3/06/2006

名古屋3VS2C大阪 失ってはいけないもの。

 サポーターにもチームにも慢心が有った。去年好成績だったからと言って強豪になったわけではない。それに気付く為にはこの3失点が必要だったと思うしかない。名古屋がどうこうというより自滅した試合だった。

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赤と黄色(ROSSO GIALLO)の"RG"なんだろうが、
関西人にはRGにしか見えない。


 予想に反して右サイドにはピンゴ。リザーブは多田、山崎、山田、宮原、酒本、徳重、柿本が入った。

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 前半は後手後手にまわった。去年攻撃の起点になっていたゼ・カルロスには常に二人が張り付いていて簡単にボールを奪われる。だからといって中央を駆け上がっていたファビーニョはいないし、右サイドは河村、ピンゴ、森島がバラバラに動いていて形にならない。西澤が何度かマークを外して状態の良いことを示していたが、そこまでいいボール、フォローが入らなかった。

 ピンゴに関しては批判も有るが、信頼が得られていないのかボールタッチ自体が少なかった。もう少し時間が欲しい。さすがにスタメンはどうかと思うが、技術やボールタッチの柔らかさはいいものが有る。反対にゼ・カルロスは苦しい位置でもどんどんボールが来るので、別の意味で気の毒だった。


 失点は逆サイドだったので判らなかったが、セットプレー時のラインコントロールミスらしい。去年の押し込まれた時にサンドバック状態になるところを反省、修正してきたのかも知れないが、今日に関してはラインの意識が強すぎて、ブルーノのタテのカット等の持ち味があまり見られなかった。はまれば中盤、特に森島寛、古橋の負担が大幅に減るのだけれど、今日の杉本、玉田のようなスピード系FWに対しては暫く苦戦するだろう。


 後半からセレッソは細かい修正をかけた。少しラインを下がり目にして、ゼ・カルロスもポジションを下げさせた。またトップは並びに固執せず、西澤が左右に流れてボールを受けるようになった。これで幾らかバランスがとれてくる。前田の同点ゴールはセットプレーからだったが、前後の流れの良さが起因しているように見えた。


 ただ同点に追いついてから、逆に流れが悪くなる。また全体的に前がかりになり、ボールの流れが鈍化。選手同士がかぶったり、孤立したりと、ともかく流れが悪い。たまらず森島寛を下げて徳重を入れるが、そもそもの原因が中盤より後ろなのであまり効果が無い。

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 そんなペースダウンが許されるほどJ1は甘くない。緩慢なパスを中盤でカットされると、あっという間にカウンターを決められた。杉本というスピードスターがいる事を忘れてしまったのかというほど怠惰なディフェンスだった。

 目を覆いたくなるシーンが続く。僅か数分後、なんでもないゴールキックを杉本と交代で入った豊田に容易く収められ、そのまま単独突破を許したのだ。マークについていた前田、カバーに入ったブルーノは信じられないほど軽くかわされてしまった。特に前田は去年とは別人のような淡白さだった。


 勿論いいシーンが皆無だったわけではない。終盤柿本が入ったときの3-5-2はかなりいいオプションになると思う。柿本がハイボールに強い上に大きく動けるので西澤の負担がかなり減った(2点目の遠因というのは言いすぎだろうか)。ひょっとしたらスタートをこの形にして森島寛を終盤に入れたほうがチームのメンタル的にはいいかも知れない。ジュビロが中山をカンフル剤として使っているように。

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 また下村、河村のボランチはもう少し整理され、下村が攻撃に時間を割けるようになればもっと良くなる気配がある。ロングフィードがもっと出ればゼ・カルロスも生きてくるだろうし、右サイドももう少しいい流れになるだろう。攻撃に関しては引き出しは確実に増えているといっていい。

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 ただそれらはチームという一本の木の枝葉に過ぎない。根幹、土台である労を厭わぬ運動量としっかりとしたメンタリティ、挑戦者としての意識が無ければ、セレッソは勝てない。それを思い出して欲しい。私達はまだ何も手に入れていないのだ。


 

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