3/15/2010

J1 第2節 C大阪1VS1G大阪 すいません意味がわかりません。

後半20分 明神 智和(G大阪)
後半26分 アドリアーノ(C大阪)


明神のミドルを食らった時はもう終わったかと思ったが、アドリアーノがよく頑張ってくれた。乾も最後にはもう一歩というところまでゴールにせまってくれた。その二人を下げる意味があったのかどうか。今は全くわからない。


スタメン、ベンチ紹介。先発は変わらずだが、ベンチは前節から山口と清武が入れ替わり、より攻撃的なメンバーで25回目のダービーをむかえた。

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試合開始時


試合序盤は予想通り、組織力、個々のテクニックに勝るガンバがポゼッションをとり、セレッソはその波状攻撃を受ける形になった。

テレビ観戦ではよく確認できなかったが、ガンバは前線から最終ラインまでが非常にコンパクトで、セレッソの攻撃陣の出足が完全に封じられていた。生命線である香川、乾、マルチネスは自由にボールを持たせてもらえない。たとえ自陣ゴール前であっても、明神、遠藤を中心にした2列目が激しくプレスをかけるので、出すボールの精度、ドリブルのクオリティが落ちて、最終ラインまでたどり着いたとしても簡単にボールをロストしてしまう。DFラインは前節よりロングボールに頼るシーンが減っていて、試合を作ろうという意識が見て取れたが、全体として劣勢を跳ね除けられない点では変わらなかった。

一方守備ではボランチが殆ど効いていないのが目に付いた。対応が後手後手、運動量も少なく、相手のターゲットに容易に楔のパスが通ってしまう。ルーカスは確実に起点となっていたのでこちら側からすれば厄介な存在だった。セレッソはファール、コーナーに逃げるので精一杯で、そうすると今度は強烈なセットプレーを防がないといけない。厳しい時間が続いた。

ただよくやったと言えるのは、この苦しい時間帯を無失点で切り抜けたこと。相手がフィニッシュの形を作りきれなかったとはいえ、よく頑張った。3バックはサイドを突かれながら、最後の最後で踏ん張っていた。茂庭、羽田、上本の3人は守備に関してほぼノーミスと言っていい。1対1の強さに救われた。0-0で折り返せたことで、後半への希望が出てきた。


後半になるとガンバの守備が少しずつ緩慢になってきた。個々では相変わらず厳しい状態だったが、過密日程が災いしたか運動量が落ち始め、選手間のスペースが開き始める。こうなると香川、乾、アドリアーノといったタテの推進力を持った選手の力が生きてくる。流れの中で足下にしっかり納めれば(去年程ではないとしても)いい形が作れるようになる。後半15分頃に香川、乾が引き付けてマルチネスがフリーでシュートを放つシーンがあったが、こういう流れが恣意的ではなく、意図的に作れれば、J1でも十分に勝負が出来るという手応えがあった。

しかし好事魔多し、決めきらなければいけないシーンで決めきれなければ、悪い流れが生まれてくる。後半20分、相手にゴール前まで押し込まれると、ボランチの位置から上がってきた明神にマークがつききれなかった。シュートも抑えのきいた素晴らしいものだったが、欲を言えば松井にはゴール枠外にはじき出してほしかった。


さて、この試合最大の収穫は、このいい時間帯に決めきれず、逆襲で失点をしたという最悪のシチュエーションの中で、それでも勤めて冷静にスタイルを崩さず、相手を攻めきったところだろう。失点から僅か6分後、理想的なカウンターの形を作ると、香川がピッチ中央でボールを受け、そのままフリーになっていた左サイドのアドリアーノへ精度の良いパスを出す。アドリアーノは素早く相手ゴール前まで侵食し中澤と1対1のシチュエーションを作り、これに勝った。セレッソのJ1復帰後初ゴールは、この頼もしい褐色のブラジリアンの左足から生まれた。無くしかけていた自信が、このゴールによって、セレッソに戻ってきた。

その後は押せ押せとは言えないまでも、テクニックで崩しにかかるガンバに対して、スピードとスタミナで相手を引き離すセレッソが互角以上と言える勝負をしていた。奪ってはタテ。速く、強く。昨年、いい時のセレッソを、今年も再現できた。もしアドリアーノが香川、乾を生かすコンビネーションを会得できたなら、この攻撃力はもっと上積みできるはず。


不可解だったのは、この流れの中で、再三好機を作っていた乾、アドリアーノを下げてしまったレヴィー・クルピの采配だ。もちろんガンバサポーターからフルボリュームのブーイングを受けてピッチに現れた播戸、家長の二人の能力に疑いの余地は無い。だが、ようやく動き出した前線のメンツを入れ替える必要があったのかというと、個人的にはNOとしか言えない。

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後半42分


結局この交代でセレッソも選手間のスペースが開いてしまい、両軍散発的なパンチの打ち合いに終始、1-1のタイスコアは動かず、4分間のアディショナルタイムも消化された。大阪ダービー初のドローゲームはフラストレーションのたまるエンディングだった。


セレッソとしてはリーグ屈指の好チームを相手に、場面場面で互角以上の勝負が出来たことは大いに評価できる。修正されるべきポイントも、前節よりは確実に良くなっている。ただしレヴィー・クルピがさらにいくつかの修正、決断をしない限り、今のポジションを脱することは難しいかもしれない。可能性を広げる改革が起こることを期待して、今節をまとめる。

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