5/02/2010

J1 第9節 仙台1VS1C大阪 勿体無い。

後半17分 鎌田 次郎(仙台)
後半29分 アドリアーノ(C大阪)


本当に勿体無い試合をしてしまった。キチンと試合を作れていたなら楽に勝てる流れだった。それをミスでフイにした挙句に失点。セレッソの悪いパターンだ。最悪の結果にならなかったことが救いなのか。


スタメンとベンチ。ダブルボランチの位置にマルチネスが、トップにアドリアーノが復帰、代わって羽田、播戸がベンチスタートとなっている。現時点での「レヴィー・クルピの考える」ベストメンバーが組めた。

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試合開始時


前半はほぼ完璧にセレッソが流れを掴んでいた。マルチネス、家長、香川、乾、ゲームをコントロールできるプレーヤーが複数人いるために仙台はセレッソの攻撃を防ぎきれない。特にマルチネス、家長のプレーが素晴らしい。開始直後、前線5分ごろの家長からアドリアーノへの低く速いクロスは、高さの無いセレッソの攻撃陣のサイドアタックとしては理想形だった(決め切れなかったのが悔やまれるが)前半20分頃の高橋の右からのクロス、同30分頃の尾亦の左からのクロスも同様に低く速いものだったことから、意図的なプレーだったと推測される。このクロスから一つ点が奪えれば、セレッソの攻撃はまた一段と凄味を増すだろう。

マルチネスの組み立てでサイドを広く使えたことから、ゴール前での攻撃も成功率が上がった。乾が一度枠外ながらいいシュートを放っている。

問題があるとするならシュート意識の低さだろう。ポゼッションしている時間は圧倒的で、攻撃のどれもが質の高いものなのに、シュートで終われない。コーナーキックに逃げられたり、相手CBの位置で無駄な動きを一つ加えてしまったり、頭を抱えるような終わり方が非常に多かった。結果としてこれが試合を難しくさせる要因になってしまった。攻めに攻めながら点が奪えず、前半はスコアレス。


後半の序盤もセレッソは意図したプラン通りに試合をコントロールできていた。ビックチャンスもあった。自陣からの素早く精度の高いカウンターで2対2の局面を作り、最後はアドリアーノと仙台キーパー林との1対1。ところがこのチャンスを丁寧に決めようとして、逆に相手DFに阻まれてしまう。このあたりから雲行きが怪しくなってきた。仙台はどんなに押し込まれていても梁のセットプレーという飛び道具がある。逆にセレッソには攻めども攻めども点が奪えない焦りがあったろう。後半17分の仙台のコーナーキック、混戦を作られ最後はCB鎌田に決められた。

これ以降セレッソはその力を急速に失っていく、不用意なボールロストが増え、疲労からか中盤のプレスが効かなくなっていった。弱り目に祟り目、後半20分頃にマルチネスが相手選手との接触で足を痛めてしまい、プレー続行が不可能になってしまう。急遽小松が投入され、家長が代わってボランチの位置に、4-4-2の布陣で局面の打開を図る。

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後半23分


しかしサッカーはどう転ぶかわからない。セレッソが4-2-3-1から4-4-2へとシステムを変更したことで、仙台の守備陣はこの新しいシステムへの応対と順応を迫られ、これが僅かな綻びを生んだ。後半29分、代わった小松と乾が左サイドを侵食し、小松の突破からクロス。これをアドリアーノが泥臭く押し込んで同点に追いつく。2トップの動きに対処が遅れ、アドリアーノが優位な体勢でゴール前に入っていけた。


ここからはお互いガードの薄い打ちあいの様相。セレッソはアマラウ、家長のダブルボランチで守備範囲が狭く、激しさもあまり無い。仙台にしても組織的な守備が組めるほどの体力が残っていない。結果お互いのゴール前が主戦場となる。仙台はフェルナンジーニョを投入するなどして局面打開を図るが、ここは最終ラインが何とか凌ぐ。茂庭、上本のCBコンビはこの試合でも体を張ったプレーで相手の攻撃をブロックしてくれた。上本は接触プレーで二度ピッチに突っ伏したが、それでも立ち上がり、持ち味の粘り強さを見せてくれた。


試合終了直後にはボランチの修正をするため羽田を投入、4-2-3-1にシステムを戻す。

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後半45分


ロスタイムの3分も尽きようかという時間帯では堅実に勝ち点1を取りにいくため藤本を投入し3-6-1(実質5-4-1)へと再度システムを変更。ここ2試合続いていた試合終了間際の失点への配慮も見せた。

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後半45分+3分


最後は何とか最低限の結果を残すことができたセレッソだが、マルチネスの負傷、全体の運動量が落ちた際のボランチの守備力低下、そしてフィニッシュの精度と、様々な問題が浮かんできた。昨年の覇者鹿島相手では今日のようなポゼッションもできないだろう。中3日で迎える大一番、チームコンディションを上げることは可能なのだろうか?

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