6/05/2005

バーレーン0VS1日本 消耗戦。

 スコア以上に安心していられる試合だった。理由は両チームのコンディションの差であったり、中東特有の高温、高湿度の環境であったりしたわけだが、何はともあれ、これで本戦出場に王手をかけた。


 スタメンは予想通り、

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 一方のバーレーンは4-5-1のワントップ。


 序盤15分程は様子見といった感じであったが、バーレーンはボールをサイドに流れたワントップのアリに早めに当てて、手数をかけずにとにかくシュートというベーシックなスタイルのままだった。

 ただホームゲーム、勝たなければいけない試合ということも有って2列目からの攻撃参加も前回の対戦時よりは有った。特に前回出場停止だったユスフのプレーが目立つ。最大のピンチとなったポスト直撃のシュートも彼から。


 対する日本は前評判よりも1トップ2シャドーが機能していた。柳沢の相手DFを翻弄する動きに中村、小笠原がうまく絡み、中田も含めた3人が早いパスワークでボールを運ぶ。この試合の中田はボールのキープも上手く、ロングパスによるサイドへの散らし役もそつなくこなしていた。


 流れが安定してきた前半25分頃から、この4人プラス両サイドの運動量が増え、相手がマークにつききれないシーンが出始めた。バイタルエリアの中にとりあえず人数だけはいるのだが、中村や柳沢のサイドに流れる動きにつられ、ボールホルダーに少しの時間とスペースを与えてしまう。

 前半32分の小笠原のゴールもそうした日本のラッシュが結実した結果と言える。小笠原がゴール前で後ろ向きにボールを受ける。それだけならプレスの餌食になったのだろうが、その横を中村が猛然と追い越していくことでDFがつられ、その間にシュートを放つ事が出来た。連続して繋がるパス、高いボールポゼッション。今の今になって「黄金の中盤」なんて言葉が頭を過ぎった。


 さらにここでジーコの強運。バーレーンが攻撃の核としていたサルミーンとMフバイルを、後半頭から交代させたのだ。サルミーンに関しては戦術的な交代ではなく、もともと怪我をしていた右ひざの状態が悪化したための止むに止まれぬもの。代わって入ったジャマル、タレブは共に前線の選手。ジドカ監督は早目の勝負に出た。恐らく苦渋の決断といったところだろう。


 これに対してジーコのハーフタイムの指示は「立ち上がりのコンセントレーションを高めておくように」後半開始から15分間程はバーレーンの猛攻が続く苦しい時間帯ではあったが、そこを何とか凌ぎきると、両チームともぱたりと足が止まってしまった。


 そして後半22分、やっとジーコが動く。中村に変えて中田浩二を入れてボランチに、中田は2シャドーの一角にポジションを上げる。

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 だが試合開始から70分以上も湿度40%、気温30℃を超える過酷な環境でプレーしていたチームの運動量は、一人交代したからといってそうそう劇的には変化しなかった。

 先に2枚もカードを切っていたバーレーンはさらに悲惨な状況。足をつる者が続出し、反撃どころかボールを奪うにも一苦労する有様だった。


 中田の予言通りの消耗戦。気持ちの強いものが勝つというシビアなゲーム。決めたい時間帯に決められた日本と、とりたい時に得点を挙げられなかったバーレーンを分けたのは、この気持ちの差だったのかもしれない。


 ジーコは取っておいた残り2枚のカードを時間を消費するために使った。ロスタイムになって小笠原に代わって稲本。柳沢に代えて玉田。

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 ジーコのマリーシアによってロスタイムの殆どは消費され、無事1-0でのタイムアップとなった。



 さて、冒頭でワールドカップ本大会へ王手と書いたが、北朝鮮戦も楽観視できない。今日の試合で三都主、中村、中田英がそれぞれ2枚目のイエローをもらい、出場停止になってしまったのだ。

 三都主の代わりは三浦淳で決まりなのだろうが、小野、中村、中田英と一度に3人もパサーが出られないというのは想定外の事態だろう。いったい北朝鮮戦はどのような布陣で臨むのか。指令塔役のバックアップ一番手である小笠原が比較的好調なのが、不幸中の幸いだろう。


 次節イランがバーレーンを破れば、そんな頭の痛い話にウンウンと唸る必要は無いのだが、出来ればドイツ行きのチケットは自分の手で掴み取ってほしい。





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