11/04/2004

西澤のいる功罪。

 どうやら次節磐田戦のスタメンは浦和戦の布陣をベースに、トップを出場停止の大久保から西澤に変えたマイナーチェンジに留まるようです。リザーブはところてん式にミキが入ってくるでしょうか、マリオの可能性もありますね。

 当の西澤ですが、持病の左大腿部痛の為に万全なコンディションではない様子。不安材料です。


 西澤は確かにポストプレーヤーとしては日本人屈指の存在ですが、逆にそれゆえに味方に「とりあえず西澤にキープしてもらおう」という意識が芽生え、依存するパターンが多々見られます。

 その為仮に西澤が抜けてしまった場合(浦和戦など好例ですが)中盤、DFラインが攻め手を欠き、バックパスを多用することになりがちです。また、相手DFに西澤を封じられてしまうと、せっかく奪ったボールをロングフィード一発で奪い返されることになり、ボールポゼッションの低下を招きます。

 ボールをまわされると、もとからスタミナの無い中盤がさらに運動量を落とし、ラインは後退、フォーメーションが間延びする為前線が孤立、いよいよ攻撃がロングフィードだけになるという悪循環を生みます。

 ひたすら空中戦に奔走した西澤は後半になると運動量が激しく落ちてしまい、無力化します。長居に足を運ばれた方ならぐったりとうなだれてラインに戻る西澤の姿を見たことが必ずあるハズです。


 これをどう解消すればいいのか。中盤でのゲームメイクがしっかりできればそれに越したことは無いのですが、現状を見る限り一朝一夕にそれができる状態ではありません。ただ、せめて西澤の足元にしっかり収まるボールを送れば、ある程度ゲームらしくなるはずです。

 普通ポストプレーヤーは足元が上手くないという場合が殆どですが、西澤は足技も上手く、キープが出来る少し変わったタイプの選手です、それを放っておく手はないでしょう。空中で競り勝っても、足元に収めても、そこからキープが出来れば後の展開は同じ、それほど違和感はないはずです。

 浦和戦に続き、磐田戦でも佐藤を先発出場させる理由はここに有ると見ています。佐藤ならグラウンダーの鋭いボールを配球できますから。多少の攻めのテンポの悪化には目をつむり、西澤の負担軽減を狙っているのでしょう。


 さて、小林監督の作戦は機能するのか、はたまた磐田の復活しつつあるパスサッカーの餌食になるか。磐田戦相性の良い大久保がいないのは本当に辛い所ですが、入れ替え戦も踏まえた上で考えれば、攻めのオブションを少しでも増やしていく必要が有ります。その意味でもこの実験は重要なのです。

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