12/07/2008

J2 第45節 C大阪2VS1愛媛 心技体

後半5分 江後 賢一(愛媛)
後半18分 酒本 憲幸(C大阪)
後半19分 カイオ(C大阪)



 「心技体」、森島の座右の銘だ。何事を成すにも、この三つの要素、そのどれか一つでも欠けてはいけない。それを嫌というほど教えられた最終戦になった。

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 スタメンは今のセレッソのベストメンバー。リザーブも相澤、江添、柳沢、古橋、そして森島と、豪華な顔ぶれ。

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 ところがいざ蓋を開けると重圧を背負ってしまったセレッソイレブンの動きが硬い。パスはとにかく足元ばかりだし、フリーランも皆無、そして一歩目の出足が遅い為に愛媛の激しいプレスにてこずることになる。最終ラインのパス回しにもキッチリFW二人がプレッシャーをかけるので、落ち着く場所が無い。そうなってくると精神的な余裕が無くなり、パスミス、無理なドリブルでのボールロストが頻発した。平常心を保っていられたのは、羽田、香川、カイオくらいか。

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 対するセレッソは香川、カイオ、乾を軸にしたショートカウンターに活路を見出す。カイオは献身的な守備で相手DFラインのミスを狙い、攻撃の基点となって活躍した。香川は自慢のドリブルでスペースへと駆け込み、少なくとも3度ゴールを脅かしている。普通の出来ならそのうち一度は決められていたろう。

 それを阻んだのはセレッソでのキャリアが長く、恐らくこの試合に特別な想いを持って臨んだであろう愛媛GK多田だった。

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 この試合の多田は気合みなぎった様子で、とにかく当たっていた。足元を狙えば弾かれる、上を突けば手が伸びる、ポストにも随分嫌われた。少なからずあった絶好機を逃し、セレッソは嫌な形で前半を終えた。


 それが後半にひびく。立ち上がり愛媛に一方的に攻め込まれる。クリアしてもクリアしてもセカンドボールを拾われ、ついに先制を許してしまった。普段のセレッソなら「ああ、またか」を下を向くような展開、それでもスタジアムの空気は前を向いていた。それが早い時間帯での同点劇、そして僅か1分後の逆転弾へとつながったというのは、あまりに美化しすぎているだろうか。ただあの日あの時あの場所にいた人間として、あの時間「何か」を感じていたのは偽りの無いところだ。


 来期への課題というところで言えば、この後の時間の使い方があるだろう。一気呵成に攻めるでもなく、組織的に守りにはいるでもなく、ただ緩慢な守備に終始してしまった。愛媛の矢継ぎ早の交代で混乱していた様子もあったし、前3枚以外の中盤も下がりすぎていて、バイタルエリアの守備はガタガタだった。あわや同点ゴールかという混戦は最後尾まで下がっていたジェルマーノの必死のクリアに救われた。


 残り時間5分となったところで、セレッソはようやく一枚目のカードを切る。ただし、古橋。少しから回り気味だった乾が退く。

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 もうこうなってくると森島のラストプレーを観に来た観衆の興味は「森島がプレーするのか、どうか」に集まっていた。ただしこの時点で仙台のリードもセレッソのリードも1点、何が起きるか判らない状況だった。レヴィークルピとすれば難しいところだったはずだ。時計の針はもう45分を指していた、ロスタイムは4分。そのギリギリのタイミングで森島の花道が用意された。

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 ところで森島が登場したこの89分という時間帯、実はもうロスタイムはとうに過ぎていた。今日の主審、鍋島にすればその前のセレッソ側コーナーキックの時点でタイムアップの笛を吹けたはずだが、その後もプレーを続けさせ、森島がボールを触ったのを見届けてから笛を吹いた。私はこれを主審鍋島の「粋」ととらえたのだが、どうだろうか。

 兎にも角にも、今年が終わった。またしても届かなかったJ1への復帰。来期こそ成し遂げよう、新しい背番号8とともに。

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