5/31/2006

「センセイ」に気をつけて。

 最近「センセイ」の度が過ぎるなという話題が二つばかり有ったんで紹介します。

 一つは話題になっている洋画家、和田義彦氏の盗作問題。「芸術が判る人なら別物だという事は明らかなはず」とは氏の弁ですが、学生時代に美学、西洋美術史の成績が「優」だった程度の私には盗作としか思えません。それが正しいかどうかさえ判らないのが芸術。なんて言われちゃうともう何も言えないんですが…。

 唯一つ確かだと言えるのは、和田氏が不誠実な対応をしているという事。もし本当に揺ぎ無い信念と自信が有るのなら、もっとしっかりと表に出て、過ちを正すべきなのでは。今のままでは「ほとぼりが冷めるまで逃げ回っている」と思われても仕方が無い。

 しかし、もし本当に盗作であるとするなら、氏のとった行動は、実は「ベスト」なんです。そこに日本画壇の歪みが有る。


 日本には画家別の価格表が存在しています。その人が描いたものならどんなものでも最低これくらいは値がつく、というのが描く前から決まっている、そんな世界なんです。


 畑違いですが私の知り合いに一人の書家がいます。彼自身決して傑出した素晴らしい才能を持っているわけでは無いのですが(勿論全く素養が無いわけでもないことを追記しておきます)、彼が一筆書くだけで、数万の値がつくのです。

 理由は単純、彼が今書道界で力を持っている書家の弟子だから。それだけです。権威が全てを決める、というと大げさですが、そういう要素が多分に有るのです。ですから和田氏もずっと沈黙を続け、話題が他に逸れるのを待っていれば、恐らく生活するに事欠かないくらいの収入を得られるでしょう。氏がそういう流れをイメージしているのかどうかは判りませんが。


 もう一つ、都市計画や建築などの有識者で組織されている美しい景観を創る会悪い景観100選を発表し、選ばれた地域の住民が困惑しているという話題。

 2nnで知って、問題の悪い景観の写真を見てみたんですが、撮った人が上手いのか結構いい感じの写真が多い(笑 良い景観、悪い景観、主観によるもので、その差は僅かなものなのかも知れないですね。

 私が悪い景観に対して悪い印象を持たなかったのは、そこに人が生きている感覚を見たからです。人が生きていく為に試行錯誤していった結果が、時に奇妙であったりするのは、むしろ自然な事。もしその表層ばかり見て醜悪というレッテルを貼ったとしても、そこに生きる人達のライフスタイルを根底から変えない限り、多分何も変らない。その意味ではこの100選は誰も易になる事の無い、無駄な企画だと言えるでしょう。


 不動産業界には「センセイは信用するな」という言葉が有るそうです。日頃から権威としてもてはやされている「センセイ」は、時に突飛で、非常識で、傲慢であるから、重々注意しろという意味だとか。

 勿論全ての「センセイ」がそうであるとは思いませんが、立て続けの話題でしたので、私なりの考えをまとめてみました。


 

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