5/04/2006

清水1VS0C大阪 空転。

 大阪は日差しがまぶしくて、暖かくて、風の無い穏やかな一日だった。これで勝ち試合が観られていれば、文句の無い黄金週間だったのだけれど。

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 スタメンを観ていると、トップは柿本と西澤、トップ下に森島寛。中盤はダイヤモンドというより3人が下がり目で、左から徳重、下村、山田。センターバックの一角には柳本、山田が上がった後の右サイドは山崎。どちらかと言うと守備に意識のある布陣。

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 立ち上がりから2回ほど、柿本が絡むチャンスが有った。柿本が前で踏ん張っていると、西澤にかかるプレッシャーが低いので攻撃にタメが出来ていい。どちらかが決まっていれば流れを掴めたかもしれないけれど、あれはあれで精一杯のプレー、止めた相手が上手だった。


 一方の守備も、絶好調というわけではなかったけれど、それなりに頑張っていたと思う。清水の両サイド(兵働と藤本)が上手くボールを散らして守備を拡散させ、マルキーニョス、チョ・ジェジンのプレーエリアを作っていたが、4バックとその前の3人がしっかりと守れていた。山崎、柳本と粘りが身上の選手を起用した効果が出ていた。数少ないピンチとなったマルキーニョスの素晴らしいミドルは、吉田が右手一本で弾き出す。


 攻め、守り、一つ一つを取り上げれば、それなりの形は出来つつあったのだけれど、サッカーは攻守が表裏一体のスポーツで、ボールを奪ってから攻撃の形になるまで、またボールを失ってから守備の形を作るまでのモタツキがとても気になった。前半セレッソがそれなりの動きをしていたにもかかわらず、清水にイニシアチブを奪われていたのはその辺りに原因がある。

 セレッソではこの役目を下村、山田が担っているのだけれど、二人ともパスワークに関しては不満の残る出来だった(まわりの動き出しの遅さも有るので100パーセント二人の責任とは言えないが)。そのフラストレーションが後半の伏線になる。


 後半立ち上がりすぐ、マルキーニョスのあわやというオフサイドを皮切りに、清水がひたすら攻めにかかる時間帯が数分続いた。マークの受け渡しのズレを突かれたり、パスの出しどころを封じられたりで、窒息しそうな展開。

 その状態を打破する為に、最初の選手交代。森島寛に代わってピンゴを入れ、パスの出しどころを増やした。連戦続きで活動量の落ちた森島寛を休ませる意図も有ったか。

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 最初はその意図通り、ある程度プレーエリアの中心を清水側に押し上げられたものの、ピンゴがあっという間に動かなくなり、下村が全く余計なカードで退場になった事で、掴みかけていた流れを簡単に手放してしまう。

 下村が看板に向ってボールを蹴った行為に関して、擁護する気にはなれない。自身の、そしてチームの状態が一向に良くならない事に対する苛立ちは判るけれど、チームを引っ張る役目を任されている選手がしていいプレーではない。


 一人減ったセレッソは山田をボランチ中央に、ピンゴを右に置く。空いたトップ下の仕事は中盤の押し上げと西澤のボール捌きで分担し、守備第一の選択をする。無難な選択で、これ自体に間違いは無い。

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 攻められるのは覚悟の上、必死のクリアが続く。ゴール前でのセットプレーが増え、その精度も少しずつ増していった。コーナーキックが一度、二度、三度…。もう少し我慢が出来ていればというところで、踏ん張りきれないセレッソ。マルキーニョスのバイシクルが後半26分、ついにゴールを捉えた。


 こうなるともう攻めるしかない。徳重を下げて古橋。

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 さらにゼ・カルロスを一列あげて3バックにシフト。負傷した柿本を下げて宮原を入れ、3-5-1。

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 これだけ手を変え、品を変えすれば、目まぐるしいポジション変更で相手も混乱する。清水が1点に満足気味な事も幸いしたか、後半から終了間際は一人少ないながら五分の戦いだった。ただ、スコアは動かない。西澤のボレーが清水DFの体を掠めてサイドに反れた瞬間、試合終了のホイッスルが日本平に響いた。


 広島が勝った為にまた最下位に転落。攻守の要である下村を欠いて攻撃力のある川崎とアウェーで当たる。これ以上最悪の展開もそう無いだろう。チーム全体がいい意味で開き直るくらいしか、打開策が見つからない。


 

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