12/02/2007

C大阪2VS2東京V 意地。

 恐らく「プライド」なんて高尚な言葉ではない。今日の試合を表すには、手垢にまみれた、この古ぼけた日本語が相応しいと思う。出足つまづいても、頑張って駆け回り、反撃する。この泥臭さがたまらないのだ。

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 前節から1週間、アレー、ゼ・カルロスは復帰できなかったが、それ以外は今季のベスト布陣。

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 しかし立ち上がりからペースはヴェルディ。老獪な中盤、タテへの突破力に長けた前線、そして何よりリスクを最小限に抑えるスタイルがセレッソを苦しめた。

 例えばセレッソの場合、守備の最小構成、最後尾につく人数はCB二人とアンカー(アレーや羽田などCBタイプの選手)の3人なのだが、ヴェルディはそれが5人(4人のライン+アンカー)前線の力を信じて攻撃に人数をかけないのでボールを奪っても展開するスペースが無い。シーズン序盤の連敗が懲りたか、それ以後はとにかくこのスタイルを徹底してきたようだ。そのスペースの無い密集地にセレッソが突っかかっていくものだからあっという間に混戦になり、簡単にボールを奪われてしまう。流れの中からのゴールが飯尾の1点だけだったのは、フッキ不在が大きい。もしフッキがいたらと思うとゾッとする。

 ただセレッソも2点をとられるまで手を打てなかったのか疑問がある。サイドの上がりをどちらか一方にして守備の面子を増やすとか、奪われる前にシュートを打つよう徹底するとか。前半はあまりに単調で、まるで形を作れなかった。そんな中でも小松が強引に仕掛けてPKを奪ったのは大きかった。キッカーが古橋ではなくジェルマーノだったのがサポーターにとっては少し複雑ではあったが。

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 後半はセレッソのモチベーションが上がったことと、ヴェルディが少し三味線をひき始めたこととが重なって、拮抗したというか、間延びした時間帯が増えていった。ヴェルディがとにかく香川を自由にさせないようにし続けていたのが印象的だったが、陽光も手伝ってか、少し牧歌的過ぎたように映る。


 セレッソの今季ラストゴールは、ヴェルディのJ2優勝を奪い去る小松のヘッドだった。第3クールの好調期から比べると、このクールは少しスランプ気味になっていたが、最後にらしい見事なゴールを見せてくれた。丹羽のクロスも素晴らしかった(これで差し引きゼロぐらいだろうか)ジェルマーノが熱くなりすぎて主審に睨まれ、退場したのもご愛嬌、いろいろあった07年シーズンが、ようやく終わった。


 結果を見れば、決して満足のいくものではない。一年でのJ1復帰を目標にしていたにもかかわらず、順位は5位。J2に長居する危険性を考えれば、また来年があるなどと楽観視してはいられない。しかし現実として、あまり経験の無い選手や、キャリアの浅い選手ばかりだった今季の編成で、よくぞここまで、という気持ちもある。今はただ一年間頑張ったチームの労をねぎらいたい。

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