9/24/2007

鳥栖0VS2C大阪 We are the one.

久しぶりのスタカフェでの観戦だったが、サポーターは実に心地よく観戦を楽しんでいるようだった。チームの状態が絶好調というのもあるだろうが、今までいくつもの地獄を味わってきた事で、サポーターも肝が据わってきているように感じた。チームもサポーターも進化しているのか。

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スタメンは前節とほぼ変わりなし。ただし右サイドの攻撃的な位置には酒本が入った。この位置は濱田が出続けていたが、鳥栖に「知られている」からか、疲労からか、先発を外れた。

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立ち上がりのセレッソは、ほぼイメージ通りのプレーが出来ていた。得点こそ無かったが、左サイドの香川、ゼ・カルロス、前線の古橋、小松は相変わらず高いポテンシャル。急造右サイドも思ったよりスムース。

しかし何より特筆すべきはダブルボランチのジェルマーノとアレー。ジェルマーノは僅か数日でセレッソに馴染み、チームを生かし、自らが生きるプレーを始めた。そしてそれまで消極的で、ボールを奪っても後ろか横にしかパスを出さなかったアレーを、積極的で、攻撃的で、明るいプレーヤーに変貌させてしまった。それは少し前までのセレッソが、喉から手が出るほど欲しかった要素。そのピースがはまったからこそ、今の快進撃があるのだ。

それぞれのポジションがしっかりと自分の仕事をこなし、冷静にプレーをし続けていれば、結果は必ず出る。チームの全員がそう信じているからこそ、焦りや苛立ちが無い。酒本の「幻のゴール」にも動揺は無かった。その精神的余裕が、真の先制点を呼び込んだように思う。

前半15分ごろ、左サイドを香川が突破、ゴールライン際でDFをあざ笑うかのように躍動する。このダンスを1対1で止めるのは容易ではない。鳥栖DFがボールを狙ってスライディングするが、香川の左足を削る結果になってしまう。PK。古橋がしっかり相手GKの逆を突きゴール。


その後も前半のセレッソは安定していた。どのポジションでも不用意にボールを奪われる事がまれで、また積極的に攻めていたのが大きい。左サイドにボールがある時は、その傾向が特に高かった。


後半、鳥栖は左サイド、つまり比較的整理されていなかったセレッソの右サイドに攻撃的な野崎を入れてきた。どこかに攻撃の起点を作り、そこから試合のイニシアチブを取ろうという意図があったのだと思う。実際後半早々は何度も野崎に仕掛けられ、手を焼いた。その後も鳥栖は細かくカードを切り、布陣を変更していく事で、セレッソのディフェンスに揺さぶりをかけてきた。

しかしここで最たる動揺も無く、その都度適正な修正をしたセレッソディフェンスを評価したい。スタッツ上のシュート数にさしたる差は無いが、鳥栖の決定機は殆ど無かった(終盤に一度吉田のヒヤリとするミスがあったが、受動的なシーンは皆無といっていい)

ここで最初の交代。酒本、小松に代えて濱田、森島康。やや精彩を欠き始めた二人を一度に入れ替え、チームのクオリティを維持する。

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その効果はしばらくして表れた。相手の攻め手を封じた上で、反撃をはじめた後半30分過ぎ、中央で森島康がボールを強引にキープ、ジェルマーノがそれを貰い受けて突進、香川との流れるようなパス交換でDFラインを突破すると、豪快に追加点を奪ったのだ。


こうなってくると、もう一つの敵の事がチラつく。カードが溜まっている選手を確認し、いかにチームポテンシャルを崩さずに彼らを交代させるかが、試合のメインテーマとなった。

レヴィ・クルピの選択は古橋の交代。藤本を入れて守備をより強固にする。テレビで確認は出来なかったが4-3-2-1の「クリスマスツリー」だったと判断した。

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結果としてその後藤本、アレーがカードを貰ってしまったが、これから始まる湘南、札幌、京都、仙台との連戦を考えれば、生命線である香川、古橋のうちの一枚を温存出来たのは大きい。


試合が終われば、ほぼ全ての点で、セレッソのコンセプト通りの試合だった。もちろん2-0よりも5-0、10-0の方がスコア上はいい。しかし中心選手を温存したり、今まで活躍の無かった選手に今のトップチームの流れを感じ取らせたり、それらを勝利をした上で行う余裕があるというのは、それと同じくらいの価値がある。これから始まる4試合、一つも気を抜けない。今年一年の努力が実を結ぶのか、それとも水泡に帰するのか、その大一番に、最良の状態で挑める事に、まずは感謝しよう。

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