1/10/2007

セレサポから変る。セレサポから変える。

 全国高校サッカー選手権大会決勝、テレビ観戦とは言え久しぶりのサッカー観戦、思わず力が入った。やっぱりサッカーが好きなんだなと再確認した一日だった。少しでも早くサッカーが観たい。セレッソが観たい。出来れば生で、その場で、応援して、チームとの一体感を感じたい。


 しかしそのセレッソ、年も明けたというのに一向にチームの形が見えてこない。今年はどんな編成なのかとか、チームの核は誰になるのかとか。新戦力の獲得に至っては、レンタル組の帰還以外では、立命館のDF阪田選手の入団しか決定していない。

 そのくせ移籍話には事欠かない。柿本はレンタル先の湘南に復帰、河村は川崎に移った。それくらいならまだいいが、名波は東京V行がほぼ決定との報道があり、他にも札幌がブルーノ獲得に乗り出しているだの徳重が京都にレンタルだのという噂が飛び交っている。もし本当なら「敵に塩を送る」で済まされるような状態ではない。

 まだ百歩譲って、一部リーグでプレーしたいと、J1のチームに移籍するのはよしとしても(本来ならそれもはらわたが煮えくり返るような事なのだけれど)、今期直接対決のあるチームに、わざわざ主力級の選手を、しかも何の人的補償も無しに移籍させるのにはどういうビジョンがあるというのだろう。

 というか、もうどう取り繕っても、今のセレッソに「ビジョン」だの「戦略」だのといった高尚なものが存在していないのは明白だろう。現時点では行き当たりばったりのチーム運営しかなされていないとしか思えない。


 何故こういう事になったのか。勿論降格という現実を避けて通るわけにはいかない。だがそれに加えて、フロントに「収入を増やす」という思考や能力が欠如している事も、大きな要因のように思う。

 勿論放漫経営をしていては会社はたちまち傾く。だから節制をするなとは言わない。むしろそうしてしかるべき。

 しかしどれだけ切り詰めても、プロスポーツ選手の年俸を抑制するには限界がある。セレッソだけ安い賃金体系なんです、なんて事は通用しない。

 だからその考え方とは別に、これだけの選手を抱えるためにはどれだけの資金が必要で、その資金をどうやって捻出すればいいのか、というアプローチも絶対に欠かせてはいけない。

 それは例えばスポンサー獲得強化でもいいし、チケット売上げ促進策でもいい、別にそれらに拘る必要も無いかも知れない。しかし現状ではそういった頑張りは皆無に等しい、それどころかどんどん手抜きになっている。


 実例を一つ出そう。年に何度か某スポーツバーにご厄介になっているのだが、あそこは今、セレッソのフレンドリーショップでは無い。別に店長さんが望んで契約を打ち切ったのではない。ある日セレッソの球団事務所から一通の手紙が来て、一方的に契約を解除されたのだという。そのようなショップは一つや二つではない、大阪の街でセレッソのチケットが買える場所は確実に減ってきている、いや、減らされてきているのだ。

 最初私はそういう事をして何になるのかと思っていたのだが、他の人から情報を集めていると、このフレンドリーショップ削減には、どうやら二つの理由があったらしい。

 一つは、フレンドリーショップの拡大を続けていくと、維持管理が面倒になるという事。そして二つ目はフレンドリーショップのチケットは直販よりも粗利率が下がるので、直販一本にしたいという某氏の意向があったという事。つまり例えフレンドリーショップがその地域の貴重な販路という役割を持っていても、旨みが少なく手間がかかるので無くしていきたいというのだ。


 これは「地域密着」を基本とするJリーグの概念とは全く意を異にする行動で、どうかばってもかばいきれるものではない。むしろ身内から率先して正そうという動きが無ければいけない。それ程大事なことだ。一人でも多くの人にスポーツの感動を伝えようという大志よりも、どれだけ手間をかけずにチーム運営が出来るかという怠惰が先に立っているチームに、どれ程の魅力があるだろうか。


 今年はチームとしても大切な一年であるけれども、サポーターにとっても頑張りが要求される年になるだろう。かつてはセレッソにもネルソンさん、久高さん、大西さん、ノさん、藤井さんといった、熱意を持ってチームに尽くしてくれた人達がいたけれど、今は残念ながら誰もいない。ならば私達が率先して、先達にならい、チームを情熱溢れるクラブへと回帰させなければならない。その準備は進んでいる。後必要なのは一人一人の意識だけだ。

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