3/13/2006

C大阪1VS6G大阪 凍てついた狼。

 6点とられるのは悔しいが、7点とられた試合も9点とられた試合もしっかとこの眼で観てきたから、特別にどうということはない(そういう神経がもうどうにかしているのかもしれないけれど)。3点とられてからはリスクを承知で下村をワンボランチにした。そしてそれが裏目に出た、それだけの事。

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77min



 それよりも大事なのは、去年から右サイドの中盤二人が入れ替わっただけのセレッソが、大量に選手を入れ替え、システムまで替え、おまけに連戦続きだったガンバに、組織力と運動量で完敗したところに有る。

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 スタメンは予想通り。小林監督らしい選択だと思う。

 序盤からボールポゼッションはガンバだった。とにかくよくボールが回る。4-3-1-2の時も有れば遠藤が上がって4-2-2-2になる時もある。その連動性はスムーズで、ボランチ二人は無駄に体力を削られてしまった。

 やっと奪っても前線の3人に入るボールが極めて雑で、体勢を整えるまでにDFに寄せられてしまう。裏に入るボールも少なく、森島、古橋の良い所が出ない。これで好調な西澤が奔走していなければ前半で試合が決まっていたかもしれない。


 両サイドは名古屋戦よりはましだったけれど、それにしても「まし」であっただけで、決して効果的とはいえない動きだった。

 ただそれに関してはゼ・カルロスもピンゴも責める気にはなれない。左のゼ・カルロスは誰が見ても狙われていたし、消し方も研究されていた。それでも攻撃のリズムを作る選手がいないのでボールがどんどん集まってくる。右のピンゴは全く逆で、動いていてもボールが来ない。やっと来たかと思えば今度はフォローが皆無ではファビーニョでも活躍は難しかっただろう。

 それでも前半戦を1-1で終えられたことで、セレッソにも幾らかの勝機は有った。インターバルの15分間で修正をかける事が出来たのだから。しかし後半のセレッソに、何か劇的な変化があったようには見えなかった。そして辛い45分間が始まった。

 好機に放たれた古橋のシュートはゴールの遥か上を越えていき、同じような展開をフェルナンジーニョはきっちりと決めてきた。気持ちが途切れた3点目の後、やっと切ったカードは柿本。布陣は完全にパワープレイのそれだったが、ショートパスを繋ぐ事に固執した為に古橋の部分が締め付けられる。

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66min



 焦りはプレーの質をどんどんと下げていき、後は喜劇とも悲劇ともつかない時間が続いた。観るのに飽きてしまったか、観るに耐えられなかったか、後半30分ごろにはSB席の人達は席を離れ始めていた。


 この試合を見て誰が戦犯だとか、監督がどうだとか言うのは危険だと思う。全ての歯車が狂っていて、全てが悪い。そんな時に表層を削るだけでは、何も解決しないから。

 例えば後半こんなシーンが有った。右サイドのピンゴがスローインしようとする。ところが近くにいる河村も西澤もボールをもらいに行こうとしない。別に二人ともピンゴが見えていなかったわけでも、寄りに行く体力が無いほど疲労が極限に達していたのでもないし、ましてそんな基本的な事を忘れていたわけではない。でも、しなかったのだ。こんなちぐはぐな場面が有り得ないくらい頻発していた。それは戦術だとか用兵だとか、それを論じる以前のレベルの話なんじゃないだろうか。




 今必要なのは結束だと考える。コーチと選手、選手と選手、チームとサポーター、もう一度その関係を見つめなおさなくてはいけない。セレッソは皆がバラバラでも勝てるほどの力の有るチームではないから。


 

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