8/31/2006

だんだん名波が監督みたいになっていってる。

 昨日の試合、まだ観てないんですが、相手が1トップということで4-4-2というか4-3-2-1っぽいかんじでいったみたいですね。

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 確かにホームでやられた時はサイドを散々崩されましたから、スペースを埋めるのに4バックという発想はアリなんでしょう。

 ただ以前4バックやっていた時は、まず守備のルールを守ること、帰陣することを第一にしていて、結局ちぐはぐになっていたり、攻撃の時に選手がすごく低い位置から攻めあがらなくてはいけなかったりと、デメリットになっていた部分が多かった。

 その欠陥を埋めてくれたのは、やっぱり名波ということになるんでしょうね。

 ボールをキープしてもらえて、なおかつ正確なボールをどんどん配給する名波がいるから、他の選手は安心して動く事が出来る。余計なスタミナを浪費しないですむってのは、前にベテランの多いセレッソとしては大きいですよ。


 そしてもう一つ、入団会見でも言っていた「勝者のメンタリティ」を、少しずつかも知れないですが、持ち込んでくれている。攻め込まれたり、同点にされたりしても慌てないでいられるのは、士気をもり立ててくれている名波がいるから。

 セレサポもすっかりダラダラとした空気に浸かっていましたけれど、コーナーキックなんかの時はびっくりするほど煽ってくれてますよね。あれでスタンドも活気が出るし、それが回りまわってチーム全体の意識を高めることになる。ホント何から何までおんぶに抱っこ状態です。


 よくよく考えると、コーチやフロントも含めて、チームの中で一番勝ち方を知っている人間が名波なんですよね。だから言葉に重みがあるし、皆聞く耳を持つ。最近のスポーツ紙なんか、塚田監督よりも名波のコメントの方が圧倒的に多いですもんね。

 もういっそ名波プレーイングマネージャーでもいいような気さえしますよ。正直J's GOALを観ていてピンゴIN名波OUTの時はモニターをロングスローしたろかという気になりましたもん。別に他の運動量のある選手でいいやん。山田でも下村でも徳重でも、それなりにやれますよ。なんでピンゴなんだと。2-1で勝てる試合、もう少し落ち着いた試合になったかも知れないのに…。


 次節のダービー、先発アリでしょう。どんなシステムでいくのかな。あまり攻守のバランスを欠くのもどうかと思うし…。嘉人、モリシ、アキ、フル、名波が同時にオンステージするのは素人目にもまずいのが判るでしょ。このうち誰かが(多分嘉人になるでしょう)スーパーサブになるのでしょうね。随分層が厚くなりましたよ、ホント。

FC東京戦前予想

 これね。予想しても、大阪だと生で見られないんですよ。だから当ったか外れたかも判らない、微妙な記事ですよね。

 さてさて、セレッソは大久保、ブルーノと攻守の要を出場停止で欠きます。FC東京も徳永が出場停止、茂庭、今野は怪我で出場できない。4バックのうち二人が即席なのと、3バックの真ん中がいないのとではどちらがやばいんだろう。

 それから、名波先発も有り得るらしいです。ソースはスポーツ新聞なんで眉唾っぽいですが、苦しい台所事情の中、背に腹は代えられんということでしょうか。

 全部アリだとすればこんな布陣。

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 なんか左側に攻撃的な選手が固まりましたね。また右サイドの山田も真ん中に絞りがちなプレースタイルなんで、余計に左より、OhmyNewsくらい左ですよ。

 そのくせ左サイドのストッパーは柳本か山崎と、あまりゲームを組み立てるのが得意ではない選手になりそうなので、少しアンバランス。FC東京の攻撃が右サイドの石川基点という事で、相撲で言う喧嘩四つの状態が予想されるだけに、ここがキーでしょうね。


 右の藤本は、どんどんオーバーラップしてもいいと思います。宮本、山田ともに馬力はあれどフィードは少し…、という感じなので、森島寛と絡んだ方が孤立しないでいい。


 暑い中での連戦もこれで最後です。みんなヘトヘトなので、かなりグダグダになってしまう可能性が高いですが、勝てば疲れも少しはマシでしょう。これが終わればダービーまで試合なしなんで、全力でお願いします。

さーて、晩飯でも食うか。

メシが食える メシが食える メシが食えるぞ~♪

カワムーのおかげでメシが食えるぞ~♪


メシが食える メシが食える メシが食えるぞ~♪

コータ三連発でメシが食えるぞ~♪


メシが食える メシが食える メシが食えるぞ~♪

シメはアキゴールでメシが食えるぞ~♪




 などと浮かれている場合ではないか。大車輪の活躍だった河村はダービー出られないしね。でもいい感じになってきたのは嬉しいよ。さて、メシメシ。

8/29/2006

観られない絵は無いのと同じ。

 こんなコメントを頂きまして、えっ、そんな書き方してたっけ?などとしらを切っておりました、西中島でございます。十八番は揉め事を起こす事とそれを吹聴する事でございます。嫌がらせを受けても心当たりが有りすぎて、誰がやったのか皆目見当がつかんのです。

 おかげさまでいろんな方(善意悪意は別にして)にこのブログを観ていただいておりますが、これはこれで有り難い訳です。何が有り難いと言って、周囲で何か事が起こる度に、とりあえずそういうのはここで書くだろう、という潜在意識を持っていただいているということです。


 例えば私より素晴らしい文章を書くブロガーさんは沢山います。綺麗な写真を撮られる方も、足しげく南津守に通ってらっしゃる方も、それはきら星のごとくに。

 私にはそういう才能も無いですし、不幸にして練習を観る機会も少ない、遠征に行くお金もなかなか…。

 じゃあ何が出来るといって、それは何かにつけていろんな、出来れば独自のニュースを集めて、それをまとめる。それくらいなものなんです。でも今の国内リーグにあってそれは貴重なもののようで、レアなニュースの時は反響も大きい。

 そうすると今度はニュースを持ってきて下さる方もいて、「これを書いてほしい」「こんな話が有るのだけれど」という情報提供もしばしば。ウラが取れれば、そしてそれを伝える事に何か意義を感じれば、それを記事として流したりしています。今のセレバスとか「江添選手に鶴」もそんな感じです。そういうのが繰り返し繰り返しあって、今のここが有るわけです。だからこのブログを構築している全てが私個人のもの、というわけでもないんですね。いろんな人のプラットフォームになっている。

 私はそれでいいと思っていますし、出来ればその割合がもっと増えてほしいなと期待しています。今はまだセレサポの中でも、沢山の人の沢山の意見が混沌としていて、どんな形になるのかさえ見えていないですが、もし何かはっきりしたベクトルが生まれたなら、助力したいです。


 私の理想形は、ここが「画廊化」する事です。皆の心打つ作品でも、それをどこかに飾らなくては、無いのと同じですから。

 ゴッホの絵を、もし義理の妹が引き取らなければ、美術史は変わっていたでしょうし、ひょっとしたらそういう「埋没してしまった才能」はまだまだいたかもしれない。そういうのって勿体無いではないですか。

 こんな事が有った、こういう事を書いてほしい、そういうリクエストには出来る限りお応えしますんで、利用価値のある内に、当画廊をご利用ください。

8/28/2006

「シゴタノ!」はサポ活動にも応用できるか?

 仕事を「楽しい」と感じてするのか、「つらい」と思うのか。同じ事を同じだけするのであれば、断然前者の方がいいわけで、楽しいと感じる分その先の事に目を向けられたり、新しい発想が生まれたりしますよね。よく「努力の人」と言われる人の伝記を読んだり、実際に近くで一緒に仕事をさせてもらったりしましたけれども、やっぱり殆どの人が仕事を楽しくやっていました。

 そんな事が本当に出来るのか?とお思いになられた方は、是非一度こちらのサイトをご覧ください。その名も「シゴタノ! - 仕事を楽しくする研究日誌

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 こういうサイトや本なんかは、えてして「仕事は辛いと思うから辛いのです。ポジティブシンキング、ポジティブシンキングですよ~!」という無味乾燥無責任な思想を、長ったらしい文章で薄めただけだったりするのだけれど、シゴタノ!ではいろんな危機の際の対応法が具体的に載っています。仕事の割り振り、順序決定方から時間の区切り方、果ては人間関係まで。睡眠時間を短くする方法も精神論ではなく、年齢別の表まで載せて科学的に解説しています。


 全ての事をサッカーに結び付けて考える私は、早速この「シゴタノ!」がサポーターとして活動していく中で応用できないか考えてみました。

 まず「困ったら、最初の一歩を踏み出してしまう」というエントリ、これなんか、普通の日常生活でも効果アリの考え方じゃないでしょうか。仕事に順序をつけて、それが定まったら覚悟をキメてやる。無為無策に時間ばかり浪費することってありますよね。その時間を有効活用できるわけです。

 サポーターも一つの集団なわけですから、当然コミュニケーションが必要になってきます。こことかここは読んでおいて損はないでしょう。時間が無い!生観戦が出来ないという人も、是非ご一読を。

 チーム状態も良くないし、サポ間でもトゲトゲした空気が流れています。他のチームだとそういう時「実力行使」に出るのが定石になっていて、バスを囲んだとか、力で抑え込んだなんてのが極当たり前のようになっていますけれど、そういう「過激なもの勝ち」みたいなのは性に合わないんで、もう少し熟考をしてみることにします。


追記


ちなみに
仕事が山積みなのにサッカーワールドカップを見たい時 → マルチタスクでこなす

だそうです。サッカーが気になって仕事が手につかん時は、テレビを持ち込むか、ノートパソコンを持ってスタジアムへ行きましょう(w

9/9 大阪ダービーセレサポ専用バスのお知らせ。

 dtakeさんが企画され、昨年大好評だった「セレサポ専用千里中央、万博記念競技場間シャトルバス」今年も行われる事になりました。狭くてとろくて本数の無いモノレールよりも、ずっと快適ですよ。詳細は下記のとおり。

【運行日】
 9月9日(土)
【区 間】
 千里中央駅バス停~万博記念競技場周辺バス停
 ※日本庭園前(アウェーゴール裏席から約7分)
  
【ゆ き】
 今年は1便のみの運行です。
  16:20発
  
【かえり】
 21:30~21:40発
 (ただし満員になり次第発車)
【運 賃】

 大人往復500円(片道300円)
 子供往復200円(片道100円)

はっきり言いまして満員にならないと赤字になります(笑)
なにとぞ皆様の乗車をお待ちしております。

=====================================================
予約方法

メールでの予約
cerezoshuttle0909@yahoo.co.jpまで
代表者氏名」「人数(大人、子供の内訳も)」「利用種類(ゆき、かえり、往復) 」を記載の上、送信して下さい。


 千里中央でのバスのりばは「阪急バス10番のりば」になります。地図は下記の通り、クリックで拡大します。

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 万博記念競技場での乗降場所は昨年と変わっていますので要注意。バス停「日本庭園前」になります。競技場のすぐ近くになって、さらに便利。地図は下記の通り、同じくクリックで拡大します。

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 とりあえずバナーなんかも作ってみましたので、サイト持ってらっしゃる方はリンク用に使用してください。

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 しかし往復500円というのはすごいですね。満員にして、少しでも阪急バスさんにありがたがってもらいましょう(w

8/27/2006

C大阪1VS2浦和 赤い悪魔とピンクの狸。

 誰かに説明してほしいのだけれど、一人退場になって交代枠を使い切らないというのは「アリ」なのだろうか?あまりそうする利点が判らないのだけれど。セレッソのベンチには窮地に立たされて尚、ピッチに投じるのを躊躇うような選手しかいないのだろうか?それとも塚田監督は交代枠を把握出来なかったのだろうか?どちらにせよそれは絶望的な事だ。

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 前節絶不調だった柳本はベンチ、藤本が左ストッパーに。空いた右サイドには山田が入る。

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 浦和はワシントンを欠き、攻撃は田中達也一辺倒。それでも右に左に走り回り、守備陣を疲弊させた。

 そこを上手く潰せればいいのだが、今のセレッソにその力は無く、15分に右サイドから崩されてあっさりと先制点を謙譲してしまう(もし小野がもっといいプレーをしていたら、もう1、2点はとられていたかも知れないが、これに関しては幸運だった)。


 攻撃に関しても精彩が無い。3トップがそれぞれらしさの欠片を見せるものの、シュートで終わるシーンも僅かで、押し上げも少ない。とにかくガツガツとマンマークされる上に、倒れてもファウルすらもらえない。これでは手詰まりになるのも至極当たり前のこと。


 前節から比べれば、プレーの停滞は僅かながら良くなっていたように感じたが、それでもスペースを見つけたり、選手の動きを把握する事が出来ないのは相変わらず。これが浦和との絶対的な差だった。

 例えば守備では、飛び出してくる選手を捕らえられなかったり、急所になるスペースをぽっかり空けてしまったりするし、攻撃では折角フリーランしている味方を見つけられずに狭いスペースへと自ら飛び込んでしまう。


 そういう局面を打開する「特効薬」として、名波が後半頭から投入された。

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 前回に続いて、森島寛との交代。全員が走るチームから、名波を「王様」に据えたチームにシフトして、流れを変化させる。

 実際名波は他の選手から圧倒的に支持されているようで、彼がボールを持つと全員が動き出す。もう少し攻め手の枚数が有れば、まだまだバリエーションは増えるだろう。そういう意味では前が西澤、大久保だけというのは勿体無い気がする。

 などと思案を巡らしていたら、大久保がまたやった。悪い予感はよく当たる。今度の被害者は堀之内、ピッチの急所を突いてほしかったのだが、堀之内の身体の急所に的確にエルボーを見舞っていた。

 もし彼が格闘家なら見事の一言なのだけれど、残念ながら今やっているのはサッカーで、そういう行為は退場に値する。

 それにしても、スペインに行っていた去年をはさんでホーム浦和戦二試合連続退場というのはいかがなものか。

 確かに激しいマンマークは、ストレスが溜まるものだ。さらに今日のジャッジングはスタンドから観ていても不満が有った。加えて彼には悪童というレッテルが貼られているから、何かあれば他の選手よりも厳しい結果が待っている。それは判る。でも、そんな理屈をどれだけつけても、ラフプレーは正当化出来ない。大久保嘉人というのは諸刃の剣のような選手で、そういうことも織り込み済みで考えて下さいとでもいうのか。


 兎にも角にも、これで10人になってしまった。名波より前でパスを受ける選手は西澤一人になり、彼はお世辞にも運動量豊富とは言えない。リードされている事を踏まえれば、ここは走れるFWを入れるか、古橋を一列上げるのが普通の策、しかし、塚田監督は動かない。

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 追加点を奪われ、浦和が次々と主力を引っ込めていく中に有っても、まだカードは切られない。名波が西澤とともにフレッシュな浦和ディフェンスの激しい守備に晒されていても、河村、宮本の若いボランチ二人が疲弊していても、監督は監督としてするべき仕事をしなかった。


 ようやく重い腰が上がったのは後半30分過ぎ、浦和が全てのカードを主力温存に使ってからだった。河村を下げてターゲットマンの柿本を入れる。

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 これでようやく攻めに厚みが出てきた。勿論リスクがゼロだったわけではない(永井と吉田が一対一になったのが二度有ったか。一度はループシュートがそれ、もう一度は吉田のヘッドバッドがどてっ腹に突き刺さっていた。本当にプロレスのようだった)けれど、それを恐れるのは、諦めるのと同意だから、これでいい。藤本があの位置でいいミドルを決められたのも、それだけの圧力が相手の最終ラインにかかっていたからというのは、こじつけだろうか。


 結局それ以上スコアは動かず、1-2で敗戦となったのだけれど、最後に印象に残っていたシーンを書きたい。

 確か40分過ぎだったか、浦和のコーナーキックのシーン。三都主がボールをセットした後で、急に味方に対して怒り始めた。どうやら誰か一人にコーナーに寄ってきてもらって、その辺りで時間稼ぎのボールキープがしたいらしい。リーグ2位を走っているチームが最下位に沈むチームにするプレーとは思えないけれど、そういう「どれだけ醜態を晒しても結果を求める姿勢」が、セレッソには足りないのではないかと思った。

 例えば前節京都戦、1点リードした後のロスタイムにセレッソがどういうプレーをしていたかというと、実に素直に、普通の攻撃を仕掛けていた。後ろでボールをまわして時間稼ぎをするでもなく、わざとらしくピッチで転げまわるでもなし、とにかく何の疑問も無く攻めていたのだ。

 そういう意識の差の積み重ねが、セレッソを今の位置に置いている。もし本気で残留を望むのであれば、得点一つ、勝ち点一つを、もっと大事に考え無くてはいけない。

 次節は大久保、ブルーノを出場停止で欠く、それだけの覚悟が有るのか、しっかり見極めたい。

はいはいマケダンマケダン。

 久しぶりのマケダン、と言っても二試合してなかっただけなんだけれど。それを久しぶりと感じる感覚がどうかしているのか。

 今回のマケダンは、あんまり嫌じゃない。いろんな事に腹が立っているから、そもそも抗議をする意味で始めた断食を苦痛とは感じない。

 あと最近記事の間違いが多いなという自戒があります。布陣や文章の中で選手の記載ミス(誰がどういうプレーしただの、何処に入っただの、最悪いるのいないのを間違ってる)が増えてて、それは絶対にいい事ではないから、そのペナルティとして断食もいいかなと。

 食を断つと、当然日頃より力が出ません。その代わりすごく平静な気持ちになります。なのでそういうのを見つめなおすには丁度いい。体脂肪率と体重も減るしね。


 なんか断食だけだとなんなんで、昨日の試合のこぼれ話でもしますか。

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 5時前くらいに長居に着いたんですが、その時点でかなりの数のレッズサポが来ていました。赤いユニ姿の人がいっぱいで、セレッソのユニ着ているのは交差点にあるサンクスの店員さんくらい(w

 スポーツドリンクを買おうと中に入ったのですが、ここにもレッズサポがいるわいるわ。試合前に「長居に金を落としていってくれ」なんて書いてましたけれど、本当に地域経済に貢献していましたよ。本当なら、もっとセレサポがいなけりゃいけないんですけれどもね。


 んで、所用をすませて5時半くらいにスタジアムに。SBのダンマク貼る手伝いでもしようと思っていたんですが、当の昔に展開し終わってました。だんだん早くなってるぞ、セレッソのカウンターよりも早いんじゃなかろうか。


 試合中。スタンドは結構埋まっていたんですが、相変わらず一見さんが多くて、質量共に貧弱でした。そんな時は率先してコールを出していって、サイレントマジョリティを開拓しないといけないんですが、なにせ相手さんの声がでかいんでゴール裏からのコールが聞こえない。だからアジテートも出来ませんでした。用意したコールの歌詞集も全然はけてなかったし。

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 で、試合後、ダンマク撤収。これも早い早い。オートマティズムと目的意識の高さ、磨き上げられた判断力。10枚以上のダンマクが10分足らずでたためるってのは頑張ってない?

 そうして額に汗して撤収にいそしんどったのですが、その目の前に「日サロで焼いてきましたー」って感じのカップルがおりまして、人目もはばからずいちゃいちゃしておりました。まあ甘い言葉をなげかけるとか、寄り添いあってるくらいならまだいいんですが。出来るなら人前でチ○コ撫で回すのは止めてほしいな、さすがにジーンズの上からでしたけど。

 やっぱり「お客さん」だけじゃなくて、「サポーター」をもっと増やさないといかんですよ、あまりに少なすぎるし、増えてないし(この状況ではそれもやむなしかも知れませんが)。


 なんか雑感と言うより愚痴になっちゃいましたね。反省。

8/26/2006

SBってばフロントラインなんだよな。

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 西中島はご存知のとおりいつもSBで観戦しているわけです。時折SB声出し隊にもお邪魔したりしています。

 長居のバックスタンドって12000席くらいあって、当然全てセレッソサポーターで埋め尽くされてる、ってわけでもなくて、アウェーの人もいたりする。いつもは席を隔てたりしていないし、それで何も問題ない。不思議な空間ですよね。「ここをどこやおもてんねんこらー!」とか恫喝する人もいないし。


 でも去年は天皇杯とかいろいろあったし、何か間違えれば一番厄介なのはSBなんじゃないかと、勝手に思ったりしています。

 私もぶっちゃけ度が過ぎた記事書いたりしていましたが、あんまり酷い事が続いたんで止めました。サッカー観に来て、気がついたら暴動ってつまらんし、そんなのしに来ているわけじゃないし。


 というわけで、今日はかなり人が来ると思うんですが、きっちりサッカーを観てほしいですね。ブーイングとかコールとかバモったりするのはむしろ歓迎なんですがね。さて出発ですわ。

8/25/2006

浦和戦前予想。

 来ましたか、来ましたよ、


ウィーアーな季節が。



 アクセス解析見てたらよく判ります。與野レッズBlogさんからのアクセスが激増しますから。おまけに今回は敵情視察の筆頭ということで…。私をセレサポのステレオタイプだと思っていると内輪から激しい批判が来るんで微妙ですな。

 夏休み最後の週末。天気もいいし、遠征に来るならもってこいなんでしょうか。こういうテキストも作っていますんで、長居にお越しの際は是非近辺でお食事、お買い物等していってくださいな。パリーネのパンとかホント旨いんで。


 さて予想予想。浦和はワシントンが累積警告、ポンテが怪我で欠場決定。小野も微妙、大丈夫なのか?とか思っていたけれど、田中達也がいて、永井がいて、長谷部がいて、鈴木啓太がいて、三都主がいて、山田がいて、闘莉王がいて、坪井がいて、黒部と相馬が余ってるのか。誰か2、3人下さい。


 なんて言いながら、セレッソもだんだんと形が見え始めています。布陣、戦術、役割分担、交代のタイミングetc…。布陣は多分こんな形。

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 河村が2戦連続好調なんで、この試合でも期待しています。まだ多少おっかなびっくりすることろありますけれど。

 前線は、さすがに嘉人ハナっからもっていくでしょう。闘莉王、坪井組対西澤、大久保組なんてインディーズプロレスならメインはれますよ。それくらい激しくガツガツやってほしい。でもお互いカードはもらわないように。

 
 守備は、どうかな~。柳本と吉田は一度代えてみても良いような気がします。代わりがいるのかと聞かれると自信ないですが、外から観る機会も必要かなと。キーパーはぶっちゃけ他の選手がどれ程か見極められないんで、左ストッパーのみ山崎と交代してみました。田中達也と永井のドリブルは止められんですから、開き直ってそこにパスを出す人間にとことんマークとか、逆説的なディフェンスの方がいいかも。こりゃ宮本次も足つりそうだ。


 そして新生セレッソのウリは、何と言っても控えの豪華さ。森島寛と名波が入れ替わる事で、セレッソは全く性質の違う攻撃を仕掛けられます。そのギャップが効いているうちに、得点したいですね。他にも山田、下村、ピンゴ、ピンゴ、ピンゴと、様々な試合展開に対応できるバリエーションも有る。ベンチワークが大事です。


 勿論楽に勝ち点貰える相手ではないことは重々承知しています。でも諦めは悪いほうなんで、易々と勝たせませんよ。そういうの嫌いな男が二人も入りましたしね。

8/24/2006

良かった探しでもするか。

 あー、酷い倦怠感ですよ。気だるい空気の中で記事書いています。

 相手さんは外国人FW二人が万全の状態ではないとの事ですが、そういうチームにポロポロ勝ち点取りこぼしてきて、今の位置にいるのですから、それを自らの油断としてしまうのはタブーですよと。


 夏の京都は蒸し暑いでしょうし、消耗戦は避けられない、とすれば前述の名波も含め、いつ交代のカードを切るのかというベンチワークも大切ですね。セレッソは代々交代が下手な監督が多いように思うんですが、塚田監督もそういう人です、これは心配。


 自分が書いた昨日の記事を見てむかつくんだ!ピッタリ当ってるのにこれだけ腹が立つのはなんでだ!


 まあね、一昨年のホーム柏戦みたいに、この試合でミッションを果たせなかったショックがいいように働いてくれるのを期待するしかないですか。

 まずは反抗の為のきっかけ探しから。今年初めて4点とれたのは、京都の守備が?だった事を差し引いてもいいニュースでしょう。どれもファインゴールだったし。

 それから初登場の「セレッソの名波」が驚くほど上手く機能していたのもいいかな。アキ、嘉人との連携なんか、何年一緒にやってるのかってくらい見事なものだったし。フル出場だと週一が限界らしいんで、昨日のようなジョーカーとしての役回りがベストなんでしょう。

 そうそう、嘉人がやっと仕事をしたのも嬉しかった。カラダはずっと前からキレてたんですが、いいボールが入らないやらタイミングが合わないやらで孤立していた。そこに最近絶好調の河村やら名波やらが良いボールをくれるようになった。どんなにでかい大砲でも、弾が無ければ鉄の筒。そこにやっと砲撃手が現れ始めた。

 次節は浦和戦、闘莉王とのマッチアップ。正直ピッチより四角いリングでやってほしい対決なんですが(w 新旧代表対決でいいプレーをすれば、また呼ばれる可能性だってありますから、期待しています。


 意外と言っては失礼ですが、河村がコンスタントにいいプレーしていたのは嬉しい驚きでした。確立変動なく、2試合続けてアシスト。宮本とのコンビでやっとボランチが固まりそうです。


 んー、こう見ると京都戦も強ち収穫無しってわけではないんですね。なんか書きながら自分の気持ちも穏やかになってきました。後は不可解なベンチワークと、3バックのやり繰りかな、そこが治れば、まだ芽は有るか。

京都4VS4C大阪 13/90。

 西京極のピッチはあまりにお粗末だった。あちらこちらで芝がはげて地面がむき出しになっている。あれなら淀まで行って京都競馬場を使わせてもらったほうがいい。

 もっと落胆したのは試合内容、酷い泥試合だった。タイトルにした13/90の意味をご理解頂けるだろうか。これはセレッソがリードしていた時間。90分ある内の、僅か13分間。勝ち越しても勝ち越しても落ち着かないのは何が原因だったのか。

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 スタメンは前節から変わらず。予想されていたとおり疲労が残っていたのと、予想以上の荒れ馬場の為、ボールコントロールが落ち着かない。先制点を早々に奪われ、出だしも最悪。京都のプレスがゆるいのでボールを持つ事は出来るものの、イマジネーションに欠ける展開が続く。

 古橋が力技で同点に持ち込む(こういう『局地』では古橋の馬力がよく目立つ)が、塚田監督のプランとは程遠い内容だったのだろう、前半残り5分というところで、我慢の限界。大久保投入と相成った。

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 大久保は相変わらず周囲とのシンクロニシティが無いので、最初の頃は独力での突破や西澤に当てて走る程度のコンビネーションしか見せられなかったが、この「慣らし運転」が、後になってから効いてきた。

 後半の開始直後、前節と同じく河村のロングフィードが相手ラインを突く、駆け出したのは「慣らし」の終わった大久保、難しい体勢からゴール。これで1-2。


 ここまでは、ここまでは観れた試合だった。しかしここからの44分間は、今年のセレッソの中でも最悪の44分間だった、断言していい。


 スコアの上ならもっと差が開いた試合も沢山ある。しかしそれはリードされ、リスクを負わなくてはならなくなったところをカウンターで失点を食らっていたパターン。点を取られに行ってやられた。まだ理解が出来る。しかし得点しても得点しても突き放せない、それどころか、そのリードが10分と続かないのだ。

 吉田と柳本は他でも散々叩かれているが、それだけの理由があった。大久保のゴールから僅か8分後、パウリーニョのドリブルを柳本がファウルで止める。これだけなら、特段責めようとは思わない。

 ただその後、パウリーニョのグラウンダーを読みきれず、キャッチはおろか触れる事さえ出来なかった吉田のプレーは庇いきれない。

 散々書いているが、西京極のピッチは酷く荒れていて、ボールのバウンドは不規則だった、これはラグビーかと見紛う程に。だからキッカーの頭の中に、ゴロで速いボールを蹴るという選択肢がある事は、当然イメージしておかなくてはいけなかった。

 さらに言うなら、実際に放たれたパウリーニョのキックは、お世辞にも素晴らしい出来では無かった。スピードも比較的緩やかで、誰かに当たってコースが変わったわけでもない、ごく普通のゴロ。最低弾いてコーナーに逃げられる、普通なら体の真正面でキャッチすべきボール。それをやすやすと逃してしまった。

 そうして一度つかんだ流れを易々と手放す。吉田はこの他にも松田の突進を止めようと飛び出してかわされたり(松田が最後のボールコントロールをミスして失点は避けられたが)、ハイボールへの対応を間違えたりと、とにかく不安定だった。


 もう一人の柳本に関しては、まだ弁解の余地が有る。確かに左サイドでの守備では散々ピンチを招いていたが、それはボランチのラインと最終ラインが開きすぎていて、そこを突かれた為に生まれていたもの。そんなシーンが何度も何度も続いていた。

 ならばそれを修正しなくてはいけない、その指示は誰が出すのか、誰かカバー出来なかったのか。

 しかし塚田監督はこの脆弱性をパッチする事よりも、名波によって流れを変える方が良いと判断した。森島寛を下げて名波、大久保をさらに高い位置に入れて、些かクラシックな3-5-2に。

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 セレッソと名波、一見水と油のような二つは、意外に容易くフィットした。西澤、大久保との絡みもいいし、当然ながら後ろの河村とのバランスも及第点。このトライアングルが崩した後に藤本がタイミングよく飛び込んで、再び2-3とリードを奪った。

 それでも左サイドに残った脆弱なポイントから、せっかく汲み上げた水が再びこぼれ落ちてしまう。勝ち越しから僅か2分後、そのニッチに張っていた加藤にボールが渡る。加藤には味方の飛び出しを観察し、キックのコントロールを注視するに十分なスペースと時間が与えられていた。手島が豪快な攻め上がりで詰める。3-3。


 これだけでもストレスが溜まる展開なのだが、苛立つシーンが続く。最後の交代カードはこれだけ綻んでいた左サイドではなく、右サイドの為に充てられたのだ。交代で入った山田がボランチに、宮本は右サイドに回る。

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 左サイドに爆弾を抱えながら。それでも攻撃陣は奮起した。間延びした中盤を踊る事は、名波にとっては容易いのか。長短のパス、老獪な身のこなしで京都の守備を崩す。ふわりと浮いたラストパスは、彼とのプレーを「やりやすい」と公言していた大久保の、ジャンプした額にピタリと合った。3-4、時間は後半41分。

 これでいいだろう。これ以上は無いだろう。もう同じ失敗はしないだろう。それほど不用意ではないだろう。何度も言い聞かせた。ロスタイムの3分がやけに長い。それでもあと少し。山田が高い位置でのキープを目論んでドリブル突破を仕掛けるが、ボールをロスト、でも、まだ何とかなる。コーナーに逃げた。あと1分。


集中しろ…!



集中しろよ…!!




ああ…。




何だこれは…。





 何故皆ボールウォッチャーになった。何故誰も競らない。ファーに一人ぐらいカバー出来る人間はいなかったのか。どうしてだ。何故なんだ?はらわたが煮えくり返っている。ハヤクドブニデモブチマケナイトヤケシニソウダ。


 失ったのは1ゴールだけでも、勝ち点2だけでもない。今年一年でもまだ足りない。それほど大事な大事な一瞬だった…。
 
 確かにブービーの福岡とは勝ち点1差に縮まったし、入れ替え戦に臨める16位にいる京都との勝ち点差5も変わらない。けれど、大事な一戦と意気込んだ試合で、こんな結果しか残せないチームを、今は信頼なんてできない。一番愛しているチームに変わりはないけれど、だからこそ今もまだ心のモヤモヤが晴れない。次節は2位浦和戦、劣勢なのは判っている、しかし、結果を出してほしい。出さなければだめだ。

8/23/2006

京都戦前予想。

 「京阪ダービー」と銘打たれていますが、西京極の最寄り駅は阪急京都線です。どないやねんと。京阪乗る人おけいはん違うのかと。ああ、いきなり脱線。電車の話で脱線というのも不吉やなぁ。


 さて本題。京都も前節勝ちました。福岡から5点とる攻撃陣も凄いけど、福岡に4点取られる守備陣もあれだなと思うんですが、ただこれだけ点をとって、勝ち点を3積み上げたリズムというのはやはり侮りがたいわけです。

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 徳重や宮本、河村は前節あれだけ動いたら今日はさすがにズブくなるだろうと思うんですけれど、あまり勝ったチームをいじるのは良くない。なのに何故大久保を入れたかと聞かれたら。「好きだから」としか答えられないんですよね。すいません。

 やっぱり基本は前線からのチェイスで相手の選択肢を一つ一つ潰していく守備。古橋、河村、宮本、藤本のところで引っかかってくれればだいぶとイニシアチブを取れるんですが…。

 相手さんは外国人FW二人が万全の状態ではないとの事ですが、そういうチームにポロポロ勝ち点取りこぼしてきて、今の位置にいるのですから、それを自らの油断としてしまうのはタブーですよと。


 攻撃、前節は2得点。モリシは難しいシュートほど決まります。相手のラインはやや高めって事で、裏をどんどん突きましょう。名波の出番が有るとすれば、中盤が空いた後半半ばぐらいになりそう。

 夏の京都は蒸し暑いでしょうし、消耗戦は避けられない、とすれば前述の名波も含め、いつ交代のカードを切るのかというベンチワークも大切ですね。セレッソは代々交代が下手な監督が多いように思うんですが、塚田監督もそういう人です、これは心配。


 今日も勝てれば、残留争いに一筋の光明が見えてきます。逆に落とすようなことになれば、そのリカバリーは容易ではない。この大事な一戦が平日開催なのはツライですね。


 個人的には京都も嫌いなチームじゃないんですね。サポに知り合いもいますし。出来れば京都にも残留してほしいんですが、今日ばかりは譲れないですよ。

8/22/2006

みんなはなぜカワムーに萌えたのか。

 横浜戦を相変わらず反芻して味わっている自分がいるのですが、よっさんのビッグセーブやモリシの技ありゴールもさることながら、一番観ていてグッと来たのが河村が後半に見せた気合のオーバーラップなんですよ。

 左中央から豪快にドリブルをしかけて、人工芝の淵を飛び出しそうになるカワムーはかっこいいです。その後の仕草もらしくないほどワイルドでいい。





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口に入った芝をユニの袖で荒っぽく拭うと…。


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ゴール裏を煽る煽る!



 このパフォーマンスがあまりにみんなのイメージしていた河村とは(いい意味で)違っていたので、サポーターはおろか選手にまで大うけしていたようです。詳しくはりんでんばうむさんのエントリをご覧ください。それにしても柿谷にまで真似されるなんてな(W 他にもエントリで取り上げられているブロガーさんは数知れず。

 こういう派手なパフォーマンス、個人的にはキライではないです。それを無駄と感じる人もいるでしょうけれど、あれで勇気付けられる面も確実に有ると思うので。


 高校野球の話になるんですけれど、鹿児島工業の今吉選手なんかいい例だと思います。ご存じない方は動画をどうぞ。



 これが悪ノリなんかじゃないって事は、味方ベンチの笑顔を見れば判ると思います。高校野球からプロになる人間なんて限られているわけで、この試合が最後の公式戦なんて子も沢山いるわけです、心身ともに限界ギリギリのところで闘っている。彼のど派手な振る舞いは、そんなチームメイト達の気持ちを解きほぐしているんですよ。


 セレッソだって崖っぷちなんですから。こういう気持ちのこもった仕草が欲しかった。それをようやっと河村がやってくれた。だからみんな萌えたんじゃないでしょうか。今までがおとなし過ぎたくらいですから、これからはガンガンいきましょう。

8/21/2006

セレッソを勝たせる為の3つの約束。

 ようやっと2勝目をあげたセレッソではあるけれど、まだ勝ち点が一桁で、単独最下位であることに変わりはない。おまけに明後日にはもう次の試合があり、相手は同じく残留争いの渦中にいる京都、次の試合でよりいいポテンシャルを発揮する為にはどうするべきか、それを今から考える必要があると思う。

 横浜FM戦をナマで観ていて感じた事をまとめていくと、セレッソを「勝てるチーム」に変えるには三つのエッセンスが必要だと感じた。


 一つ目は前線から、全体でかけるプレッシング。

 去年のセレッソは堅守のチームだった。それが今年に入って急激に悪化した。しかし開幕時の原因と、現在の原因は、少し違う。

 開幕時の守備崩壊の原因は、中盤の運動量と質の低下だった。

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 これはダービーの時(3/12)のスターティングメンバーなのだけれど、中盤の四人、ピンゴ、河村、下村、ゼ・カルロスのバランスが明らかにおかしかった。ピンゴはサイドでプレーするには運動量が足りないし、ゼ・カルロスもあまりスタミナ豊富なプレーヤーではない、河村は移籍したばかりでフィットしておらず、下村は去年やっていた潰し役からファビーニョがやっていたリンクマンへと役割を変更させられ、そのギャップから精彩を欠いていた。これではいいプレーができないのは当たり前。


 一方塚田監督に代わってからの問題点は前線からのプレス不足。

 塚田監督は就任当初から、かなり頑なに4-4-2の2ラインディフェンスに拘った。

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 これはアウェージュビロ戦(7/22)でのスターター。前線が柿本、西沢とセンターフォワードタイプ二人で、あまりチェイシングが得意なほうではない。また前田、ブルーノ、藤本、宮本と対人に強い選手が多いにもかかわらず、殆どの時間ゾーンで守備をしていた。その為ボールポゼッションが悪く、二列目からの飛び出しに殆ど反応できていなかった。福西のゴール等はその典型と言える。自らが作ったスキームを遵守するあまりに、一歩目が遅くなっていた。


 横浜FM戦での布陣、戦術は、この二つの失策を踏まえてチョイスされたものだった。

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 徳重、森島寛、西澤が前線からプレッシングをかける事で相手のプレーを限定させ、中盤、最終ラインの負担を軽くする。バックも運動量豊富な選手が揃っているので、ダレが少ない。最終ラインはマンマークに集中出来るので、プレーの質も上がる。後半4-4-2になってから防戦一方になったことからも、3-4-2-1、マンマークが現時点でのベストだと言える。


 二つ目は試合の中でのペース配分。

 今のセレッソは失点するとプレーが萎縮してしまう。それを防ぐには、やはりリードしている事が大事。勿論リードが大きいに越したことは無い。

 あまりに当たり前なセオリーではあるけれど、まずなんとしても先制点を奪う事が大事になる。そして出来る限りイニシアチブをとり続ける。そうすることでスタミナを温存しておくことが出来るから、一つ目で述べた運動量の低下を防ぐことも出来る。


 三つ目は、ベテランの効果的な起用。

 セレッソは全体がかなり高齢化している(というか中堅の層が異様に薄い)。森島寛、西澤、徳重、山田、柳本、吉田…。加えて名波もやって来た。

 勿論アンバランスなチーム編成はあまりいい事ではないけれど、現実としてそういう形になってしまっているのなら、その長所を生かす手立てを考えなければいけない。

 前節の勝利について、名波がプレーしていないにも拘らず、「名波効果」と謳った新聞記事やブログエントリが多く存在したけれども、強ち間違ってはいないと思う。

 沢山の経験をつみ、さまざまな局面でどうあるべきなのかを知っているベテランの存在は、ピッチに立っていなくても効果が有る。

 河村などは、いい例ではなかろうか。かつてのチームメイトである名波に触発され、持ち味の強い身体能力とフレキシブルさを兼ね備えたプレーが出来るようになってきた。

 また徳重は久々のスタメン起用にも関わらず、自らに課せられたシャドーという役割をしっかりとこなした。これもいろんなシーンでプレーした経験が生かされているのだと思っている。

 冷静に局面を分析できるベテランを要所要所で使えれば、仮に拮抗していたり、或いは劣勢に立たされていても、チームが慌てるなんて事は無いだろう。


 本当はもう少し勝利の余韻に浸りたい。それは嘘偽りの無い気持ちだけれど、残留を勝ち取るまでは、しっかりと集中しなければいけない。つらい日々はまだまだ続くのだ。

娘のおかげでメシが食えた。

 ウチくらいだと思うよ、検索キーワード「断食」で引っかかるサッカー系ブログも。

 でも、昨日も今日も断食なーし!勝ったからなーし!「勝利の女神」、「0封の魔女」、愛娘たろもの神通力のおかげで幸せ太りだよ。

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 しかし皆が声をからして声援しても、娘がポップコーンを食べながらちょいと出した神通力の方が効果的なのかと、ちょっと切なくなったり…。たろも曰く「パワー送ってんねんで」とのこと、いつからそんな羨ましい能力を身につけたんだよ。まあいいか。

 いつもと同じ帰り道、長居のスロープを降りていくサポーターの顔も、皆いつもと違ってた。笑顔、笑顔、笑顔みんながみんな笑ってた。ゴール裏の人達も、日頃は殺伐としていたけれど、何度も気勢をあげて喜んでた。阪和線に乗ってたセレサポのカップルはずっと明るい顔で話してた。やっぱり勝つっていいもんだ。


 そしてそして、待望の勝利の晩餐は、女神様の御意思によりマクドナルドとなりました。ハッピーセットのおじゃる丸のおもちゃはそれほど魅力的でしたか。

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これ全部食ったわけじゃないよ。4人分だよ。


 わたしゃビッグマックですよ。カロリー?知ったこっちゃねー。むしゃむしゃむしゃ。うめー、うめーよ。

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 実は今日も出勤していて、しかも蒸し暑い中での力仕事だったので、もしマケダンなんかしていたら確実にマズかった。二重の意味でセレッソとたろもに感謝感謝です。

8/20/2006

C大阪2VS0横浜FM 鉄壁の女神。

 試合の後にメシが食える。それは私にとって特別なことだ。ジャンクフードでも、それは変わらない。

 その馳走を用意してくれたのは、セレッソイレブンと、我が家の女神「たろも」、本当に格別だ。


 しかしスタメンを聞いた時は、「また野菜ジュースですか」と気が遠くなった。注目されていた名波はおろか、山田も、大久保もベンチ。

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 ところがこれがうまく機能する、中盤が随分ましになった。ボランチの二人、河村と宮本の活躍はとりわけ素晴らしいものだった。

 河村は移籍当時「借りてきた猫」のようにおとなしい印象だったけれど、暫くぶりに観た彼はすっかり闘える選手に変わっていた。運動量がとりわけ増えたわけではないけれど、スペースを見れば前に出る、ブルーノが上がれば後ろを埋める、そういうそつの無さにあたりの激しさが加わり、いいボランチになっていた。コーナーキックの際にゴール裏を煽る仕草を見せた時は驚いた。

 宮本は対照的にかいがいしくピッチを駆け回り、相手とボールの間に華奢な体を投げ出す。終盤足をつったりもしたが、90分間この大役を務めあげた。周りが河村、河合、マグロンと180㎝オーバーの選手ばかりで、ピッチではとりわけ小さく観えたが、試合の中で彼が果たした役割は大きい。


 心臓であるボランチがこれだけ頑張ってくれれば、攻守にいい流れが生まれる。1対1では横浜の選手が上手いし、体格でも勝っているけれど、足りない部分は運動量や、チームワークで補う。それはセレッソが昔からやっていた事で、今まで出来なかった事。今日はそれがしっかりできていたのが何より嬉しかった。

 そういう中で森島寛の伝統芸、ラインの裏を突く動きが決まる。相手の急増ディフェンスラインが不安定なのをキチンと突き、角度の無い位置から泥臭くボールをねじ込む、これぞモリシというゴール。このゴールでセレッソは勇気付けられた。


 もちろん万事が万事上手くいったわけではない。密集していてもそこを突破される、などというシーンなど数えられないほどあったし、相手のシュートがバーを二度叩く幸運も有った。吉田に救われた場面も数知れず。

 それでもそんな幸運を呼び込んだのは自らの努力があったればこそ。後半早々の古橋のゴールも、貪欲にゴールに迫ったご褒美のようなもの。


 細かなミスを出しながらも奮闘してきたセレッソに、あえて苦言を呈するポイントが有るとすれば、ここから、後半二点差がついてからの闘い方だろうか。


 リードした後塚田監督がとった策は、3-4-2-1から4-4-2へのシフトチェンジ。徳重を下げて山田を投入、右サイドへ。

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 理屈は判る。マリノスの攻撃は、長いボールを3バックの両サイドに散らしてマルケス、坂田を走らせ、そこに橋頭堡を築くことをベースとしていた。そのスペースを埋めるには4バックがいい。

 ただ3バックから4バックになり、前線が西澤、森島寛の二枚に減った事で前線からのチェイシングが効かなくなり、結果ボールポゼッションが急激に低下してしまった。また4-4-2になってから、相手が長身のハーフナーを投入し、ロングボール、アーリークロス主体になった事も混乱の原因となった。


 結果論になるけれど、この混乱を避ける為に、山田を3-4-2-1の森島寛の位置に上げても良かったように思う。実際山田は終盤かなり前に出ていたし。また素直に森島寛と大久保を交代させていたけれど、援護が少なく効果は薄かった。

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 さて、後半も30分が過ぎ、勝負がほぼ決したところで、スタジアムはにわかに「名波を出せ」という雰囲気になってきた。しかしここで後半になってドゥトラと激しいマッチアップを見せていた藤本が負傷、10人でプレーする時間が生まれる事を嫌った塚田監督は、最後のカードとして山崎をチョイスした。

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 これはこれで良かったと思う。サッカーにとって最も大切な事は相手より多く点を奪う事であり、有名な選手がプレーをする事ではないから。


 まあ何はともあれ久しぶりの勝ち点3、感慨も一入だ。明日はご飯をたくさん食べよう。

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8/19/2006

女神ひとり呼んでます。

 今日の横浜FM戦、「~WELCOME勝利の女神 なでしこDAY~」なのだそうです。

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 ウチで勝利の女神というと、この子しかおりません。

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5試合連続無失点記録継続中の愛娘「たろも」でございます。


 ちなみに観戦の記録。

2005年

4/7 名古屋戦 1-0 (シーズン初完封&初勝利)

5/4 東京V戦 0-0

9/17 磐田戦 2-0

11/20 川崎戦 2-0

2006年

4/15 福岡戦 0-0 (今期リーグ戦唯一の無失点試合)

5試合 総得点5 総失点0 3勝0敗2分



 と、なかなか素晴らしい戦績でございます。これすごいっしょ。

 ただ難点というか、感が鋭いというか、なぜか失点する試合、負ける試合に誘っても「しんどいからいかへ~ん」とへそを曲げてしまうのです。

 そして昨日「お父ちゃんと一緒にサッカー観ようよ~」と誘ったところ「かいけつゾロリ観たいから行かれへんねん」というつれない返事が。いや、招待券有るんで意地でも連れて行きますけれども、何か悪い事が起こりそうな予感が…。いやいや、そんな事は無いでしょう。信じてますよ、女神様!

横浜FM戦予報。

 名波の移籍第一戦だから、というわけではないですが、フィールドの芝を刈り込んでみました。綺麗にみえているかどうか…。

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 パスを出す方、出される方のバランスが、少しだけとれてきました。右サイドがフジモンか山田ならさらにいいのですが、塚田さん苔口買ってますからね、どちらか判りません。

 仮に右サイドが苔口でも、それなりの破壊力は出るでしょう。横浜FMは上野、松田(よく考えるとこの人が余計なことせなんだら去年優勝できてたのね)が出場停止らしいですし、せめて封殺だけは避けたい。

 その意味でば「ジョーカー」としてピンゴがいるのはプラスですよ。15分~30分くらいはフルパワーで動けるのは判っていますし、暖機運転の必要のないプレーヤーですから。


 守備は、宮本が頑張らないといけないでしょうね。名波、モリシ、山田なら中盤の半分は30代ですから。名波が余裕を持って下村と交代、がベストですが、なかなかそうは行かないところで…。


 そうそう、全然関係ないですが、明日は大阪市や尼崎市の小学生が大挙して押し寄せてきます、ご来場はお早めに。「無失点の女王(540分間連続無失点継続中)」のたろも(+家族知り合い総勢6名)も参戦が決定しましたから、運も味方につけて、頑張りましょう。

8/18/2006

長居改修問題 9億円で出来ること。

 昨日の記事で長居スタジアム改修費が9億円以上余っている事を書きましたが、もう一箇所、改修する部分が有る事を忘れていました。ホーム(北)側の電光掲示板を発光ダイオード形式にする改修です。

 近年青色発光ダイオードの発明で、LEDを使ったビジョンが飛躍的に発達しました。フルカラーを表現できる上に、既存の電光形式よりも耐久性がいいので、最近スタジアムに取り付けられる殆どのビジョンは発光ダイオードを使っています。

 もし余った9億7000万円が全額掲示板の改修費だとすれば、どれ程のものが出来るのでしょうか?青色発光ダイオードは少し割高の為、施工費は高価になりがちと聞きましたが?

答え

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9.984m×52.992mくらい。


 福岡ヤフードームで今年から使用されている新しいホークスビジョンの総工費が約10億円程度だそうです(ソース)

 長居の南側スタンド上にあるビジョンが高さ9.3m、幅24.8m(ソース)らしいですから、それのおおよそ2倍のビジョンが作れますね。東西の屋根の端から端までを覆ってもそれ程のビジョンにならない。やっぱり合点がいかないですね。


 というわけでおなじみゆとりとみどり振興局への電話取材です。こっちも向こうももう慣れました。職員の方、少しうんざり気味の対応です(w 

 話せば長くなりますので、かいつまんで。

・トラックの改修については当初全面改修の予定だったが、財政逼迫の折、工費圧縮の為、表層だけを張り替えるオーバーレイ工法に変更した。予算に比べてトラックの改修費が安いのはその為。

・10年前と同じ舗装材を使ったオーバーレイ工法でも、クラス1の認定を受けられる(確認済み)。

このまま工事が順調に進捗すれば予算が余る可能性がある。

・その場合は長居、長居第二の芝等を含め、老朽化している施設の改修に予算をまわす、かもしれない。


 全体的に歯切れ悪い感じでした。財政が逼迫しているならそもそも世界陸上の誘致をしなければいいのにな。


 なんかちょっと予算組みとか杜撰な感じがしたんですがどうでしょうか?

長居改修問題 消えた9億円。

 長居の改修業者が決まったようです。トラック部分については大阪の株式会社奥アンツーカが2億2200万円で落札、スタンド(障害者席)の改修についても同じく大阪の辻岡土木株式会社が8576万1千円で落札しました。詳細は大阪市のページにて。


 株式会社奥アンツーカは長谷川体育施設株式会社のようにCLASS1認定トラックの改修実績は無いものの、96年の長居大改修の時にトラック部分を施工した実績の有る会社、早速電話取材しました。

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 まずなぜトラックの改修費が2億円代に納まったのか。本来は一番下の素地から張り直すところを、表層(2㍉程度)を削って、そこに新しい素材を流し込むだけにしたからだそうです。それほど大掛りな工事ではなさそうかな。材質を乾燥させたりしなくてはいけないので、それでも9月~12月の工期は変わらないようですが。

 ちなみに流し込む素材は、96年の大改修時と同じトップエースCLを使用するとのこと。日本陸連は高反発ウレタンで新記録を期待していたはずなのですが、予定が変わったのか何なのか…。

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 それから辻岡土木株式会社にも取材をしたのですが、こちらはまだ落札したばかりで、ゆとりとみどり振興局等関係団体との話し合いもまだなので具体的な事は話せない、というすげない返事でした。収穫は無し。


 しかし今回話題にしたいのはこれからの話。以前のエントリで大阪市が予定している長居スタジアムの改修費が12億4146万8千円であるとお伝えしましたが、改装のメインであるトラック、スタンドの改装費用が、思ったより小額だと思いませんか?単純に引き算をすると

1241468000(予算)-222000000(トラック改修費)-85761000(スタンド改修費)

=
933,707,000


 何と9億3370万円も余ってしまうんです。電光掲示板の設計費が330万で落札されており、設計費は施工総額の1割が相場という事を考えると、電光掲示板の改修だけで9億以上もかかる事は考えづらい。いよいよもって予算配分が判らなくなってきました(ちなみに告知イベント等の予算は別枠で計上されています)。


 施工業者も施工法も予算も?だらけのこの改修、ほんとうにキチンとしたものが出来るんでしょうかね、すこし不安だったり…。

8/17/2006

日本2VS0イエメン ただ今修行中。

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スターティングメンバー


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ハーフタイム


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後半26分


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後半44分



 それにしても守備を固めた時の中東勢のしぶとさときたら…。まだカウンターまでのイメージの無いチームだったから良かったものの、もう少しレベルの高い、サウジのようなチームだったらどうだったか。

 それでもしっかり2得点出来たのは良い事だし、攻撃のバリエーションが枯渇しなかったのも悪くない。日本を代表する素晴らしいポテンシャルを持った選手達でも、僅か180分間で千葉の選手が2年かかったというオシムサッカーの全てを知り尽くしたとは思えないし、今はこれでいいと思う。というのは甘いかな?


 前半は、あまり見所の無い45分間だった。鈴木啓太、坪井、闘莉王の浦和トライアングルがポカミス一つで乗り切った以外は、特筆する事が無い。初戦よりも中盤はチグハグだったかも知れない。前線の田中達也と巻のコンビは、田中達也と我那覇よりは悪くなかった程度。


 というわけで後半アタマからは申し子の一人、羽生が汗かき役として登場した。個としても運動量、パス出し、ドリブル精度は平均以上。しかしより際立ったのは親和性だった。どこででも、誰とでも組める存在は、監督としても有り難いものだと思う。田中達と二人でイエメン守備陣に挑む姿は、さしずめ指輪物語に登場する警戒で勇敢なホビット族のようだった。この試合では「古巣」ジェフ勢から選出された4人が全て登場したが、その中でもとりわけ素晴らしい働きをした。


 組織としてチームを見るなら、オシム流の守備の崩し方が、ほんの僅かながら垣間見えた事が収穫。ジーコジャパンなら中澤の高さ、中村俊輔のフリーキック、鈴木隆行の被ファウル(! で相手をこじ開けるところを、手を変え品を変えて攻め立てた。高さをオトリで使ったり、ドリブルとショートパスのコンビネーションで崩してみたり、(不器用ながら)ミドルを打ってみたり、本当に引き出しが多い印象が有る。阿部、佐藤寿とクレバーで泥臭い選手が得点を挙げたのも偶然ではない。精度がもう少し高ければ、もっと楽に試合運びが出来ただろうけれど、今はこれでベター。


 いつまで「今はまだオシムサッカーを勉強している段階」と言っていてもいいのか、そこが少し疑問ではあるけれど、今有る素材で出来る事を、全てやってもらえているのは有り難い事だと思う。

8/16/2006

僕らが知りたいことはそんなことじゃない。

 昨日のニュース番組は、小泉首相の靖国参拝一色になった。というか、そういう編成になっていた。左派だった加藤氏の実家が放火されるなどショッキングな事件が重なって、各局ともオーバーヒートしてしまいそうな報道ぶりだった。今はテレビなど見ていないけれど、多分今朝起こった北海道でのロシアによる日本の漁船拿捕のニュースなど、あまり取り上げられていないんじゃないだろうか。


 先の川淵氏解任デモの際にも感じたことなんだけれど、最近テレビが流したい情報と、私達が知りたいと感じている情報に、差が生まれているような気がする。

 デモの際の報道のされ方はこうだった。まずトリニダート・トバコ戦の様子が流れ、その次にデモの準備に追われる参加者達が映される。なぜ今デモを起こすのか、最低限の説明がなされた後に、デモの様子の画像。ここでは刺激の強いプラカードがクローズアップされる。デモに参加していた人のコメント、そして最後に、「一般のサポーターの代表」として、何人かのレプリカを着た人達の「川淵さんはJリーグを立ち上げた立役者なのに」という意見が出る、といった感じ。

 日本語で文章を書く場合、大抵伝えたい事程最後に書くのが効果的とされる。例えば同じ事象を書く場合でも、「貴方はガンだけれども、治療すれば完治するケースがある」と書けば希望的な見方が出来るが、「完治したケースもあるが、ガンだという事を認識してほしい」と書いてしまえば前向きに捉えるのは難しい。今回のデモの場合は、恐らく発起人の意図とは別の報道のされ方をしたのではないだろうか。このビデオのつくりだと、デモを起こした人達は「一部の変わり者」程度の印象しか残さない。


 アマチュアの人によって、本当に望んでいたニュースや動画を、ブログやYOU TUBE等で補完して貰っているから、ある程度のガス抜きはされているけれども、この状態があまりいいとは感じない。既存のテレビや新聞といったメディアを「古いメディア」としてバッサリと切り捨ててしまったほうがいい、とまでは言えないけれど、それらの流す情報の信用度が下がり始めているのは事実だ(例えば映画を観る時、映画評論家の評価よりも、一般の人達のレビューを参考にするのは、その端的な例だと思う)。「ウソをウソと見抜く」力、以前はネット掲示板だけに必要な能力であったけれど、今は生活を営む上で必須の能力になりつつある。

名波の為の大宮戦か。

 実は大宮戦を観ていて、一つ不思議だな、と感じるところがあった。それはボランチの並び方。

 普段なら右サイドを好むピンゴの為に並びは右にピンゴ、左に宮本(ないしは下村)。しかし、この試合に関しては右に宮本、左にピンゴという並びだった。

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 これが何を意味するのか、大抵の方なら察しがつくはずだ。大宮戦でのピンゴの位置こそが、塚田監督の考える名波のポジションなのだ。

 それを踏まえた上で、今のセレッソのベストな布陣を考えてみる。

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 悪いメンツではないと思う。プレスキッカーは左と右一人ずついるし、森島寛、大久保のトップを追い越す動きが無駄になる機会も減るだろうし、サイドからの折り返しの精度もそれほど低くないだろうし。

 ただ名波の年齢を考えると、守備の負担が軽減される事はないだろう。守備が安定しないと、いかに強い攻撃力が有ったとしても、それを生かす機械自体が減ってしまう。


 それをカバーする為に、「セレッソ板N-BOX」はどうか、というcerezoblogのろくばんさんのエントリーは面白いと思う。これなら名波が守備に忙殺される事も無いだろうし。

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西中島版N-BOX。山田、宮本の守備力がキモ


 しかし黄金期の磐田を持ってしても、完成までに練磨に次ぐ練磨を繰り返したN-BOXを、今のセレッソで出来るのか、少し疑問ではある。失敗を恐れているような立場ではないから、試してみても批判はしないけれど。


 磐田サポの方がご覧になられたなら、何を無茶な事をと感じられるかもしれないが、今のセレッソは、こういう非現実的な発想を具現化させるくらいの勇気や決断力が無ければ、活路が見出せないような位置にいるチームなのだ。

8/15/2006

エンターテイメントのチカラ。

 マケダンの最中にもかかわらず、映画を観にいきました。以前から観たかった「時をかける少女」。評判が良かったので期待していましたが、その期待以上に楽しい、切ない、いい気持ちにさせてもらえる良作でした。

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 ただあまりに評判がいいので劇場は大混雑。もともと大阪唯一の上映館であるテアトル梅田1が僅か119席しかない事もあって、2時45分からの回のチケットは売り切れ、仕方なく4時55分からの回の整理券をもらい、近くのファミレスで遅い昼食をとる事にしました。

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「じゃあ、私はこのシーフードドリアと、サラダセット」

「シーフードドリアとサラダセットですね、ドレッシングは?」

「じゃあ、ゆずで」

「かしこまりました」


「僕は、このプレミアムドリンクバー

「?」


「いや、このドリンクバーで」

「は、はい…」

 証拠写真はこちら。

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 ココア2杯、アイスカフェラテ2杯を持ってしても空腹は補えず、上映時間が近づいてきました。あー、こんな状態で映画観れるかね、なんて思っていたんですが、前述のとおり、何の問題も無く、とてもいい気持ちになりました。空腹とか、そんな事忘れてしまいましたよ。


 よくよく他の観客も観ていたんですが、みな静かなんですね、笑えるシーンも泣けるシーンも。別にすべったり飽きたりしているんじゃなくて、しっかりとこの映画を心に記憶しておきたい、という一心でスクリーンを観ているから。主題歌の歌詞じゃないですけれど「この胸に焼き付けよう」と、そんな雰囲気でした。だからエンドロールで立ち上がる人なんて誰もいませんでした(あれって邪魔なんで辛いんですよね)。


 私はサッカー好きですから、何でもサッカーに結びつけちゃうんですが、やっぱり良いものを観れば、子供であれ、自称辛口評論家であれ、ヤジ将軍であれ、必死に試合観ますよ。スタジアムに来ているからには、最低でもサッカーを観たい、という欲求が何にも勝って有るわけですし。

 それなのにスタジアムの空気があんなにバラバラになってしまうのは、サポーター(と自らを定義している人)やチームが「ファン」の納得するクオリティを出していないからじゃないでしょうかね。「この胸に焼き付けよう」という試合が出来ていないからじゃないでしょうかね。

 これは単なる他者への批判ではなくて、これは私自身に対する問いかけでもあります。どうすれば、長居を、誰かの心を突き動かす空間に変えられるのか、自問自答の毎日です。

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