4/30/2008

J2第10節 愛媛1VS4C大阪 鱧。

前半20分 横山 拓也(愛媛)
前半24分 小松 塁(C大阪)
前半27分 アレー(C大阪)
前半33分 ジェルマーノ(C大阪)
後半44分 香川 真司(C大阪)



 気の早いスーパーにはもう鱧が並びだした。関西の夏の味覚といえば鱧だ。うなぎのように脂っこくなくて良い。亡くなった祖母の大好物で、夏になると祖父が買いに出かけていたのを思い出す。

 ただこの鱧というやつは一筋縄ではいかないもので、体中に細かい骨がびっしりと並んでいる。いちいち取り除けないので、身に細かい間隔で包丁を入れ「骨切り」をしてやる必要がある。この試合、スコア上は圧勝だったが、鱧の小骨のように細かいミスが沢山出た、課題の残る一戦だった。


 スタメンは前回と変わらず、4バックに3ボランチ。ただし白谷は小松と2トップを組むような格好になり、4-3-1-2という布陣になった。

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 このメンバーで臨むのは2戦目だが、よくフィットしている。個々の役割分担がしっかりしているし、その役割にピッタリのメンバーが配されている。香川のトップ下に負担がかかるかと思ったが、アレー、ジェルマーノがよく上がるうえに白谷も運動量豊富とあって思っていたよりスムースにプレー出来ていた。

 これはいい試合が出来るのではと期待していたのだが、愛媛にいい攻めを食らい、失点してしまった。いい流れでゲームに入りながらの失点は勿体無いとしか言いようが無い。

 だがこれで攻撃陣の目が覚めたようだ。前3人、小松、白谷、香川、それにアレーとジェルマーノの連携がいい。失点直後に高い位置でボールを奪い、そのままの流れで同点弾を決められたのも大きい。これで愛媛がばたつきだした。

 今日トップをはった小松、白谷のコンビはとりわけ良かった。息も合っていて十分合格点の内容だった(後半のチャンスをしっかり決めていれば完璧というくらいの出来)白谷は逆転ゴールのアシスト、3ゴール目のお膳立てをしている。ゴールチャンスもあったが、お楽しみはまた今度にしよう。

 とにかく若いプレーヤー達の活躍で、先制を許してから15分も経たないうちに3-1まで試合を持ってこれた。ここまでは満点の内容だった。問題は後半だ。


 後半、セレッソの運動量は(今までと同じく)激減してしまった。中二日の試合という事を差し引いても、毎度毎度同じ状態になっているのは問題だ。足も止まり、パスも雑になってきた。愛媛がお付き合いしてくれたおかげで、一人元気だった香川が自由に動け、主導権は握ったままだったが、あまりいい傾向ではない。

 フィニッシュも雑で、小松が一度、白谷が少なくとも一度、そして香川が一度絶好機をフイにしている。毎年得失点差に泣かされてきたチームなのだから、こういう機会にしっかりと得点を重ねられるようにならなければいけない。

 スピード感溢れる白谷から、どちらかというと技巧派の柿谷に選手交代したのもタテへの動きの鈍化に拍車をかけた。

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 次のカレカ投入も流れを鈍らせるだけで、ボランチの前からトップの後ろまでのだだっ広いスペースを香川がひたすら往復するだけの展開になってしまった。他のプレーヤーの動きはかなりズブくなっていた。パスミスも、それこそ鱧の骨の数ほど。ロングボールを入れるだけの攻めも散見された。

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 このような展開にあっても、香川は貪欲にプレーしていた。自身もガス欠気味だったが、それでもスペースがあればドリブルを仕掛け、パスで揺さぶり、チームを鼓舞していた。それが後半ロスタイムにようやっと報われた。オフサイドトラップのかけ損ねを逃さず裏に飛び出し、キーパーまでかわして4点目。ロスタイムでの得点が多いのは偶然ではない、こうした小さな努力が他のプレーヤーとの差となって表れているのだ。この起点となったロングパスを放ったのは前節同様守備固めに入った山下。狙っていたなら素晴らしいプレーだ。

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 これで試合数は多いものの3位に浮上できた。勝ってなお課題があるというのは、気を引き締める上では良いのかもしれない。今日の前半のようなポテンシャルを随時出せるようになるのなら、J1という目標もはっきり見えてくるだろう。鱧の旬はまだまだ先、夏にはもっと美味くなる。

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