3/07/2005

数字が語る神戸戦。

 ニッカンスポーツに昨日のゲームのスタッツが掲載されている。じっと見ていたのだけれどかなり面白いデータだと思うので、是非一読して頂きたい。

神戸戦スコア.jpg


 サッカーはアメリカで生まれたスポーツ、例えば野球やアメリカンフットボールとは違い、細かなデータが引き出しにくい。その為かなり何度も試合を見返さないと評価が主観的になりがちになる。このスタッツとて完璧とは言えないが、様々な数字を追っていくことで、自虐的な評価や贔屓目といったフィルターはかなり排除できる。


 まず興味を持ったのがボール支配率。なんとセレッソが56%で圧倒している。DF間のボール回しや後半の攻めを差し引いても高い。それだけ支配していて1点しか取れなかったという事は、神戸が堅守速攻というチームカラーをしっかりと発揮した証拠なんだろうと思う。


 シュート数もセレッソ12、神戸10と上回っているし、枠内シュートも7対7と互角。しかし時間別のシュート本数を見てみると、ここでもセレッソが神戸から完全にペースを奪えなかったという痕跡が残っている。

 前半の神戸のシュートは薮田のゴールによる1本のみなのだが、同点に追いつかれてからの35分間に9本のシュートが集中している。特にカズのゴールが決まった後半15分から30分の15分間では実に7本のシュートが放たれている。

 これはチーム全体が「今するべきことは何か」というビジョンを共有していたからこそのデータと言える。実際勝ち越し点を奪ってからは、再度守りを固め、シュートはカウンターによる2本だけに留まっている。押すべき時に押し、引くべきところは引いているのだ。


 対するセレッソの中ではゼ・カルロスの積極性が目立つ。枠外のものも多いが、コースが見えればどんどん打っていく姿勢は評価されるべき。あれだけのマークを受けながら、チーム最多の5本のシュートを放っている。前線の3人(黒部、森島、古橋)のシュート数が、それぞれ2本、1本、1本なのとは好対照。

 昨日のピッチコンディションを考えれば、シュートは多少強引であってももっと打っていって良かった。グラウンダーならファンブルの可能性も十分有ったのだから。少し丁寧に行き過ぎたキライが有る。


 ここまであまりいい話が出来なかったけれども、光明となるデータも有る。被ファウル数がそれだ。神戸ディフェンスは実に35本ものフリーキックを与えている。これはセレッソの攻撃陣のポテンシャルを表すデータではないだろうか。もともと神戸はあまりスマートな守備をしないチームではあるけれども、それにしても多い。


 シンプルに総括するなら、上手く相手のペースにはめられてしまった感は否めない。しかしそれを打開する突破口を開こうとした、その努力の跡もしっかり残っていた。それがせめてもの救いだと感じている。





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