1/08/2006

久藤移籍について。 イメージはお金では変えられない。

 公式には発表されてはいないけれど、久藤が自身のホームページで福岡への移籍が決まった事を明かした。個人的には、セレッソも随分な事をしたものだと思っている。

 以前にも書いたけれど、久藤と獲得が噂されているヴェルディの山田はプレーやポジションがかぶる。そして年俸を見ると、およそ4倍の差がある。

 もしセレッソが中堅のチームを狙っているなら、迷わず久藤を残留させるだろう。多少年俸をアップさせても山田の1/3程度で収まる。何より5年間他の選手達と保ってきた連携が有るから、簡単には手放せない。

 もしセレッソが上位争いをするチームを目指しているなら、久藤は残留、山田も獲る、が正解だと思う。出場停止、怪我、不調、スターターが試合に出られないシチュエーションは沢山有る。ガンバは遠藤、橋本、シジクレイとボランチが整備されているにも拘らず明神を獲得したし、浦和は言わずもがなの巨大戦力を擁している。強くありたいのなら、両取りのはずだ。


 そう考えると「久藤を切って山田を獲りに行く」チームの姿勢は不自然じゃなかろうか?「最後まで必要だと言ってくれなかった」という久藤の言葉から考えると、久藤が「限られた予算の中で両取りを目指した為のコストカット」に巻き込まれただけとも思えない。セレッソは久藤を「切る」方向で考えていたとしか考えられない。


 そこまでして山田と久藤を挿げ替える理由とは、一体なんなのだろう?確かに日本代表の経験が有り、チームの中軸として活躍してきた山田が素晴らしい選手である事に異論は無い。しかし久藤が去り、廣山とも契約しない予定であるなら、山田のバックアップは酒本、苔口しかいない。そして彼らが(今から余程発奮しない限り)山田と同等のプレーを披露出来ない事は判っている。そこまで一人の選手に依存する状態は、西村GMが語っていた「同じポジションの選手同士での競争」を生まない。西村GMの信念が変わっていないなら、この編成は言行不一致ではないのか?

 1トップのポジションも黒部が移籍し、西澤のバックアップは現状新人の小松と森島康という状態だ。左サイドもゼ・カルロスが不調だと満足に機能しない。数年来泣き所だったCBが人余りというのも皮肉な感じがする(勿論喜ぶべきところなのだけれど)。この編成はかなり危ないと感じるのだけれど、どうだろう?


 さらに言うと、この移籍でフロントと現場にギャップが出来はしないかと危惧している。どんなに頑張っても年俸は上がらず、他所から来た選手と簡単に入れ替えられてしまう。そんなチームに忠誠を誓えるモノなのだろうか。勿論本人の実力不足での解雇、移籍まで否定はしないが、今回の移籍はどう見ても疑問ばかりが残るのだ。


 

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