8/18/2008

J2第31節 C大阪2VS1水戸 夜明け。

前半13分 乾 貴士(C大阪)
前半17分 小松 塁(C大阪)

後半9分 赤星 貴文(水戸)

 この世の中に永遠なんてものは無い。地獄の底を這い回るのは、もうごめんだ。ようやっと夜が明けた。

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 今日一番は攻守のバランスが取れていた事、これに尽きる。攻撃では香川が戻り、カイオが小松とコンビを組んだ。守備では1対1に自信を持つ藤本、それに新加入の平島が加わった。

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 藤本と江添のCBコンビは絶対的な高さやスピードは無かったが、それでも水戸攻撃陣を上手く封じた。連携もよく、藤本は前田が戻った時のバックアッパーとして外せない存在になった(もし外してしまうのなら、それは自殺行為だ)以前から少ない出場機会の中でも確実に結果を残してきた藤本をどうにかしてほしいと思う。

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 そして香川の復帰が、チーム全体にエネルギーを与えた。彼が一人いる事で、小松や乾、ジェルマーノ、アレーに対するプレスが緩やかになる。それだけで十分存在価値がある。今日は乾が、頚木を解かれた狼が如く、水戸ゴールを脅かした。

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 前半いい流れが来た所で、乾から小松へとパス交換。以前なら中央を固められていた所だろうが、サイドにも基点がある為、ほんの僅か判断が遅れる。小松がシュートを放ち、ブロックしたこぼれ球にカイオ、強引にシュート体勢を作り、3人のDFを潰した。乾はこれを流し込むだけ。

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 僅か4分後に、再び乾。去年香川がよくやっていた左サイドゴールライン際のドリブルで守備陣を侵食、角度の無いところからのシュートはキーパー本間に弾かれたが、今度は小松が詰めて2点目。実にいい流れの中で先制点、追加点が奪えた。

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 ただこうした一気呵成の攻めが出来たのも、中盤でのキープ力と、最終ラインの安定感あってこそ。それがあるから全体がコンパクトになり、攻撃陣にいいボールが供給できるのだ。前半は時折クロスを入れられるものの、与えた決定機はほぼゼロだったと記憶している(覚えていないだけかもしれないけれど)


 課題が残るとすれば後半戦だ。レヴィークルピは3点目をとろうと檄を飛ばし、選手をピッチに送り込んだ。ところが開始早々の8分、パスミスをさらわれ追撃のゴールが生まれる。2-1になったことで、チームの意識にブレが出たように感じる。守備を固めてカウンターなのか、初志貫徹で攻撃的に行くのか。サッカーの教科書があるのなら、恐らくカウンターが正解のはずだが、残念ながらセレッソはクリエイティブなカウンターを行うシステムを持ち合わせていない。守る時は引き篭もりになるし、攻撃に傾倒すればリスクが生まれる。また今年のセレッソは後半運動量が激しく落ちる。難しい舵取りを要求された。

 ここで有難かったのは平島、カイオ、相澤の存在だ。

 実は失点につながったパスミスは平島のものだったのだが、それ以外のシーンでは彼の守備力、運動量は頼もしいものだった。

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 尾亦と比べると、攻撃に関してはやや劣る面がある。ただこと守備に関しては、いい意味で粘っこく、相手に絡むしつこさがあり、チームに貢献していた。

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 カイオは、少なくとも「大外れ」ではなさそうだ。体躯を生かした前線でのキープ力、足元の強さもさることながら、守備での献身的なフォアチェックと泥臭いプレースタイルがチームを助けた。ゴールが決まれば、もう少し勢いがつくだろう。

 相澤に関しては数試合のブランクを感じさせないプレーぶりだった。一つ決定的なシーンを防いでいる。山本の負傷で手薄になったGK陣の中で、彼の存在は大きい。


 そしてラストには面白い場面があった。守備を固めなければいけない場面で、レヴィークルピが4-3-3を選択したのだ。

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 もし羽田がメンバーに加わっていたなら、青山のところには羽田が入っていたろうが、少なくともレヴィークルピにとって4-3-3が過去の存在となっていなかったというのが興味深い。これから先に待っているどうしても落とせない試合(もう落としてもいい試合など一つも無いのだけれど、とりわけ重要な試合)には、再び4-3-3を使う可能性がある。私個人はサイド攻撃が生き、守備にも安定感があるこのシステムが好きなのだけれど、カイオをどう使うかでも変わってくるだろう、そこは監督の仕事だ。


 もう随分遅れてしまったけれど、ようやっと長いトンネルを抜けたような気がする。順位も混戦ながら一つ上げた。乾がぶち上げた「第3クール全勝」がリップサービスでは無い事を願う。

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