9/10/2007

福岡0VS1C大阪 願いと望み。

今期のベストマッチではないだろうか。お互いの気持ちが前面に出た激しい試合にあって、したい事、すべき事がほぼ出来ていた。ヒートアップする事も無く、冷静な状況判断が出来た。開幕当初は悪い意味で若いチームだったが、今のチームは若さと老獪さが良いバランスでかみ合っている。

もう一つ、特記すべきは福岡の粘り。前節がどのようなものであったのか、他サポの私は知らない。ただこの試合にかける意思の強さは、プレーから、表情から、十分に感じられた。多少ラフだったり、後半体力の消耗から足が止まったりしたが、この気持ちこそが、福岡を支えている根源なのだと理解できた。


スタメンには変化があった。ボランチのコンビが藤本、ジェルマーノからアレー、ジェルマーノへ。

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正直に言うと、この組み合わせには多少の不安があった。アレーはアンカーとしての能力は(カードの枚数を抜けば)高いが、そこから攻撃への展開が遅く、今のストロングポイントの一つである攻守の切り替えの速さが鈍化してしまうのではと考えていたのだ。

しかしその悩みは杞憂に終わった。ジェルマーノが近くにいる事でアレーにも積極性が生まれ、前への意識がグッと強くなった。動いて相手を追い込んでいくジェルマーノ、自分が支配するゾーンでは確実な仕事をするアレーは互いを生かす良いコンビになりそうだ。


ただそれだけのクオリティを発揮しても、前半試合を支配していたのは福岡だった。前半勝負で飛ばしていたのもあるが、前からがむしゃらにかけてくるプレスが厳しい。セレッソは要所要所で古橋、アレーがゴール前に顔を出すが、あくまで単発、逆に香川のウラを取られて苦戦する場面もしばしば(ちなみに香川には最低二人のマークがついていた)

その前半を無失点で凌げたのは大きい。おかげで後半、足が止まり始めた福岡から、イニシアチブを少しずつ奪えるようになった。古橋のパワフルな仕掛け、濱田の柔らかなパスワーク、そして香川の止められないドリブル。手を変え品を変え、セレッソが持っているお得意のパターンをありったけぶちまける。しかし、相手GK神山も当たっていて、なかなかゴールをこじ開けられない。

パターンも残り僅かになった頃、福岡守備陣に初めてほころびが生まれた。それはDF間に生まれたなんでもないスペースだったのだが、そこを小松が突いた。セレッソ陣内、アレーから放たれたロングパスはとてもコントロールの難しいもの、しかし小松は右足1本でこれをトラップ、キーパーとの1対1も冷静にいなし、喉から手が出るほど欲しかった先制点をあげた。

その後は完全にセレッソペースだった。1点を守りにいかず、どんどんと前から仕掛けていけた事、そして福岡の控え層の薄さが、その傾向に拍車をかけた。残り5分からはしっかりボールをキープ、リスクを極力押さえ、勝利を手繰り寄せた。


この結果、セレッソは長らく居座っていた7位から5位へとジャンプアップ、昇格圏となる3位とのポイント差は4と変わらないが、今までの苦労が目に見える形になってきたのは大きい。次節は守備の要、江添と柳沢を出場停止で欠くが、長居での凱旋試合、負けるわけにはいかない。

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