2/06/2006

スタジアム、スタディオ、アレナ、パーク、フィールド、競技場。

 アメリカ戦を前に、日本代表が試合会場のあるサンフランシスコに到着した。ところがこの「試合会場」というのが曲者。なんとMLBサンフランシスコジャイアンツの本拠地SBCパークでサッカーの試合をするというのだ。

サンケイスポーツ

えっ?米国戦は野球場で開催!?…日本代表戦は17年ぶり

米国戦の会場は米大リーグ・ジャイアンツの本拠地。これもお国柄?
えっ、ウソ、そんなの聞いてなーい! サッカー日本代表が5日、今季初戦となる10日(日本時間11日)の親善試合・米国戦に向けてサンフランシスコに出発した。米国戦の会場は米大リーグ・ジャイアンツの本拠地であるSBCパークで、日本代表戦が野球場で開催されるのは1989年以来17年ぶり。ところが…。関西空港から出発した主将DF宮本恒靖(28)=G大阪=らは「ホンマですか?!」と驚きの声。まさしく“未体験ゾーン”でのドイツW杯イヤー第1戦となる。(後略)


 野球場がアメリカで最も芝の状態がいい場所かもしれないけれど、それにしても面白いケースではあると思う。

 日本では東京ドームに天然芝のピッチを持ってきて試合をしたり(確か平塚VSACミランじゃなかったかな)、甲子園でガンバがPSMをしたりしている。東京ドームでは芝が腐って大変だったようだけれど、甲子園の場合はわりと違和感が無かった。

 調べてみるとそれもそのはずで、甲子園はそもそも「球場」としてではなく「大運動場」として作られていた。普通の球場の場合はライト、センター、レフトと、扇型にフェンスが張られていたり、東京ドームのようにほぼひし形に近い形に張られていたりするのだが、甲子園の場合は逆に右中間、左中間が大きく膨らんでいる。



 これはアメフトやサッカーの開催を前提として設計された名残らしい。実際今でも甲子園ボウルが毎年開催されている。「野球の聖地」である筈の甲子園が、実は専用球場ではないとは、これもなんとも面白い話だ。


 話をSBCパークに戻す。メジャーのスタジアムでも、アメフト等と兼用のスタジアムが案外多い。メトロドームやベテランズスタジアムなんかはどちらかというと野球も出来るアメフトのスタジアムという感じだ。しかしSBCパークは比較的最近出来たスタジアムで、しかも移転理由がアメフト兼用だったスリーコムパークを嫌ってという話を聞いた事がある。サッカーなど出来るのだろうかと疑問に感じていた。

 ところがそう思いながらSBCParkの公式サイトを見ていたら意外な画像を見つけた。



 ホームベースからレフトまで103メートル、ファウルゾーンが有るからギリギリサッカーのフィールドが入ってしまうのだ。しかもSBCパークのライトには観客席が無い(すぐ後ろがサンフランシスコ湾の為)のでほぼ全ての観客がサッカー専用に近い感覚で試合を楽しめる。フィールドが直線的に仕切られているアメリカのスタジアムならではといえばそれまでなのだけれど、何とも不思議な感覚になった。これもSBCパークが「スタジアム」ではなく、「パーク」と銘打つ理由の一つなのだろうか。


 関西では相変わらず野球人気が続いているし、もし新球場を、という話が有れば、こういうスタジアムにするのも面白いかもしれない。少なくとも陸上競技場でやるよりはずっと観易そうだし。


 

0 件のコメント :

コメントを投稿