、これを素晴らしいと賞賛すべきなのか迷うところ)でシメ。


何もかもが有利に働けば、一つのあやで試合が決まるサッカーのようなスポーツではこれぐらいの差がつくのだ、それは本当に恐ろしい。開幕戦の大宮との試合同様、これを実力と思ってはいけない。これからまだまだ続くリーグ戦、昨日のように幸運を引き寄せるためには、真摯に実直にプレーし続ける必要がある。

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