9/21/2008

J2第36節 C大阪2VS2山形 チャンスがピンチに。

前半21分 香川 真司(C大阪)
前半32分 豊田 陽平(山形)
前半44分 豊田 陽平(山形)
後半18分 ジェルマーノ(C大阪)


 試合後、レヴィークルピはずっと、30分くらいベンチに座っていた。その無念は痛いほど判る。相手は10人だった、リードを奪うチャンスもあった、しかしその願いは叶わなかった。

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 スタメンは怪我のアレーに代わってボランチに青山、左SBは完全に怪我が癒えていない平島に代わって今期初先発のジウトン、トッブは前節と同じく古橋とカイオ。

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 序盤は本当に静かな立ち上がりで、どちらかと言うとセレッソ寄りだった。相手のボランチが急造ということもあってか、バイタルエリアからの中央突破が時々決まる。サイドにもいい塩梅にボールがふれているので、時間と共にセレッソの有利がより強くなった。乾と香川が絡むと好機が生まれる可能性が上がる。

 初出場のジウトンだが、どうも攻撃が好きなプレーヤーのようで、よく上がる。ただしそこからの輝きがまだ小さい。クロスが正確というわけではないし、ワンプレーで相手を抜くというシーンも少なかった。守備では少し中に絞る傾向があるが、そもそも左サイドハーフということであまり期待しないほうがいいようだ。連携がもう少し取れればいいのだけれど。

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 それでもこの押せ押せムードの中で、上手く先制点が奪えた。やはり香川絡みのワンツーからの中央突破。この日一度ビックチャンスを潰していた香川が今度は冷静に決める。

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 ただし堂々中央を切り裂けたのはここまで、前半25分くらいから山形の守備が俄然輝きだす。とにかく硬い。セレッソの攻撃のアイディアの、その一つ一つがはじき出されてしまう。主導権は徐々に山形に。

 その中で強烈な存在感を放ったのが"トヨグバ"こと山形FW豊田だった。同点ゴールを呼び込んだセレッソ左サイドからのクロスを、決して万全の体勢でない状態からゴール隅に叩き込んでみせた。


 同点に追いつかれるとセレッソは明らかに動揺していた。全体が後手後手にまわる。豊田と長谷川という高く強いFWに苦戦する。攻め手になっても宮本がいやらしいDFで攻撃の芽を摘み取っていく。逆に守備ではジェルマーノ、青山、前田、江添というブロックが機能しない。

 逆転を許したシーンにしても守備のメンバーの意思がボールに寄り過ぎていて、逆サイドの豊田をフリーにしてしまった。相澤が弾いたボールが彼の前に来てしまったのは不運だったが、彼の前に誰かがいればその不運を嘆かずに済んだかもしれない。奪われたのが前半のロスタイムというのも最悪だった。


 後半になってもセレッソは前半の流れを引きずっていた。カイオ、古橋の2トップにも精彩が見られなくなっていく。守備は多少ましになっていたが、それでも危なっかしい。ついにはエース古橋の途中交代という事態に。

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 ここでセレッソを救ったのは審判の微妙な判定だった。コーナーキックの競り合いで山形DF小原がカイオを引き倒しPKの判定。確かにファウルはファウルなのだが、あの程度でファウルならセレッソにもう一度くらいPKがあったように思う。そのくらいの微妙さだった。さらにこのプレーで小原は2枚目のイエロー、退場となる。

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 PKキッカーは勿論ジェルマーノ。ウラをかいて素直に蹴りこんだのは冷静だった。

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 不可解なジャッジであったけれど、これでセレッソは俄然有利になった。ただし山形もこれで守備を硬くしてワンチャンスにかけるというビジョンが明確になった。これが上位と下位の立場の差なのかもしれない。

 山形の小林監督も相変わらずの老獪さを発揮してこの窮地をパッチしていく。まず欠けた4バックに園田を加え守備組織を再建する。チェイシングで限界が来た豊田が足をツルと、代わって入ったのは中盤の宮崎。失点しない選択肢を模索する。

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 レヴィークルピの仕事はこの守備組織を打ち砕くこと。まず動きに精彩を欠き、試合に絡めずにいた青山に代わって羽田を入れ、後ろの憂いを絶つ。羽田は堅実なプレーでそれに応えた。

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 矢継ぎ早にカイオから柿谷、中盤でのパスワークの質を上げたかったのか。

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 対する山形はリチェーリを投入、4-4-1の変則シフトでカウンター狙いに徹する。


 お互いが全てのカードを切った、後は選手が結果を残すのみ。リチェーリへのボールは質が悪く、前田と江添が何とか防ぐが、攻撃では打開策が見つからない。パスワーク、繋ぐサッカーに固執したのが凶と出たか。後半終了間際に生まれた小松の突破からのシュート、こぼれ球に香川という絶好機も相手GK清水に防がれてしまった。ロスタイム4分も生かせず、ドローでタイムアップ。


 山形との勝ち点差は縮まらず、順位も一つ落とした。次節以降も福岡、広島と嫌な相手が続く。それでも戦わなければならない。可能性がゼロになるか、何かを掴み取るまで。

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