6/29/2009

J2 第24節 水戸2VS3C大阪 六月の薄氷。

前半20分 香川 真司(C大阪)
前半39分 オウンゴ-ル(水戸)
後半18分 乾 貴士(C大阪)
後半19分 香川 真司(C大阪)

後半41分 大和田 真史(水戸)


サッカーは人間がするスポーツだ。そして人間は失敗をする時がある。そうすると自信を無くし、萎縮し、プレーの質を落とす。今日は一人のプレーヤーのたった1つのミスが試合を大きく動かした。


スタメンとリザーブはカイオを除いたベストメンバー。

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試合開始時


前半立ち上がりから30分までのセレッソは、それはもうやりたい放題だった。マルチネス、酒本、石神の両サイドがフリーに近い状態で、そこを起点に自由に攻撃を組み立てられた。2シャドーにはマークがついていたが、彼らに入るボールの質が高い為に攻撃に勢いがあった。チャンスは数多くあったが、一番難しい香川の突破が成功、先制点を挙げる。そこまでの流れだけを見れば、セレッソがこれ程苦戦をするとは誰も思わなかったろう。


きっかけは、一本の、何気ないパスミスからだった。前田がフィードボールを不用意に送り、水戸の選手にさらわれてしまう。5秒も経たないうちにキム・ジンヒョンは水戸FW吉原との1対1を防がねばならなくなっていた。このプレーを境に攻守が一気に逆転する。水戸が果敢なパスカットを試みるようになり、これがことごとく成功する。鋭いカウンターも幾度かあった。セレッソの選手は足が止まり、チャレンジするプレーが激減し、受身にまわるのみ。

こうなるとセレッソの守備は脆い。左サイドからのクロスをまたしても前田が処理ミス。同点となるオウンゴールを献上してしまう。これが水戸ホーリーホックの通産400ゴール目というのは何とも皮肉だ。ただ前半をこの1対1で終えられたのは幸運だった。ハーフタイムのレヴィー・クルピがどれ程カミナリを落としたのか興味がある。


激が功を奏したか、後半の立ち上がりには五分五分程まで流れを戻すことが出来た。そしてそこまで来ればセレッソには優秀な二人のフィニッシャーがいる。水戸の一瞬の隙を逃さず乾が、そして落胆する間も与えず香川が、立て続けにゴールを奪う。


普通なら、普通のチームなら、ここで「勝負アリ」のはずなのだが、今日のセレッソには安定感が無く、今日の水戸にはファイティングスピリッツがあった。それはベテラン西澤が投入されても変わらなかった。

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後半70分


試合はセレッソが支配している。シュートも数多く撃った。にも関わらず水戸の数少ない攻撃の一つ一つが守備陣にダメージを与えていく。特に酒本が疲弊し、前田が自信を失ってしまった右サイドは不安定極まりなかった。水戸2点目となった大和田のゴールではキム・ジンヒョンが判断ミスをし、前田は完全にボールウォッチャーとなっていた。

たまらずレヴィー・クルピが動く、酒本に代え、守備に長ける平島を投入。

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後半37分


ロスタイム前には滅多に切らない3枚目のカードを切って江添を入れた。

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後半44分


こうしてヒヤヒヤものの勝利をようやっと手に入れたセレッソだが、失ったものも多い。前田のプレーに自信と堅実さが戻るのはいつになるのか(否定する人もいるかもしれないが彼は昇格に欠かせないプレーヤーだ)。もう一つ、不用意なイエローを「ブラジルと日本の差」として目をつぶるのも止めた方がいい。マルチネス、チアゴはあまりにも軽率なカードを貰った。これでマルチネスは大一番の仙台戦に出場できない。

ヒーローインタビューを受けている香川があまりさえない様子だったのも当然だ。7月前半はタフな戦いになるだろう。首位の座を奪還したとはいえ、楽観視は決して出来ない。

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