6/30/2006

Run! Run! Run!

 ワールドカップもベスト8が出揃って、昨日今日と中休み。明日はいきなりドイツ対アルゼンチンなんて濃ゆ~いカードが出てくるんで、こちらも今のうちに休んどかないと体がもたない。

 そりゃだらだらと見ている分にはいいけれど、何せモダンサッカーというやつは展開が早いし、大きいから、ちょっと気を緩めると試合の流れが全然判らなくなってしまう。しっかりと目に焼き付けるには視聴者だって体力がいるのだ。90分というのは観る側にとっても限界点かもしれないな。


 そんな激しいサッカーのベースになっているのは、やっぱり運動量。ボールを持っている時も、ボールを持っていなくても、ボールが来ないと感じていても、11人がダイナミックに、連動して動かない限り、勝利は勿論、得点する事すら難しい。例え圧倒的な個人技が有ったとしても、誰かがフォローに入らない限り、大抵潰されてしまう。ロナウジーニョが今大会それほど輝いていないのは、彼自身のコンディションもあるだろうけれど、対戦相手からのきついマークも要因でしょう。その分チームメイトのマークが甘くなるのだから、全く貢献していないわけではないけれど。


 そう、運動量の話。どこかで今大会の「国別運動量」のランキングが載っていたけれど、日本の選手はフル出場したとして、一試合あたり9キロ程度しか動けていなかったらしい。一番動いているチームが平均14キロくらい走っていたそうだから、日本はその2/3程度しか動かなかった事になる。いくら熱い昼間の試合が2試合続いたとはいえ、寂しいデータではある。

 そりゃ単純に走り回ればいいのかというとそうではないし、量と質のバランスも国によって違うから、一概には言えないけれど、少なくとも今の代表はそういう話以前の運動量しか持ち合わせていないらしい。


 こういうのは生観戦をしてみると本当によく判る。味方のシュートコースを空けるための敵を引き付ける動きだとか、ラインをトップスピードで抜ける為の予備動作だとか、ワン・ツーを決める為にお互いのポジションを調節するところだとか…。

 泥臭いところだと、一度抜かれた相手にもう一度アタックをかける動き、それをサポートするために相手の攻撃をディレイさせる動きなんかも重要だと思う。分厚い守りと言っても選手は同数な訳で、分厚く見えるのはそういう動きを繰り返しているからなわけで。

 私なんかは試合終盤とかに、いつまでもオフサイドポジションでちんたら歩いている選手を見るとイライラしてしまう。その選手がラインに戻るまでは、そのチームは10人で闘っているのといっしょなんだから、早く戻れよと。


 観ていて楽しい時、勝っている時のセレッソも、大抵よく動けている。質はどうか判らないけれど、少なくとも全員が何かの共通認識を持って動いている。攻撃力が売りだった2000年の1stステージはモリシ、ノさん、西谷が、アキの後ろでぐるんぐるん回っていて、特定の選手をずっと追いかけるのがやっとって感じだったし、去年もモリシ、フル、ファビーニョ、トミーの4人が作るブロックが、攻守で献身的に動いていた。モリシが外国の選手(ストイコビッチとか)に評判がいいのも、質量共に豊富な運動量が有ったればこそなんだろうな。ああいう選手がたくさんいるチームでパサーをしているときっと楽しいんだろうな。


 振り返って今年のセレッソ、動く選手は動いているんだけど、ちょっと空回りっぽい。選手個人の問題でも有るけれど、チームとしても考えないといけないポイントじゃなかろうか。頑張って走ってもボールが来ないとなると、自然と鈍化していくものだと思うし。

 そういうところでも嘉人のプレーに期待してしまう。決して90分間めちゃくちゃ動き回るタイプではないけれど、勘所になると惜しみなく駆け回って、ゴールを量産する。ボールが出なけりゃ吠えまくるし。そういうところって若手にとってもいいお手本になるでしょう、デカシは既にだいぶと感化されたようだけれど、もっと他の選手も見て、まねてみてほしい(叫ぶところだけ真似するとカードが増えるだけだから注意)。


 岡山から帰ってきた時には、キチンと闘えるチームになっていてほしい。しょっぱなが大分戦で、ちょっとヘビーな展開が予想されるけれど、ここはポイントだから、頑張って。よしっ、久しぶりにセレッソ系ブログらしい記事が書けたぞ!


 

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