8/10/2008

J2第30節 湘南3VS0C大阪 体を成さず。

前半15分 石原 直樹(湘南)
前半26分 石原 直樹(湘南)
後半35分 カレカ(湘南)


前線が前線としての体を成さず。

二列目が二列目としての体を成さず。

ボランチがボランチとしての体を成さず。

サイドバックがサイドバックとしての体を成さず。

センターバックがセンターバックとしての体を成さず。

キーパーがキーパーとしての体を成さず。

チームがチームとして体を成さず。

何より監督が監督としての体を成さないチームの、

どこに勝つ要素が有るというのか?

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 選手起用はプロの判断が求められる。私らの与り知らない因子があって、このメンバーしか組めないのなら致し方ない。でももしそういったものが無いのなら、セレッソは試合が始まる前に自らの足に枷をはめていたのと同じだ。ここ何試合か、ずっと以前から続いているボランチの位置でのバランスの悪さ、そこに何の策も講じていない時点で、試合を投げているようにさえ映る。


 試合が始まると予想通りの展開が広がった。攻撃はちぐはぐで孤立が目立ち、守備に入るタイミングは遅く、DFは中盤から加速して入ってくる相手選手のマークに四苦八苦といった風だ。得点の匂いなんてものはまるで香ってこない。どっちかというと生ゴミの中という感じだ。


 1失点目は実に綺麗にやられた。また加藤が絡んでいる。中に絞らされて、サイドのスペースを使われて、マークがずれて、ドン。試合らしかったのはこの辺りくらいまで?

 2失点目はチームの連携ミス。救いがあるとすればお見合いではなくオレがオレがという姿勢の中で連携できなかったところか。


 第1クールでの湘南戦では、セレッソは実に謙虚だった。怯えていたわけではない。勝つ為に何が必要なのか、どうすればいいのかを真摯に考え、答えを導き出し、それを貫徹しようとチームをまとめたのだ。そうして素晴らしい勝利を手に入れた。

 だが今のセレッソにその真摯さが感じられない。勝つ為の策を講じず、自らのスタイルに固執し、攻略マニュアルさえあればどこでも勝ててしまうようなチーム状態にあってもそれを変えようとしない。これを傲慢と言わず何と言う。

 選手も悪い流れの中でもがいている。何とかしようという気持ちは買う。しかし結果がカードだけというのは寂しいものだ。前半だけで4枚のイエロー。後半にはキャプテンの前田が4枚目を食らった。アレーも神経質になり全く余計なカードを貰う。誰か彼を止められなかったのか?


 好事魔多しと言うが、泣きっ面に蜂というのもある。後半立ち上がりで尾亦がまた足を痛めてしまった。キャンプで何をしていたのか…。

 少し腹立たしいのは尾亦の負傷交代がセレッソの最初の交代だったということだ。2点ビハインドでそれを是としているのならどうかしている。

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 初見の平島、無難なデビューか。今のチーム状態にあって個々の選手を的確に評価するのは困難を極める。それはトップとしてスタメンをはったカイオにも言える。まだどのポジションが一番生きるところなのか判らない。


 判らないといえば二人目の交代も判らない。江添から柿谷、柿谷はトップ下、アレーが下がって前田と底に入る。ボランチはジェルマーノ一人。

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 ただでさえ手薄な中盤の守備が、これで完全に放棄された。ジェルマーノは一人になってもガンガン上がっていって止まらない。柿谷は柿谷なりにトップ下として頑張っていたように観えたが、チームバランスが悪すぎる。既にカードを食らっていた前田を残して江添を下げたのも合点がいかない。


 そして、この試合一番の見せ場がやって来た。カレカがDFラインのギャップを突いてラインの裏に抜け出す、キーパーとは1対1、落ち着いてキックフェイント、体制を崩したキーパーをあざ笑うようにゴールを決める。ただし彼のユニフォームはもう桜色のそれではなく、湘南のブルー。

 カレカを切ったのは正解だった。今でもその考えは変わらない。今のセレッソのシステムの中では使い辛い事この上なかった。彼の力はカウンター時のように大きなスペースが生まれた時に最も発揮される、丁度今日の3失点目のように。だからこの失点を悔やみはしない、ただ神様も皮肉がお好きだものだと思うだけだ。

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 さあ、尻に火がついた。ボヤではない、真っ赤な火だ。放っておけばセレッソは火だるまになるだろう。この火をどう消す?前田の変わりは誰だ?崩壊した守備はどうする?昇格するのだろう?もう何の余裕も無いぞ!

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